フクロモモンガの体調不良の中でも多いのが下痢や軟便。フクロモモンガはもともと警戒心が強い臆病な動物なので、環境の変化やストレスにはとても敏感です。
一過性で下痢をすることもありますが、命に関わるような重たい症状となってしまうこともあります。
今回はそんなフクロモモンガの下痢にフォーカスして、原因や対策をご紹介していきます。
下痢や軟便だけでなく便秘についても併せて解説するので、フクロモモンガのお腹のトラブル自体にぜひ詳しくなってください。
フクロモモンガを飼育している人はもちろんのこと、これから飼ってみたいと考えている人もぜひチェックしてくださいね。
フクロモモンガの下痢の症状
フクロモモンガの下痢は、
- フンの形が残っていていつもより柔らかい状態の軟便
- ドロッとした泥状便
- 水のようにべちゃっとした水様便
の3つにおおきく分かれます。
どれも健康な時のフンと比べると水分が多いので、フクロモモンガが下痢をしていたらいつもよりケージの中が汚れているでしょう。
下痢は長引くと食欲が落ちて体重が減少してしまうこともありますし、悪化して血便がみられることもあります。
食欲がなくなると毛艶が悪くなり、元気の低下にもつながってしまうので、フクロモモンガの下痢はひどくなる前に対処したい病気です。
フクロモモンガの健康なフンの色
フクロモモンガの健康時のフンはこげ茶色や黒っぽい色をしています。
下痢または軟便をしていて尚且ついつものフンと色が違う場合は要注意です。
血便が出るケースもありますので、普段のフンの色を把握しておくと異変に気が付きやすいのでよく観察しておきましょう。
フンの色は食事内容によっても変化する点に注意
フクロモモンガのフンは、食べ物によって色が変わることがあります。
例えば、昆虫などの動物性たんぱく質を食べると黒っぽいフンが、葉野菜を食べれば緑色のフンがみられます。
このようにフクロモモンガのフンの色は食事内容の影響を受けやすいため、いつもとフンの色が違った場合は何を与えたか思い返してみると良いです。
色がいつもと違っても、フンの硬さが正常で食欲や元気に変わりがなければ心配する必要はありません。
フンの硬さにも気を付ける
フンの異常に気が付くためには、フンの硬さにも注意を払ってみましょう。
フクロモモンガのフンはある程度の弾力があるのが通常です。
形があってもいつもより軟らかい場合はお腹の調子を崩しているかもしれないので、注意深く様子をみてあげてください。
軟便が続いたり、べちゃっとしたフンへと変わっていくようであれば早めに動物病院へ連れて行きましょう。
フクロモモンガが下痢かどうか見分けるには
フクロモモンガが下痢をしているかの判断材料は、フンによる汚れを見ると分かりやすいです。
下痢をしているときはケージ内の足場や止まり木など、フクロモモンガがよく過ごしているスペースにフンの汚れがいつも以上に目立ちます。
健康なときのフンでもある程度の色は付着しますが、下痢の程度がひどいほど汚れも多くみられるようになるので、下痢を見極める1つの目安にしてみてください。
ステップの上でフンが引き伸ばされていないか
フクロモモンガを飼育するうえで、ケージ内にステップを設置している人は多いのではないでしょうか。
下痢をしていると、ステップにベターっと引き伸ばされたフンを発見できることがあります。
ステップの上は汚れが目立ちやすいので、フクロモモンガの体調で怪しいなと感じたらチェックするようにしてみましょう。
お尻の毛にフンが付いていないか
下痢を疑うときは、フクロモモンガのお尻周りを要チェックです。
軟便では分かりづらいこともありますが、下痢の症状がひどければひどいほどお尻周りの毛にフンが付着して汚れます。
お尻にフンがついていることで、普段よりニオイが気になるようになります。
基本的にお尻が汚れるほどの下痢は、症状の程度としては悪い状態だと考えてください。
衛生的にも良くないですし、汚れた状態で過ごすのは皮膚にも悪影響を及ぼします。
お尻が汚れるほどの下痢をしていたら迷わず動物病院で診てもらいましょう。
フンを食べることは下痢ではなく栄養補給のため
フクロモモンガには自分のフンを食べる「食糞」という習性があります。
これは食事で補えなかった栄養を得るために行なっていると考えられており、下痢との関連性はありません。
個体差はありますが、食事を充分に摂取していてもフンを食べるフクロモモンガはいますので、心配しなくても大丈夫です。
食糞が気になるようであれば、食事の内容を変えてみたり、フクロモモンガ用のサプリメントを試してみたりすると改善するかもしれません。
ただ、栄養のバランスが悪いと偏食になりますし、体調を崩して下痢につながることもあります。
また、急な食事の変更もお腹を壊すきっかけになることがあるので、食事を変える際は少量から始めましょう。
フクロモモンガの下痢の原因と対策
フクロモモンガが下痢をする原因はいくつかあります。
よくある下痢の原因がこちらの5つです。
- 寄生虫の感染
- ストレスを感じている
- 食事が合っていない、傷んでいる
- 温度管理が適切でない
- 赤ちゃんのため抵抗力が弱い
健康なフクロモモンガでも下痢になる可能性は充分にあります。
それぞれの下痢の原因について、対策方法と併せて詳しくみていきましょう。
寄生虫
よくある原因の中でも多いのが寄生虫感染です。
「ジアルジア」、「トリコモナス」、「コクシジウム」などの原虫に感染して下痢を発症してしまいます。
- 母親から子供に移る
- 不衛生な環境での飼育
- ストレスを感じていて免疫力が低下している。
寄生虫感染は上記3つが理由となり感染するケースが多いです。
動物病院では、まず検便をしてどの寄生虫に感染しているのかを確認し、それぞれに合う駆虫薬を投与して下痢の治療をしていきます。
寄生虫感染の予防は衛生とノンストレスが大切
まずはケージ内の衛生環境を見直して、こまめな掃除を心掛けましょう。
糞尿はニオイも気になりますし、汚れた飼育環境はフクロモモンガにも大きなストレスとなります。
ストレスについては後述でも詳しく解説しますが、食事・運動・快適な飼育環境に気を配ることが大切です。
ストレスフリーな状態はフクロモモンガの病気に対する抵抗力が高まるので、下痢以外の予防効果もかなり期待できます。
感染を防ぐためには、こまめに掃除をしてストレスへ配慮してあげましょう。
ストレス
ストレスは万病のもとといっても過言ではありません。
フクロモモンガだけでなく、他のどの動物にも当てはまる言葉です。
フクロモモンガがストレスを感じる場面としてこのような例があります。
- ケージ内に遊び場が少ない
- 飼い主とのコミュニケーション不足
- ケージ内が清潔でない
- 室温が適していない
- 過度に構いすぎている
ケージ内の清潔さや室温には気を付けている人は多いかもしれませんが、意外と見落としがちなのが運動とコミュニケーションです。
ストレスを感じていると体の抵抗力が弱まり、下痢などの病気にかかりやすくなってしまいます。
適度なスキンシップでストレス発散を
ケージ内には寝床や餌場だけでなく、フクロモモンガがつかまって遊べるようなおもちゃを設置してあげましょう。
遊び場は止まり木やはしご、トンネル、回し車などがおすすめですよ。
また、充分に懐いている状態であれば、ケージの外へ出して遊んであげることも気分転換になるので良いです。
フクロモモンガは社会性の高い動物ですので、信頼関係が構築されている飼い主とのコミュニケーションを大切にします。
夕方から明け方のフクロモモンガが起きている時間帯に合わせて、遊びやスキンシップをしてあげましょう。
ただ、飼い始めてから慣れるまでは警戒心が強い状態ですので無理な触れ合いはNGです。
さらに、夜行性のフクロモモンガは日中は眠っていますので、活動する時間帯で構うようにしてください。
睡眠を妨害されることで下痢などの体調不良につながってしまう恐れがあります。
餌、食事
栄養バランスの偏った食事は下痢を引き起こす原因となります。
雑食のフクロモモンガは基本的になんでも食べますが、嗜好性が高いので偏食にならないように気を付けたいです。
おやつや果物ばかり与えていると、それしか食べなくなってしまいます。
特に、水分の多い果物はあげすぎるとお腹を壊してしまうので注意してください。
それから、与えた餌の食べ残しは長い時間放置していると傷んでカビが生えることがあります。
与えてから一定時間経過したものは片づけるようにして、傷んだ餌をフクロモモンガが食べてしまわないようにしましょう。
主食はフクロモモンガ専用のペレットにする
栄養バランスに配慮されているフクロモモンガ専用のペレットを主食にするのがベストです。
バランスを考えて複数のペレットを混ぜて与えるのもおすすめできます。
もしも新しいエサに変えるときは、少量をもとから与えているエサに混ぜながら慣らしていってください。
いきなり全量を新しいエサに切り替えると消化不良を起こして下痢をする可能性があります。
そして昆虫や果物、種実などはおやつとしてたまに与える程度にしましょう。
欲しがるだけ好きなものを自由に与えると、ペレットの食べが悪くなるかもしれないので気を付けてください。
温度管理
快適な室温はフクロモモンガが健康に過ごすためにとても重要です。
暑すぎたり寒すぎたりするとお腹の調子が崩れて下痢をしてしまうことがしばしばあります。
フクロモモンガが快適に過ごせる室温は約23℃~28℃です。
暖かい地域で暮らしているフクロモモンガは、冬の寒さには特に弱いので対策をしてあげる必要があります。
エアコンやヒーターを活用する
夏は室内のエアコンで涼しく過ごせるように温度設定してあげましょう。
直接風が当たると逆に冷えすぎてしまうので避けてください。
また、冬はケージ内に小動物用のヒーターを設置してあげると暖を取れるので安心です。
上に吊るす電球タイプから床に置くホットカーペットなど、ヒーターの種類は色々ありますので使いやすいものを試してみましょう。
赤ちゃん(ベビーモモンガ)の場合
赤ちゃんモモンガは大人のフクロモモンガに比べると、あらゆる変化に敏感でとても繊細です。
食事の切り替えで消化不良を起こしたり、温度変化でストレスを感じたりすると下痢をします。
大人と同様に、寒さには特に注意したいところです。
さらに、ベビーモモンガは抵抗力が大人ほど強くないため、下痢が重症化して長引くと命を落とす危険もあります。
餌は食べやすいように工夫を
ベビーモモンガの食事は、サツマイモのような繊維質が多いものは消化をするのに負担がかかり下痢をしやすいです。
生後3か月頃までは、刻んで細かくした果物やすり潰したペレットを与えましょう。
木の実や硬い種実も同様で、殻をむいてあげたり細かく潰してあげると消化トラブルが少なくなります。
フクロモモンガの下痢に合わせて便秘にも注意しよう
下痢と同時に、フクロモモンガの便秘にも気を付けてください。
便秘の原因は下痢と同様で、このような症状があらわれます。
- フンが出ていない
- いつもよりフンが小さいまたは量が少ない
- 体重が減っている
- 食欲がない
下痢と同様に、ストレスや寄生虫感染で便秘も起こりますが、症状の大きな違いはフンが出ているかどうかです。
便秘が続くとフンが出ないことでお腹が張って食欲がなくなりますし、消化器の働きも停滞してしまいます。
上記の症状がある場合は便秘を疑い、動物病院で速やかに診てもらいましょう。
まとめ
- フクロモモンガの下痢を発見するにはケージやお尻周りをチェック
- 下痢は長引くと食欲や元気が低下し回復に時間がかかるので、早めに動物病院に連れて行くことが大切
- フクロモモンガをストレスや感染症から守るためには飼育環境と食事の内容に気を付ける
今回は、フクロモモンガの下痢について原因や症状、対策方法をご紹介しました。
お腹の不調は悪化すると全身に影響が拡がりますので早めに対応してほしいです。
特にフクロモモンガは体が小さいので、病気による体力の消耗は激しくなります。
下痢も便秘も症状に気が付いたら動物病院へ連れて行き、再発させないために普段の飼育環境を見直してみましょう。
日ごろからしっかりと予防をして、フクロモモンガの健康を守ってあげてくださいね。
様々な小動物を飼ってきた私が、もっと気軽に小動物の飼い主同士がやり取り出来たり、落ち着くコミュニティだったり、悩んだ時に質問しあえる環境が欲しくてサービスを提供していましています!
飼い主の皆さん自身も、もちろんペットもより快適で幸せに暮らすために、ぜひ一度ご覧ください!