ハムスターの種類の中でも人気が高いキンクマハムスターは、ペットの飼育が初めての人にもおすすめできる飼いやすさが魅力です。
ぽってりとした大きめの体に、愛嬌たっぷりの表情や仕草が可愛らしいキンクマハムスター。
本記事では「キンクマハムスターを飼いたい」「気になっている」という人に向けて、性格や寿命、飼いやすさなどの特徴をご紹介。
キンクマハムスターの魅力を知ってぜひお迎えを検討してみてください。
キンクマハムスターは野生にはいない
キンクマハムスターは元から野生にいたわけではなく、品種改良によって生まれた種類です。
ペットショップで見かける機会が多いハムスターは、あまりイメージを抱きにくいものの本来は野生動物。
ペット人気の高いゴールデンハムスターやロボロフスキーハムスターも野生で暮らしているのです。
野生に生息しているハムスターがいる中で、キンクマハムスターのように品種改良によって誕生した歴史をもつハムスターは何種類か存在します。
カラーハムスターやクロクマハムスター、ジャンガリアンハムスターの一部毛色などは品種改良で生まれた種類です。
キンクマハムスターはゴールデンハムスターの品種改良
キンクマハムスターは、大型種であるゴールデンハムスターを品種改良して生まれた種類です。
野生には存在しない種類ですので、愛玩動物として親しまれています。
ゴールデンハムスターが日本にやってきたのは1940年頃だといわれているため、キンクマハムスターのペットとしての歴史は比較的浅めです。
キンクマハムスターの特徴
ハムスターの中では体が大きい大型種に分類されるキンクマハムスター。
その大きさは体長18cm前後、体重は85g~150gほどです。
小型種のジャンガリアンと比べると体は2倍ほど大きく、体重は3倍以上になることも。
体型や性格などはゴールデンハムスターに似ている部分が多いです。
大型種といっても省スペースで飼育できますし、温厚で人になつきやすいことからハムスターの中でも飼いやすい種類だといえます。
性格
キンクマハムスターは優しく穏やかな性格をしています。
お迎え当初は警戒心が強く臆病な一面もあるので、ゆっくり時間をかけて慣らしましょう。
ハムスターの中でも頭が良いので、名前を呼ぶと反応をみせてくれるようになることもあります。
表情が豊かで愛嬌があるため、一つひとつの行動や仕草にメロメロになってしまうはずです。
寿命
キンクマハムスターの寿命は2年~3年と短め。
体の大きさは関係なく、小型種のハムスターでも同じくらいの寿命です。
1歳半を過ぎた頃から年齢による衰えが目立ち始めるため、短い生涯を健康に過ごせるように体調面には十分気を付ける必要があります。
体の異変に気が付けるように、元気なときの様子をしっかりと把握しておくことが大切です。
値段
キンクマハムスターは1,000円~2,000円ほどで販売されていることが多いです。
人気のある種類なので、大抵のペットショップで見かけることができます。
ペット自体に大きな金額がかかることが多いですが、ハムスターの場合は比較的安価なため、お迎えのハードルが低いです。
なつきやすさ
最初は飼い主を警戒して恐がることが多いですが、慣れると良くなついてくれます。
お迎えしてすぐから過度なスキンシップなどは避けて、キンクマハムスターがこちらに慣れてくれるまでゆっくり待ちましょう。
お世話をするときは優しく声をかけながら行い、まずは手からエサを食べてくれるようになるところから始めます。
なついてくるとこちらに近寄ってきたり声をかけると反応を示してくれたりすることも。
キンクマハムスターはハムスターの中でも飼い主になつきやすい傾向にあります。
カラー
キンクマハムスターのカラーはアプリコットと呼ばれる、柔らかいオレンジ色をしています。
全身がアプリコットカラーに包まれており、このカラーがキンクマハムスターとゴールデンハムスターを区別するポイントに。
キンクマハムスターはゴールデンハムスターを品種改良したことで生まれた種類なので、カラーはアプリコットの1色のみです。
優しい色味はキンクマハムスターの穏やかな性格にぴったりです。
多頭飼いには向かない
複数で生活している姿を想像するととてもかわいらしいですが、残念ながらキンクマハムスターは多頭飼いができません。
優しい性格ではあるものの、大人のハムスターは基本的に強い縄張り意識を持っています。
複数での飼育は激しい喧嘩をしてしまい、ケガや事故につながるリスクが高いです。
キンクマハムスターを複数で飼いたい場合は別々のケージにし、お互いの気配を感じにくいように離れた場所で飼う必要があります。
キンクマハムスターを飼うために必要なもの
キンクマハムスターをお迎えする場合は、以下の飼育グッズを用意しましょう。
飼育に必要なもの | 値段相場 |
---|---|
ケージ | 5,000円~10,000円前後 |
床材 | 1,000円~ |
巣箱 | 1,000円~2,000円 |
トイレ | 500円~1,000円 |
回し車 | 2,000円前後 |
エサ | 1,000円前後 |
エサ入れ | 500円前後 |
給水ボトル | 1,000円~2,000円 |
ヒーター | 2,000円~3,000円 |
キンクマハムスターの飼育を始めるには、飼育グッズだけで15,000円~20,000円ほどの費用がかかることが予想されます。
それぞれ種類が豊富で価格の幅があるため、キンクマハムスターにとってどんなものが最適なのか、おすすめの選び方をご紹介していきます。
ケージ
ハムスターの中でも体が大きなキンクマハムスターが快適に過ごせるケージサイズは、横幅60cm・奥行き45cm・高さ30cm以上です。
ケージはガラスやアクリル素材で囲われたクリアタイプがおすすめ。
格子で囲われているタイプのものは、かじって歯を痛めてしまったり、足をかけて上に登ってしまったりする恐れがあります。
クリアタイプならよじ登られる心配が少なく、かじることもできないため安全性が高いです。
ハムスターのケージは飼育グッズがセットになっているタイプが多数販売されており、回し車やエサ入れなど必要なものが揃っていることも。
2階建てになっていたりトンネルがついていたりと遊び場が豊富な種類もあるので、どれにするか選ぶ楽しさを味えます。
お手入れのしやすさを考慮するとシンプルな構造のタイプがおすすめです。
ちなみに手作りで作るなんてことも。
ハムスターケージは5,000円前後で手に入りますが、付属品や遊び場が充実していると10,000円近い費用がかかることもあります。
床材
保温やクッション効果がある床材はハムスターの飼育で欠かせません。
床材を巣箱に持ち込んで巣作りに使うハムスターもいます。
床材の素材は複数種類ありますが、スタンダードなのは木製のチップです。
木製チップは保温と吸湿の効果が高く、容量たっぷりで1,000円程度で手に入ります。
コストパフォーマンスに優れており、スタンダードな床材なので入手しやすくおすすめです。
メリットが多い木製チップですが、皮膚が弱いハムスターではアレルギー症状があらわれることがあります。
アレルギーが心配という場合には、紙製のペーパーチップがおすすめです。
紙製は付着した汚れが分かりやすいので、排泄で汚れてしまった箇所を見つけやすいというメリットも。
アレルギーの心配もないので、皮膚が弱いハムスターにはペーパーチップを選んでみましょう。
巣箱
野生では巣穴で生活しているハムスターのために、飼育下では巣箱を用意します。
巣箱は木製・陶器製・プラスチック製の3種類が多いですが、1番おすすめなのは陶器製の巣箱。
通気性が良いので中に湿気がこもりにくいという特徴があり、汚れても洗いやすいのでおすすめです。
木製は特有の温かみがあり通気性にも優れていますが、かじることができるので劣化が早いという欠点が。
個体によってかじる程度にばらつきはありますが、気が付いたら穴が開いてボロボロになっていた、なんてこともあり得ます。
プラスチック製は最も安価で手に入りますが、割れや変色が発生しやすいです。
体の大きなキンクマハムスターですから、巣箱を破損させてしまう可能性はゼロとは言い切れません。
お手入れのしやすさや安全性、機能性を考えると陶器製の巣箱が最もおすすめです。
シンプルからキュートまでデザインも豊富なので、自分好みの巣箱を見つけてみましょう。
トイレ
フンはどこでも好きな場所でしてしまうハムスターですが、おしっこは決まった場所でする習性があるので、場所を覚えればトイレでするようになる可能性があります。
ハムスター用のトイレが500円程度から販売されているので、キンクマハムスターに合うサイズのものを選んで設置してみましょう。
寝床から離れた隅っこで排泄することが多いので、トイレは巣箱からなるべく遠い隅に設置します。
おしっこで汚れた床材をトイレの中へ入れておくと、ニオイを嗅ぎつけてトイレでしてくれるようになるはずです。
トイレを教えておくと掃除もグッと楽になりますし、ケージ内を清潔を保てるのでお迎えしてすぐにしつけにチャレンジしてみましょう。
回し車
ハムスターがケージの中で運動できるように回し車を設置してあげましょう。
最近では横向きのタイプもありますが、安全性を考えると体の大きなキンクマハムスターにはベーシックな縦タイプがおすすめです。
夜行性のハムスターは夜に活動が活発になるため、回し車で遊ぶのは飼い主が眠る頃。
音が少なめの静音タイプを選べば、回し車のカラカラ動く音に悩まされることも少ないです。
ハムスターの回し車は大型種用と小型種用にサイズが分かれるので、キンクマハムスターの体の大きさに合う大型種用を購入しましょう。
ハムスター用のプラスチック製回し車は2,000円前後で販売されています。
エサ、エサ入れ
キンクマハムスターのエサは、大型種ハムスター専用のペレットを与えます。
ゴールデンハムスター用と表記があるエサを選びましょう。
ハムスター用のペレットは複数のメーカーから販売されていますが、最初はお迎えした先で与えられていたものと同じエサを与えてください。
いきなりエサが変わると食いつきが悪くなることがあるので、どのエサを与えていたか確認するようにしましょう。
多くは1,000円前後で手に入りますが、高品質なエサでは2,000円近くなることもあります。
エサ入れはハムスター用のものとして500円前後で販売されていますが、100円ショップで売っている陶器製の入れ物でも代用できます。
キンクマハムスターのサイズに合うもので、中身がこぼれにくいように返しが付いていると扱いやすいです。
代用する場合は、ハムスター用に販売されているエサ入れを参考に選んでみてください。
給水ボトル
給水ボトルは固定型と置き型の2種類があり、1,000円~2,000円ほどで購入できます。
固定型はひっくり返される心配がなく、飲み水が汚れにくいです。
置き型は無理のない姿勢で飲めますが、飲み口に床材などのゴミが溜まりやすく場所を取るためある程度のスペースが必要。
どちらかといえば固定型の方が管理がしやすいです。
キンクマハムスターと飲み口の高さが合うものを選ぶようにしましょう。
ヒーター
キンクマハムスターを寒さから守るために、冬の時期はペットヒーターを活用しましょう。
ホットカーペットのように床下に敷くタイプや、ケージの壁に固定して取り付けるタイプ、上から吊るすタイプなど種類がいくつかあります。
ハムスターが自分で体温調整できるように、ヒーターで温かい部分と保温していない部分が半々になるようなイメージで設置してください。
どのタイプのヒーターも2,000円~3,000円ほどで購入できます。
キンクマハムスターを飼う際のポイント
キンクマハムスターを健康に育てていくためには、以下3つのポイントに注意しましょう。
- 健康な個体をお迎えする
- エサはペレットを主食にする
- トイレの位置は動かさない
お迎え後の飼育の仕方はもちろんのこと、お迎えする前にも気を付けたいポイントがあります。
キンクマハムスターを飼う際の注意点について、それぞれ詳しくみていきましょう。
健康な個体を選ぼう
管理が悪い状態で飼育されている場合、ハムスターがお迎え前から病気やケガを患っているケースが残念ながら存在します。
お迎えする際はキンクマハムスターの体が清潔か、動きは活発か、飼育ケージの汚れがひどくないかをチェックしましょう。
夜行性のハムスターは日中は眠って過ごしているため、動いている姿を見るなら夕方以降に様子を見に訪れてみてください。
ペレットを主体とした餌を与える
ハムスターは野菜や果物、ヒマワリなどの種子も食べますが、主食はハムスター用のペレットです。
必要な栄養素はペレットから摂取することができるので、しっかりペレットを食べれていれば野菜や果物は与える必要はありません。
ペレット以外の食べ物を与えすぎると、肥満や偏食の原因となります。
野菜や果物、種子はおやつとして少量をたまに与える程度にとどめましょう。
トイレの場所を固定してあげる
ハムスターは決まった場所で排泄をする習性があります。
トイレで排泄できるようになっていたら、設置場所は動かさずに固定しましょう。
不用意に動かすとせっかく覚えたトイレができなくなってしまう恐れがあります。
ハムスターは寝床から離れた位置で排泄する傾向にあるので、もしもケージ内のレイアウトを変更する際は、巣箱はなるべくトイレと離れた位置に設置してください。
まとめ
キンクマハムスターは複数種存在するハムスターの中でも、温厚でなつきやすく、その飼いやすさから人気を集めています。
ケージ内の飼育で広い場所を必要としないため、一人暮らしや賃貸物件に住んでいるという人にもおすすめのペットです。
思わずキュンとしてしまうような愛らしい表情や仕草に誰しもきっと癒されます。
お迎えの際はキンクマハムスターに合う飼育グッズを揃えて、エサの内容に気を付けながらお世話をしてあげましょう。
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飼い主の皆さん自身も、もちろんペットもより快適で幸せに暮らすために、ぜひ一度ご覧ください!