ペットとして人気が高いうさぎは、室内で飼育をするイメージを抱いている人が多いはずです。
野生のうさぎは外で暮らしていますし、動物園や学校などの施設では外で飼育している光景をみることもあります。
ペットとして飼育するうさぎは、屋外で飼うことは可能なのでしょうか?
今回はうさぎの屋外飼育が気になっている人に向けて、外飼いをするメリットやデメリット、気を付けるべきポイントについて触れていきます。
屋外での飼育はうさぎにとって良い環境なのか、確かめていきましょう。
うさぎは屋外で飼育出来るのか
結論から言うと、うさぎは室内だけでなく屋外でも飼育ができます。
ただし、屋外でもうさぎが過ごしやすいような飼育環境が整っていることが大前提です。
うさぎは寒さには強い反面、暑さにとても弱く、ストレスがきっかけで体調不良を起こしやすい繊細な動物。
外の環境音や、カラスや猫などの天敵、気温などそれぞれに十分な対策ができなければ、屋外飼育はうさぎに大きな負担をかけてしまいます。
うさぎの屋外飼育自体は動物園や学校でも行われており、一般の家庭でも整った環境が用意できるならば可能です。
しかし、うさぎの安全や体調のことを考えると、できれば室内での飼育の方が良いといえます。
うさぎは基本的に室内で飼育する
うさぎの飼育は屋外でもできますが、なるべく室内での飼育を選んでほしいです。
屋外ではうさぎにとって快適な温度に調節することが難しいですし、飼育する地域によっては周りの環境音がうるさいことも。
うさぎはストレスの影響を受けやすいので、屋外で飼育をすることで体調を崩しやすくなる恐れがあります。
室内飼育だと、夏も冬も空調を使って過ごしやすい室温に調節できますし、屋外の騒音や天敵から遠ざけられるため安心です。
脱走の心配も少ないので、うさぎの安全・体調を考慮して室内飼いを推奨します。
うさぎを屋外で飼育するメリット
うさぎは室内飼いが基本ですが、屋外飼育には以下の4つのメリットがあります。
- ニオイが気にならない
- 抜け毛で部屋が汚れない
- アレルギーの影響が少なくなる
- 家の物を壊される心配がない
うさぎ自体の体臭は少ないですが、外飼いをすることによって糞尿のニオイに困りません。
抜け毛で部屋の掃除に手がかかることがなく、家具など家の物をかじられる心配もないので、お部屋をキレイに保つことができます。
さらに、家族の中にアレルギーを持っている人がいたとしても、屋外飼育ならアレルギーのリスクを軽減することも可能です。
うさぎの外飼いは、飼育する側にとってのメリットが豊富なことが分かります。
屋外で飼育できるうさぎの種類
屋外飼育に向いているうさぎはこちらの3種類です。
- カイウサギ
- パンダウサギ(ダッチウサギ)
- ミニウサギ
野生のアナウサギが家畜化されたカイウサギと白黒のツートンカラーが特徴的なパンダウサギ、交雑種のミニウサギが屋外飼育しやすいといわれている品種です。
ネザーランドドワーフなどの純血種よりも体が丈夫なので、屋外飼育をするなら上記3種が適しています。
だからといって屋外のどんな環境下にも耐えられるというわけではありません。
屋外でも過ごしやすいように、しっかりとした環境づくりは必要です。
うさぎを屋外で飼育するのが難しい理由
うさぎの屋外飼育は不可能ではありませんが、おすすめしない4つの理由があります。
- 温度変化に弱い
- 野生動物に狙われるリスクがある
- 脱走の危険性がある
- 衛生管理が大変
屋外だと、うさぎにストレスを与えたりトラブルが発生したりするリスクが伴います。
こうした危険性について、詳しく知っておきましょう。
温度の変化が激しい
四季によって気温の変動がある日本での屋外飼育は、うさぎの体に大きなダメージを与えます。
特に暑さに弱いうさぎは、夏の高温多湿の環境下で過ごすと熱中症になる可能性が非常に高いです。
冬の寒さでは食欲が低下することもあり、お腹の蠕動運動が減少することでさまざまな体調不良を引き起こす原因に。
温度変化に弱いうさぎを屋外飼育をすると、体調を崩しやすくなってしまいます。
温度の調節ができる室内飼育の方が、うさぎの健康を守るためにはベストです。
野生の動物に襲われる可能性がある
うさぎの屋外飼育では、肉食動物である猫や、なんでも食べるカラスなどから狙われる恐れがあります。
ちょっとした隙で襲われてしまう可能性が十分にあるので、注意しなければなりません。
たとえ襲われることがなくても、捕食される動物であるうさぎにとって、野生動物の気配が近い環境は大きなストレスを与えてしまいます。
脱走してしまう可能性がある
ジャンプや穴掘りが得意なうさぎは、フェンスを飛び越えたり地面に穴を掘ったりして脱走をする可能性が非常に高いです。
フェンスを地面深くに差し込んだり、コンクリートを土台にしたりして、穴掘りの行き止まりを用意する必要があります。
さらに、高さのあるフェンスを選び、外に出られそうな足場がないレイアウトにするなど徹底した対策が必要です。
一度脱走してしまうと戻ってくる可能性はかなり低いので、うさぎの命を守るためにも脱走の危険性について十分理解しておきましょう。
衛生面の管理が難しい
屋外飼育の場合、うさぎの糞尿が地面に浸み込むことで、気温や湿度の影響を受けて細菌繁殖やニオイが発生しやすくなります。
不衛生な環境では害虫が侵入し病原菌を運んでくるので、うさぎが皮膚病や感染症にかかるリスクが高いです。
室内飼育以上に衛生面にはしっかりと気を配る必要があります。
うさぎを屋外で飼育する際のポイント
うさぎの屋外飼育は、室内での飼育と比べるとたくさんのリスクがあります。
屋外で飼育する際に気を付けておきたいポイントをまとめました。
- 屋外用のケージで飼う
- 頑丈なフェンスでうさぎの小屋を囲う
- 脱走対策をする
- 直射日光を避ける
- 温度管理に気を配る
- こまめに掃除をして衛生を保つ
- 餌や飲み水の管理に気を付ける
- 多頭飼育の場合は同性のみにする
- 室内でも飼育できる準備はしておく
うさぎが快適に過ごせるように、室内での飼育以上に気を配る必要があります。
屋外飼育のそれぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。
屋外専用の飼育ケージで飼う
雨風がしのげるように小屋タイプの屋外専用ケージで飼育しましょう。
屋根やひさしが付いているので雨風や直射日光をしのぐことができます。
種類がいくつかある中でも高床式の屋外用ケージがおすすめです。
夏は風通しがよく涼しく過ごせますし、冬は底冷えから守ってくれます。
屋外で年間を通してうさぎが快適に過ごすためには、屋外専用のケージが必須です。
頑丈なフェンスで小屋を囲う
うさぎが敷地外へ出て行かないように、頑丈なフェンスで小屋を囲う必要があります。
うさぎは物をかじる習性があるので、かじっても壊れない強固なフェンス選びが重要です。
また、ジャンプをしても飛び越えられない高さのフェンスにして脱走の危険性をゼロにしましょう。
うさぎ小屋をフェンスで囲うことで、脱走を防いで天敵から身を守ることができます。
穴掘りの脱走の対策
野生では穴を掘って土の中に暮らしているうさぎ。
ペットのうさぎにも穴を掘る習性があるので、屋外飼育だと地面に穴掘りをしてフェンスの外へ脱走する恐れがあります。
一番確実な対策は、飼育スペースの土台をコンクリートにしてその上に土を敷く方法です。
うさぎが穴を掘ってもコンクリートで行き止まりになるので安心できます。
フェンスを地面深くに差し込む方法もありますが、うさぎは小さな体で結構深くまで穴掘りが可能なため心配が残ります。
万が一のことを考えると、コンクリートを土台にする対策の方がより安全です。
直射日光が当たらない場所を選ぶ
温度変化に弱いうさぎは、直射日光の当たる場所では体に負担がかかります。
特に夏や春など日中の気温が上がる季節は、直射日光がうさぎの体力を奪い、熱中症になってしまうことも。
飼育小屋は直射日光を避けたスペースに設置し、すだれなどでいくつか日陰も設けましょう。
適切な温度管理
屋外飼育は温度変化が激しいので、うさぎの体調を守るためには適切な温度管理が重要です。
うさぎが快適に過ごせる環境は、気温が15℃~26℃、湿度50%前後が好ましいとされています。
屋外に温度計を準備し、こまめに気温や湿度をチェックしましょう。
暑さに弱いうさぎは、28℃以上の環境で過ごすと熱中症のリスクがグッと上がります。
夏はすだれなどを使って日陰を多く確保し、直射日光や西日の当たらないところに小屋を設置してください。
風通しが良い環境が理想ですが、エアコンの室外機や隙間風は当たらないように配慮しましょう。
冬はうさぎ小屋の床に牧草をたくさん敷いて暖をとれるようにしてください。
段ボールやビニールシートなどでうさぎ小屋の外側を囲うと、冷気から守ることができて保温効果が高まります。
季節に合わせて温度対策をしっかりと行ない、うさぎが快適に過ごせる環境になるような工夫を心掛けましょう。
こまめな掃除
屋外での飼育は、室内飼育よりも衛生環境が悪くなりやすい傾向があるので、掃除はこまめに行なう必要があります。
うさぎ小屋の中の床材や土の部分は糞尿で汚れやすく、気温や湿度によっては放置するとニオイがキツくなることも。
汚れた床材はこまめに交換し、排泄物は取り残しが無いようこまめに取り除きましょう。
コンクリートなど水洗いできる部分は水を使いながらブラシでこすると衛生的です。
清潔を保つことで害虫の発生や細菌の繁殖を防ぎ、うさぎの健康を守ることにつながります。
餌や飲み水の衛生管理も
屋外飼育は室内に比べて餌や飲み水が傷みやすく汚れやすいです。
うさぎがお腹を壊さないように、水の交換は怠らないでください。
特に夏場は気温が高く傷みやすいので、交換頻度を増やして対策をしましょう。
餌の食べ残しも長く放置すると腐ってしまいますし、害虫が発生します。
あらかじめ置いておく時間を決めて回収すると衛生的です。
同性のうさぎだけで飼育する
望まない繁殖を避けるためにも、屋外で多頭飼いをする場合は同性同士を推奨します。
うさぎは繁殖力が非常に強いので、避妊去勢をしていない異性同士を一緒にすると、妊娠してしまう可能性が高いです。
オス同士は強い縄張り意識から喧嘩してしまうので、多頭飼いにはメス同士が向いています。
室内での設備も用意しておく
大雨、大雪、猛暑など天候によっては屋外での飼育が危険になることも。
天候が荒れたときに備えて、室内でも一時的に飼育できるように最低限の飼育環境を用意しておきましょう。
屋外飼育がメインだとしても、室内用ケージがあればもしものときでも部屋の中で飼育できるので安心です。
まとめ
うさぎの屋外飼育は可能ですが、温度変化やストレスに敏感なことを考慮すると室内飼育がベターです。
屋外でうさぎを飼う際は、リスクや気を付けるべき点をしっかりと理解しておく必要があります。
うさぎの様子や気温・天候の変化を気にしながら、屋外と室内を上手く使い分けて飼育をしましょう。
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