人気が高いゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターとはまた違った魅力をもっているチャイニーズハムスターをご存じでしょうか。
ペットショップで見かける頻度も人気種に比べると少ないため、チャイニーズハムスターの特徴について知らない人も多いはずです。
本記事では、あまりメジャーではないチャイニーズハムスターの性格や飼い方をご紹介しながら、その魅力に迫ります。
チャイニーズハムスターを飼いたいと思っている人はもちろん、どの種類のハムスターを飼おうか迷っている人も要チェックの内容です。
チャイニーズハムスターとは
ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターと同じ小型種であるチャイニーズハムスターは、体長10cm前後、体重30g~40gほど。
体の大きさは大型種であるゴールデンハムスターの半分くらいと小柄です。
研究のための実験動物として1950年代頃に日本にやってきたことが始まりです。
その名前の通り原産地は南シベリアから中国北東部で、モンゴルハムスターと呼ばれることも。
チャイニーズハムスターがあまりメジャーではない理由として、ペットショップで見かける機会が少なく知名度が低めであることが考えられます。
チャイニーズハムスターの特徴
丸みのある体型をしたハムスターが多い中で、チャイニーズハムスターはスラリと細長い体つき。
ほかのハムスターに比べて長さがあるしっぽは、体のバランスをとる役割をしていることから、木登りが得意です。
チャイニーズハムスターはしっぽの長さと細長い体型から、見た目は最もねずみに近い種類だといえます。
また、大人のオスに限定される特徴ですが、精巣がとても大きく発達するため驚く人も多いです。
性格
とても警戒心が強く臆病ですが、噛みつくような攻撃性は少なく優しい性格をしています。
ハムスターの中でも頭が良いのでトイレのしつけもしやすく、ハムスターを飼うのが初めての人にも向いている種類です。
なつきやすさ
チャイニーズハムスターは時間をかければ人になついてくれます。
慣れると手の上に乗せたり、エサやおやつを手渡しできたりするように。
臆病で警戒心が強い一面があるので、お迎えして日が浅いうちはなかなか姿を見せてくれないことが多いです。
賢いため嫌な記憶はよく覚えていますから、慣れていないうちから無理に触ることは避けてください。
お世話の際は驚かせないように優しく声をかけながら行いましょう。
飼育しやすさ
チャイニーズハムスターは飼育がしやすいので、ペットを飼うのが初めての人にもおすすめです。
ケージ飼いで広いスペースを必要としないこと、鳴き声やニオイが気にならないことから、賃貸物件や集合住宅、一人暮らしでの飼育にも向いています。
基本的なお世話はエサやりと掃除で、方法もシンプルなため手間が少ないです。
お迎え後の環境と生活リズムに慣れればなついてくれるので、チャイニーズハムスターは誰にでもおすすめできる飼いやすい種類だといえます。
寿命
チャイニーズハムスターの平均寿命は2年~3年ほど。
体の小さなハムスターは大型種と小型種に関係なく寿命が短いです。
愛情を持ってお世話ができていれば寿命をまっとうできることが多いですが、1歳半以降には体の衰えが目立ち始めます。
特にシニア期は病気やケガに気を付けながら体のケアをしてあげることが大切です。
カラー
チャイニーズハムスターのカラーは以下5種類です。
チャイニーズハムスターのカラー | 特徴 |
---|---|
ノーマル | チャイニーズハムスターのスタンダードカラー 背中は茶色と灰色でお腹と四肢が白色 |
シルバー | 背中側が全体的に薄い灰色 ノーマルカラーが薄くなったような姿 |
パイド | ノーマルと同じカラーで背中にぶち模様がある |
ホワイト | 全身が真っ白で目は黒い 数が少ない希少種 |
アルビノ | 全身が真っ白で目が赤い 数が少ない希少種 |
ペットショップなどで見かける機会が多いのはノーマル・シルバー・パイドの3種です。
ホワイトとアルビノはあまり多くは出回っていません。
臭い
チャイニーズハムスターの体臭と排泄物のニオイはほとんど気になりません。
ほかの種類のハムスターと比べるとおしっこのニオイが控えめなので、アパートやマンションなどの集合住宅でも飼いやすいです。
とはいえ掃除を怠れば排泄物から細菌が繁殖してニオイが発生します。
ニオイを抑えて清潔を保つためにはこまめな掃除は必須です。
ほかのハムスターとの違い
チャイニーズハムスターは他のハムスターと比べると運動能力が高いという特徴があります。
スラリとした細身の体を活かして俊敏に動き回り、長いしっぽでバランスをとりながら高いところへ登ることが得意。
動きが素早く運動能力の高さから脱走をしやすい傾向にあるので、お世話をする際は特に注意が必要です。
やや野性味を感じるねずみに近い見た目も、ほかのハムスターとは大きく異なります。
チャイニーズハムスターがケージの中を元気よく動き回る姿は、ずっと見ていられるほど癒されるはずです。
チャイニーズハムスターの値段
チャイニーズハムスターの値段はカラーによって多少の違いがありますが、3,000円~4,000円ほどでお迎えできます。
ノーマル・シルバー・パイドは3,000円台が多く、希少種のホワイトとアルビノは4,000円前後が相場です。
メジャーな種類であるゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターに比べると、ペットショップで見かける機会が少ないチャイニーズハムスターは若干値段が上がります。
お迎えを検討する際は、小動物専門店や大型のペットショップなどを中心に探してみましょう。
チャイニーズハムスターを飼うのに必要なもの
チャイニーズハムスターの飼育を始めるには、以下の飼育グッズが必要です。
飼育に必要なもの | 値段相場 |
---|---|
ケージ | 5,000円~10,000円前後 |
床材 | 1,000円~ |
巣箱 | 1,000円~2,000円 |
トイレ | 500円~1,000円 |
回し車 | 2,000円前後 |
エサ | 1,000円前後 |
エサ入れ | 500円前後 |
給水ボトル | 1,000円~2,000円 |
ヒーター | 2,000円~3,000円 |
一般的に飼育グッズを揃えると合計で15,000円~20,000円ほどの費用がかかることが多いです。
ここにチャイニーズハムスターの生体価格を合わせると、初期費用は20,000円前後になることが予想されます。
ほかの小動物では初期費用に50,000円以上かかることが多いので、少ない費用で飼育を始められる点は、ハムスターのペット人気が高い理由の1つです。
飼育グッズはそれぞれ種類が豊富なため、選び方を間違えると使い勝手の悪さから買い直し、なんてこともしばしば。
チャイニーズハムスターにぴったりの飼育グッズを選ぶためにも、おすすめの選び方をご紹介します。
ケージ
小柄なチャイニーズハムスターに適したケージサイズは横幅45cm、奥行き30cm、高さ25cm以上です。
狭くなければ良いので、大型種ハムスター用のケージサイズを選んでも問題ありません。
ハムスターケージは、回し車や給水ボトルのような飼育に必要なグッズがセット販売されているものもあります。
トンネルやスロープなど遊び場が充実しているケージもありますが、安全性やお手入れのしやすさを考慮するとシンプルなデザインがベストです。
ケージタイプは格子で囲ったものよりも、ガラスやアクリル素材で囲われているフラットなクリアタイプがおすすめ。
格子をかじって歯を痛めてしまったり、足をかけて上によじ登ったりするリスクが少ないです。
運動神経の良いチャイニーズハムスターですから、小さな体からは想像もつかないような動きをする可能性があります。
ケガなく安全に暮らせるケージを選んであげましょう。
付属品がついていないシンプルなケージなら5,000円前後、セット内容や遊べる仕掛けが充実しているケージだと10,000円前後の費用がかかります。
床材
ハムスターの飼育において床材は、保温やクッションの役割を果たします。
床材の素材はいくつかありますが、機能性とコストパフォーマンスに優れている木製チップがおすすめです。
木製チップは保温・吸湿の効果があり、1袋で数か月もつほどの量が入って1,000円ほどと安価で手に入ります。
ハムスターの床材の中では最もスタンダードな種類なので、ペットショップだけでなくドラッグストアやホームセンターなど身近なところから入手しやすいです。
しかし中には木製チップを床材に使うことでアレルギー反応がでてしまうハムスターもいます。
その場合はアレルギーの心配がない紙製のペーパーチップがおすすめです。
紙なので排泄で汚れた部分が分かりやすく、掃除がしやすいというメリットも。
お迎えしたチャイニーズハムスターに合う床材を選んであげてください。
巣箱
野生では巣穴の中で眠るハムスターに最適な寝床は巣箱です。
最近ではデザインのバリエーションが豊富で、好みの巣箱を選ぶ楽しさがあります。
ハムスターの巣箱選びで重要となるのがサイズと素材。
実はハムスターにとって最適なサイズ感でないと、入ってくれなかったり排泄をするようになったりすることがあります。
ハムスターにとって小さすぎず大きすぎない巣箱が理想的で、一般的には1つの巣箱にハムスター3匹が入れるくらいの広さが良いといわれています。
高さは巣箱の中でハムスターが立ち上がっても頭をぶつけないくらいが目安です。
素材は木製・プラスチック製・陶器製・布製があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
最もおすすめなのは陶器製の巣箱で、表面に塗装が施されたタイプなら、汚れがついても洗いやすく湿気がこもりにくいです。
木製も陶器製同様に湿気がこもりにくいですが、汚れが付着すると木目に浸み込んでしまいますし、かじられるので劣化が早め。
プラスチック製は安価で洗いやすいという特徴があるものの、割れや変色が起こることも。
布製は柔らかいので心地よく眠れますが、汚れが付いたときにサッと拭き取れないというデメリットがあります。
季節によって違う素材の巣箱を使い分けたり、洗い替え用に複数持っておくのも便利です。
ハムスターの巣箱は1,000円ほどから購入でき、スロープなどの遊び場が付いているものになると2,000円ほどの費用がかかることもあります。
トイレ
チャイニーズハムスターは頭が良いので、ハムスターの中でもトイレを覚えやすい種類です。
残念ながらフンは好きなところでしてしまいますが、おしっこはしつけをすればトイレでできる可能性があります。
ハムスター用のトイレとトイレ砂を用意して、巣箱から離れた隅に設置しましょう。
教え方はおしっこで汚れた床材をトイレの中に入れておくだけ。
ハムスターは同じ場所で排泄をする傾向があるため、トイレの中におしっこのニオイを付けて覚えさせます。
ただし、頭が良いチャイニーズハムスターでもトイレを絶対に覚えるというわけではありません。
お迎え後から時間が経ちすぎていると、トイレを教える前に排泄場所が定着してしまうこともありますし、個体によっては好きな場所で排泄することも。
覚えてくれたらいいな、というくらいの心構えでお迎え後すぐからしつけを実践してみましょう。
トイレ砂と合わせても1,000円ほどで手に入ることが多いです。
回し車
ケージの中で思い切り運動ができるように回し車を設置してください。
ハムスター用の回し車は大型種用と小型種用の2種類に分かれます。
チャイニーズハムスターには「ドワーフハムスター」や「ジャンガリアンハムスター」と記載のある小型種用の回し車を選んであげましょう。
横向きの回し車もありますが、遠心力で飛ばされてしまうことがあるので、縦型タイプが事故の心配が少なくおすすめ。
さらに音があまり気にならない静音の回し車なら、チャイニーズハムスターが夜中に元気よく走っても音に悩まされることが少ないです。
ハムスターは回し車の中で排泄することもあるので、中の部分がフラットになっているとお手入れがしやすいです。
プラスチック製の回し車は2,000円前後で購入できます。
エサ、エサ入れ
体の小さいチャイニーズハムスターには、ドワーフハムスター専用のエサを与えましょう。
ジャンガリアンハムスターと表記されているものでも問題ありません。
一般的には1,000円前後で手に入りますが、素材にこだわった高品質なエサになると2,000円を超えることも。
どのメーカーのエサを与えれば良いのか最初は迷いますが、お迎えした先で与えられていたエサと同じにすると食いつきも落ちにくいです。
エサを買い替える場合は、チャイニーズハムスターがお迎え後の環境に十分に慣れてからにしましょう。
エサを入れる容器はハムスター用のものが500円前後でありますが、100円ショップの似たような容器で代用できます。
ハムスター用のものを参考にしながら、エサが食べやすそうな容器を試してみてください。
ペレットを基本とする
ハムスターはヒマワリの種を食べるというイメージが強い人も多いかと思いますが、主食はハムスター専用のペレットです。
野菜や果物、種子はおやつとして少ない量をたまに与えるだけにしておきましょう。
ペレットをしっかりと食べれていれば、特別ほかに追加する必要はありません。
もしもペレットの食いつきが悪い場合は、ほかのメーカーのペレットを試してみてください。
給水ボトル
ハムスターに合う給水ボトルは1,000円~2,000円ほどで購入可能です。
置き型と固定型の2種類がありますが、水替えや管理が楽な固定型がおすすめ。
置き型はスペースをとるので、ケージに十分な広さがある場合は購入を検討しましょう。
飲み口が床材や排泄物で汚れやすいというデメリットはありますが、ハムスターが立ち上がることなく自然な姿勢で飲めます。
置き型も固定型も、チャイニーズハムスターに飲み口が無理なく届くものを選んであげてください。
ヒーター
冬の寒い時期にはペット用ヒーターがあると安心です。
ケージの底に敷くタイプ、天井から吊るすタイプ、壁に固定するタイプが主流で、どれも2,000円~3,000円ほどで購入できます。
ケージ内の全体を温めてしまうと、ハムスターが暑さを感じたときに逃げ場がありません。
体温調節しやすいように、ヒーターはケージの半分か3分の1を温められるサイズを選びましょう。
ハムスターは体が小さくケージのサイズもそこまで大きくないので、Sサイズほどで十分足りるはずです。
チャイニーズハムスターを飼う際のポイント、注意点
初心者向きで飼いやすいチャイニーズハムスターですが、飼育する際は以下4つのポイントを抑えておきましょう。
- 脱走しやすい
- 多頭飼いはNG
- 臆病なため怖がらせない
- 温度・湿度管理は適切に
病気やケガ、事故のないようにお世話をするためにも、4つの飼育ポイントに注意しておくことが大切です。
それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
他のハムスターより脱走が得意
動きが素早いチャイニーズハムスターは、脱走しやすい種類だといえます。
小さいので家具や家電の隙間に入り込んでしまうと捕まえるのが大変ですし、コードなどをかじって事故につながるリスクも高いです。
お世話をするときはケージの扉部分の開閉には十分注意し、時間がかかる場合は虫かごなど別の容器で待機させましょう。
チャイニーズハムスターは運動能力が優れており高いところへ登るのもへっちゃらなので、ケージ上部の開閉口から脱走してしまう可能性もゼロではありません。
特に足を掛けられる格子状のケージで飼う場合は、上部の開閉口を開けられないように、扉の上に物を置いておくなど対策をしてください。
多頭飼いには向いていない
大人のチャイニーズハムスターは縄張り意識が強いので、多頭飼いをすると高確率で喧嘩をします。
ケガをする原因となるので、多頭飼いをするのはNGです。
複数匹お迎えしたい場合はそれぞれにケージを用意し、お互いを離した場所で飼育する必要があります。
怖がらせない
チャイニーズハムスターがお迎え後の生活に慣れるまでは、怖がらせないように優しく声かけをしながらお世話をするように心掛けてください。
頭が良いので飼い主にされて嫌だったこと、怖かったことなどを覚えています。
一度大きな恐怖心を覚えると嫌なことをされると認識し、飼い主になつかなくなってしまうことも。
無理に抱き上げたり大きな音を立てたりするのはNGです。
なついていない状態でのお世話は脱走のリスクも上がるため、できる限り驚かせないように注意深くお世話をしてあげましょう。
温度、湿度に気を付ける
ハムスターに適した飼育環境は、温度20℃~25℃、湿度50%前後です。
気温の変化が少ない場所だとハムスターの体に負担がかかりにくいので、直射日光や空調の風が直接当たらないところで飼育しましょう。
ハムスターは湿気の多いジメジメとした空気が苦手なので、できるだけ風通しの良い場所にケージを設置します。
冬の気温低下には特に注意し、ペット用ヒーターを活用するなど工夫をしてください。
低体温の状態になると命を落とす危険性がグッと上がるため、注意が必要です。
まとめ
メジャーなハムスターとはまた違う魅力があるチャイニーズハムスター。
ねずみに近い見た目とちょこまかと一生懸命に動き回る姿はとても癒されます。
飼い方もシンプルなのでペットとして誰にでもおすすめできる種類です。
人とはちょっと違うハムスターを飼ってみたいという人は、ぜひともチャイニーズハムスターのお迎えを検討してみてください。
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飼い主の皆さん自身も、もちろんペットもより快適で幸せに暮らすために、ぜひ一度ご覧ください!