うさぎに大量の目やにや涙が出ていたり、目の周りが赤くなっている場合、結膜炎になっている可能性があります。
うさぎの目の病気が心配な飼い主さんの話も多く聞きますが、結膜炎は角膜の病気や皮膚の炎症など別の病気に繋がってしまうことも。
うさぎの結膜炎自体がさまざまな原因で発症しますが、飼い主が気を付けることで十分に予防することが可能です!
- もし結膜炎になってしまった場合にはどうすれば良いのか
- そもそもうさぎの結膜炎はどのような病気なのか
- 具体的にはどのような予防方法があるのか
などを解説していきます。
うさぎの結膜炎とは?どんな症状が出る?
結膜炎はうさぎの目の病気の中でも特に多く見られる病気です。
上の図はうさぎの目を横から見た図ですが、そもそも結膜とは眼球とまぶたの間にある袋状の薄い粘膜です。
まぶたの裏側を「眼瞼結膜」、白目の表面の部分を「眼球結膜」と呼び、どちらかの結膜が炎症を起こしている状態のことを結膜炎と言います。
片目だけ赤いという声も聞きますが、片目だけ結膜炎になる場合もあります。
うさぎの結膜炎の症状
うさぎが結膜炎になった時の症状としては、
- 結膜の充血や腫れ
- 目やに(白っぽい目やにから水っぽい目やにまで様々)
- 涙を流す
- まぶしがる仕草をする
このような症状が見られます。
目やにがくっついたり、結膜の腫れが原因でまぶたがくっつき目が開けられなくなる状態にまでなる子もいます。
ただし少量やたまに出る目やには生理現象の場合が多いので、すぐに結膜炎などの病気であると焦る必要はありません。
ウサギの結膜炎は人と似た症状なので、飼い主も比較的気付きやすいです。
前足が汚れている時は要注意
前述の通り少量の目やには生理現象やゴミが目に入ることでで発生しますが、通常は飼い主が取らなくてもうさぎ自身がグルーミングすることで目やにを除去しています。
ただ結膜炎となるとうさぎの目をこする頻度が増えます。
結膜炎は涙が出るため、目を擦ることで前足が汚れます。
人間の場合は目やにで目が開かなくなることもありますが、うさぎの場合は強引に目やにを取ってしまうため、目やにの量などで結膜炎を疑うことが難しいです。そのため結膜炎が疑われる場合は前足が汚れてしまっていないかの確認をしてみましょう。
基本的には移りにくい
人間の場合は目を触った手で他のものに触れたりするためうつりやすいですが、うさぎの場合は基本的に結膜炎が他のうさぎにうつることは滅多にありません。うさぎは目を触った手で他のものを触る機会がないからです。
他のうさぎに結膜炎がうつる可能性があるのは目と目がぶつかるような直接接触してしまうケースです。
そのため多頭飼いの場合でも無理に隔離する必要はありません。
ただし結膜炎に関連した「スナッフル」という症状がある場合はくしゃみで菌を撒き散らしてしまう可能性もあるので注意が必要です。(スナッフルについては後ほど詳細お伝えします。)
うさぎの結膜炎の原因
うさぎが結膜炎になる原因は、目に異物が入ったり細菌感染など様々な理由があります。
特に気を付けなければいけないのは、結膜炎は他の病気と併発することがあり、併発した病気から二次感染のことも多く、その点も考慮した治療をする必要が出てくるという点です。
細菌やウイルスの感染
細菌やウイルスの感染による結膜炎はとても多いです。
パスツレラ菌や黄色ブドウ球菌、うさぎ梅毒、ポックスウイルスなど多くの細菌・ウイルスが原因となり得ます。
アンモニアや飼育グッズの刺激物
うさぎの結膜炎を引き起こす刺激物は多くあります。
うさぎの排泄物の処理が適度に行われていない場合や、換気がうまく行えていない場合にケージ内のアンモニアの濃度が濃くなります。
その他にも消臭剤や、ウッドチップに使われる針葉樹からも刺激物質が発生することがあります。
これらのアンモニアやその他の刺激物が原因で結膜炎を引き起こすことがありますが、基本的には飼い主が気を付けることで対策をすることが可能です。
牧草や砂埃などの異物
異物がうさぎの目に入ることでも結膜炎を引き起こします。
例えば牧草やペレットの袋の底に溜まる粉末や、ウッドチップ等です。
また、外を散歩させてあげる際にも異物が入る可能性があるので、
- 牧草やペレットなどは袋の底に砕けて溜まった粉末は与えない
- 散歩させる時には異物が入りにくいような環境を選ぶ
など、日常の飼育の中で気を付けてあげましょう。
他の病気の2次症状
結膜炎と受診されたうさぎは、別の病気も同時に見つかることがあります。
他の病気が原因で、その二次症状として結膜炎になってしまっているのです。
スナッフル
うさぎのスナッフルは細菌が原因の鼻水やくしゃみ等の呼吸器症状です。
菌が増殖し鼻涙管を通して目にまで影響を与える結果、結膜炎になることがあります。
不正咬合
げっ歯類であるうさぎの歯が適切に削れず噛み合わせが悪くなるなどの不正咬合も結膜炎を引き起こします。
不正咬合によって歯の根本が伸び過ぎると鼻涙管閉塞により最近の温床となり、涙を溜めている部分が炎症を起こし結膜炎へと繋がります。
その他にも斜頸がある子が床に何度も目をぶつけたり、逆さまつげやまぶたの異常によっても結膜炎が起こります。
うさぎの結膜炎の治療方法
うさぎが結膜炎になった際の治療方法はその原因によって異なります。
遺物の除去が必要な場合もありますし、細菌の感染の場合は菌の種類を調べて効果のある抗生剤を投与します。
もし飼育環境に原因がある場合はその原因を取り除いてあげることで数日でいつの間にか治ってしまうこともあります。
放置しても繰り返してしまうため基本的には動物病院へ
結膜炎は自然治癒をする場合もありますが、消化管うっ滞という命に関わるリスクも出てきます。
また、結膜炎は原因をしっかりと取り除かないと何度も繰り返してしまう病気です。
実は別の病気の二次症状であった場合や、飼い主の気付かぬ飼育環境に原因があった場合もありますし、飼い主が適切に処置ができるとは限りません。
動物病院であれば異常が見つかればそちらも同時に治療していきますので、結膜炎自体は命に関わることはありませんが別のリスクを考えて基本的には動物病院で診てもらうことをおすすめします。
動物病院に掛かる治療費の目安
実際に動物病院で診てもらうとなった場合にはおおよそ1万円前後掛かると想定されます。(もちろん動物病院によって異なります。)
小動物は保険が効きませんので、初診・診察料で5,000円程度、レントゲンが必要であれば5,000円程度、薬代が500円程度が一般的な受診料になります。
応急処置ではなく根本原因を取り除くことが大切
結膜炎になった際には別に問題を抱えている場合もあり、根本的に原因を取り除かないと何度も繰り返し発症してしまいます。
例えば市販の点眼薬を試して一時的に治ったとしても、その後すぐにまた発症することもあります。その際に長引いて炎症が収まらない場合、うさぎにとっては強いストレスになりかねません。
飼い主として、「結膜炎は他の病気の二次症状の場合もあり、根本を取り除く必要がある病気である」と理解しましょう。
うさぎの結膜炎の予防方法
結膜炎にならないに越したことはありませんので、予防方法をお伝えします。
細かいウッドチップや牧草の使用をやめる
細かいウッドチップや牧草などを利用している場合は、結膜炎に繋がるリスクがあるため使用をやめましょう。
ウッドチップや牧草、その他にもペレットなどを細かくないものに変えたとしても、袋の底に残っている細かく砕かれた屑が原因になることもあるので注意が必要です。
適切な食事で歯の健康を保つ
歯の伸び過ぎが原因による結膜炎も多いため、適切な食事で歯をしっかり削ってあげることも重要です。
うさぎの主食は牧草です。牧草の繊維を擦り切ることで歯も適切に削れていきます。
そのため牧草や硬いごはんをしっかりあげるようにしましょう。
刺激の強い消毒剤を使用しない
特に気付かずにやってしまいがちなのが消臭剤です。
人間が良かれと思って消臭剤を使用しても、うさぎにとっては刺激が非常に強い可能性があります。
適度に掃除をし風通しをよくする
ケージの掃除を毎日行うことは難しいですが、トイレの掃除は基本的に1日1回程度の頻度で行いましょう。
掃除で排泄物を溜めないようにするのと同時に、しっかりと風通しをよくしてあげることも重要です。
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