うさぎのスナッフルとは?原因や症状、治療や予防方法までを解説

うさぎのスナッフルとは?原因や症状、治療や予防方法までを解説

うさぎの病気の1つである「スナッフル」をご存じですか?

うさぎに鼻水やくしゃみの症状がある場合、もしかしたらそれはスナッフルかもしれません。

鼻の症状がみられるので風邪と勘違いしてしまいますが、実はスナッフルとは呼吸器の疾患なのです。

今回はそんなうさぎのスナッフルについて、原因や症状さらには治療の流れや予防方法までを徹底解説していきます。

万が一うさぎがスナッフルになってしまった時に備えてしっかりと学んでおきましょう。

目次

うさぎのスナッフルとは呼吸器疾患で起こる症状のこと

うさぎの鼻

うさぎのスナッフルとは、鼻水や鼻詰まりなどで鼻腔が狭くなることで呼吸が苦しくなる呼吸器疾患です。

このような鼻の症状は、細菌に感染し鼻腔で菌が増殖をすることで炎症が起きて発症します。

ひどくなると炎症は鼻だけにとどまらず、目や耳、気管や肺にまで広がってしまうことも。

1度の治療で細菌を完全に排除することが難しく、完治したようにみえてもストレスなどで免疫力が落ちたタイミングで再発を繰り返すもしばしばあります。

鼻呼吸をするうさぎにとって、鼻水や鼻詰まりで呼吸がしにくい状態はとても苦しい状態です。

さらにうさぎは元から肺活量が少ないので、重症化すると呼吸困難に陥り命に関わる恐れもあります。

うさぎのスナッフルの症状

うさぎのスナッフルは、初期段階の症状では透明でさらさらの鼻水とくしゃみがみられます。

ここから進行していくと、黄色や緑色のドロッとした粘度の高い鼻水に変化して、くしゃみの回数もグッと増えます。

進行するにつれて鼻呼吸がしにくくなるので、呼吸のたびにズーズー、フガフガという音が漏れるように。

また、うさぎは鼻を不快に感じるので、前足で鼻をこする仕草をすることもあります。

前足に付着した鼻水が原因で、ケージ内が汚れたり皮膚炎を起こしたりすることもあるので、こまめに鼻周りを拭いて清潔にしてあげることが必要です。

スナッフルは放置することで命の危険に関わることも

うさぎのスナッフルをただの風邪だと思い込んで放置してしまうと、炎症が全身に広がって命を落とす危険性が。

目に炎症が広がると、涙と目やにがたくさん出るようになります。

耳の炎症では不快感から耳を振って気にする仕草や、平衡感覚に異常をきたして首が常に傾いた「斜頸」という状態になることも。

さらに気管支や肺に炎症が波及すると、重度の呼吸困難に陥る非常に危ない状態です。

このようなスナッフルの症状の不快感から、食欲や元気の消失もみられます。

油断すると、鼻のみならず全身症状があらわれるので、重症化する前に動物病院で診てもらいましょう。

うさぎのスナッフルの原因 

スナッフルは「パスツレラ菌」という細菌への感染が原因となることが多いですが、他にも「黄色ブドウ球菌」、「緑膿菌」、「ボルデテラ菌」、「気管支敗血症菌」などたくさんの細菌が関与します。

うさぎが細菌感染を起こす原因はこちらです。

  • 他のうさぎから細菌を移される(飛沫感染)
  • 掃除の行き届いていない不衛生な環境での飼育
  • 環境や精神的なストレスで免疫力が低下している
  • 急激な温度変化
  • 歯科疾患など他の病気からの二次的な発症

スナッフルの原因となる菌を持っていても無症状の場合もあるので、健康なうさぎとの接触でも感染を引き起こす恐れがあります。

また、不衛生な環境は細菌の増殖を招くことからとても感染しやすい状況に。

さらに温度変化などの環境要因または騒音や運動不足による精神的要因のストレスを感じていると、うさぎの免疫力が低下して体調を崩すきっかけになってしまいます。

他にも、不正咬合や歯根膿瘍の影響で鼻涙管や鼻腔が圧迫され、鼻水やくしゃみが出る場合もあります。

うさぎのスナッフルの治療方法

スナッフルの治療は、抗生剤を投与して細菌を排除するのが一般的です。

薬の投与は内服薬だけでなく、鼻に直接投与する点鼻薬や霧状にした薬剤を吸わせるネブライザーがあり、うさぎの状態に合わせて獣医師の判断で行います。

場合によっては原因菌を特定してどの抗生剤を投与するのが効果的なのかを検査することも。

他にも、炎症が肺まで広がっていないか胸部のレントゲン撮影をしたり、呼吸が苦しい場合は酸素室で管理をしたりします。

また、食欲不振の症状があれば点滴で脱水を防止し、強制給餌を行いながら治療を進めるのが基本です。

他の病気が関連してスナッフルを発症しているケースでは、原因の根本となった病気と並行して症状の改善を目指します。

うさぎのスナッフルは自然治癒するのか

うさぎのスナッフルは、本当に初期の軽い段階であれば自然に治る可能性も否定はできません。

断定はできませんが、栄養バランスの整った食事を摂取し、細菌に打ち勝てる充分な体力を保持できれば自然治癒することもあるかもしれません。

しかし、発症している時点で免疫力の低下が考えられますし、重症化をするリスクの方が高いです。

うさぎのスナッフルは重度になると命を落とす危険性のある病気です。

自然治癒を期待するよりも、悪化する前に早めに治療を受けてうさぎの命を守りましょう。

動物病院での治療の費用

動物病院で治療を受けるうさぎ

うさぎのスナッフルの治療費は動物病院によって料金設定が異なります。

一般的な検査や処置の相場をまとめてみたので参考にしてみてください。

  • 診察料:約1000円~2000円
  • 処方薬:約1000円~
  • 点滴:約1000円~2000円
  • 注射:約1000円~2000円
  • レントゲン検査:約5000円
  • 入院(1日):約3000円~5000円

処方薬は種類や出された日数分によって費用にばらつきがあります。

うさぎの症状の程度によって検査や処置の内容が大きく変わってくるので、まずは動物病院に相談してみましょう。

うさぎのスナッフルの予防方法

うさぎのお世話をする飼い主

うさぎのスナッフルは予防をすることで発症リスクを下げることができます。

スナッフル予防のために注意を払ってほしいのがこちらです。

  • バランスのとれた食事
  • 清潔な飼育環境
  • 適切な室温
  • 適度な運動

これらに問題があると、うさぎが体調を崩すきっかけとなってしまいます。

食事は牧草を中心に与えて繊維質をたくさん摂れていることがうさぎの健康のためにとても重要です。

そうすることで歯科疾患の予防効果も高まり、スナッフルの併発を防ぐことにつながります。

ペレットやおやつの与えすぎには注意してください。

そして、飼育スペースの適度な換気とこまめな掃除で衛生を保ち、排泄物から発生する刺激臭や細菌を抑えましょう。

また、うさぎが快適に過ごせる室温は23℃~25℃程で、湿度は50%~60%が望ましいです。

さらに時々ケージの外に出して運動をさせることで、うさぎのストレス発散になり、病気になりにくい体づくりの助けになります。

より具体的なうさぎの飼育方法を知りたい方は以下の記事をご覧いただき参考にしてください!

うつる可能性があるため他のうさぎとの接触は避ける

スナッフルの原因となる菌は、他のうさぎから飛沫感染をすることがあります。

健康なうさぎでも無症状で細菌を持っている可能性があるため、注意してください。

特に体調に不安があるときは他のうさぎとのむやみな接触は避けるべきです。

まとめ

  • うさぎのスナッフルは鼻症状が原因となる呼吸器疾患の総称をいう
  • 重症化すると鼻以外の部位にまで症状が及んで命に関わることもある
  • 初期段階で治療をすることが大切
  • スナッフルは日常の食事や飼育環境の管理で予防ができる

うさぎのスナッフルについて症状や治療の流れ、予防方法をご紹介してきました。

呼吸器疾患は命に直結する恐い病気なので、症状に気が付いたら早めに対応してほしいです。

症状が軽い段階での治療は治りも早いので、うさぎに鼻水やくしゃみがみられたら動物病院へ連れて行きましょう。

スナッフルは日常の生活に気を配ることで高い予防効果につながります。

食事や飼育環境には充分気を付けて、うさぎにストレスを与えないことです。

うさぎを病気にさせないためにも、毎日のお世話は愛情を持ってしっかりおこなっていきましょう。

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うさぎのスナッフルとは?原因や症状、治療や予防方法までを解説

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この記事を書いた人

小動物飼養販売管理士。
小動物専用SNS「すもあに」開発者。
自身もハムスターや小鳥、デグーにモモンガと多数の小動物を飼育。

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