うさぎは草を中心に食べている草食動物というイメージはありますが、具体的にどのような餌が良いのか、主食やおやつの与える量や与え方、食べてはいけないものはしっかり把握していますか?
とくに食べてはいけない物は、中毒を起こしたり病気の原因となり、命を落とす危険もあります。うさぎは一度食べたものは吐き戻すことができない動物なので、うさぎが健康に長生きするには、適切な餌を適量与えることが大切です。
また、うさぎは適切な餌を食べることで不正咬合などの病気を防いだりもします。
今回はうさぎの餌について解説していきます。
うさぎの主食は牧草とペレット
うさぎの主食は牧草を中心にして、ペレットは1日に決まった量を与えます。
ペレットばかりだと、歯を使って餌をすりつぶすことが減り、歯が伸びすぎてかみ合わせが悪くなる不正咬合などの病気になる可能性もあるので、必ず牧草を中心に与えることが大切です。
牧草
うさぎが食べる牧草は、マメ科とイネ科の牧草があります。牧草は乾燥させたものだけではなく、生の牧草やキューブタイプのものもあります。
時間が経った牧草は、湿気でカビが生えてしまうことがあるので新しいものと交換しましょう。
牧草の選び方
牧草は収穫時期によって味が違ったり、子どものうさぎと大人のうさぎでは適切な牧草が違います。成長に合わせて与える牧草も変えましょう。
繊維質が豊富な牧草は、うさぎがなりやすい毛玉症の防止にも役立つので、イネ科のチモシーを中心として、色々な種類の牧草を食べさせてあげましょう。
牧草は種類が豊富
牧草は種類が豊富です。大きくマメ科とイネ科に分かれ、イネ科の中でもイタリアンライグラス・オーチャードグラス・オーツヘイなどの種類があります。
中でもイネ科の牧草、チモシーは収穫時期によって、1番刈り、2番刈り、3番刈りに分けられます。1番刈りは硬めで最も栄養価が高く、2番刈りは柔らかめで食いつきが良く、3番刈りは葉がほとんどで柔らかくタンパク質も多くなります。
うさぎにとっては繊維質で栄養価が高い1番刈りがおすすめです。牧草に含まれる繊維質は、うさぎの胃腸の働きをサポートしてくれます。柔らかい牧草を好む子には2番刈り、3番刈りを与えましょう。
成長期と大人のうさぎで牧草を変えよう
牧草の種類によって栄養価が違うため、成長期のうさぎと大人のうさぎで牧草を変える必要があります。
成長期のうさぎには、栄養たっぷりで高タンパク・高カルシウムのマメ科の牧草アルファルファを与えましょう。大人のうさぎが高タンパク・高カルシウムの牧草を食べすぎると、尿石症になりやすくなるため、おやつ程度にしてください。
大人のうさぎの主食は、繊維質が豊富で低タンパク・低カルシウムのイネ科の牧草チモシーが適しています。
ペレット
ペレットにはうさぎに必要な栄養素が凝縮されています。
基本は体重の3~4%の量を、1日に2~4回に分けて与えますが、おやつをあげるときはペレットの量を減らしましょう。とくに大人やシニアのうさぎは太りやすいので与えすぎには注意です。
ペレットの選び方
ペレットはたくさんの種類があり、値段も様々ですが、なるべく高品質で新鮮なものを選ぶことが大切です。
ペレットはチモシーを主原料に、成長期、維持期、シニア期などに合わせてそれぞれに合った原料が加えられています。
選び方のポイントとしては、食物繊維が多いもの、脂質が少ないもの、タンパク質が少ないもの、原材料と製造年月日が明記されているもの、イネ科やマメ科の植物が原材料のもの、硬さはソフトタイプのものがおすすめです。
お迎えしたときは、ペットショプで食べていたペレットをあげるのもいいですよ。
副食として野菜や果物、野草やおやつを
牧草のほかにペレットや、乾燥した野菜、生野菜、果物、野草などのおやつを適量与えましょう。
6ヶ月未満の成長期のうさぎには、副食としていろいろな種類の乾燥した野菜や生野菜、果物などのおやつを与えるのがおすすめです。小さいときにたくさんの種類の食物を食べると、味や食感に慣れていきます。
また大好物のおやつを見つけておくと、病気などで食欲がないときでも食べてくれます。しつけとして、トイレがちゃんとできた時や、通院のあとのご褒美にあげるのもおすすめです。
おやつはうさぎとコミュニケーションをとるための最適なアイテムなので、手で直接あげましょう。
しかし大好物だからといっても、野菜や果物はおやつとして少し与えるくらいにしましょう。おやつを食べすぎて牧草を食べなくなってしまうと病気の原因にもなります。
野菜
うさぎは野菜が大好きですが、中には食べると中毒を引き起こしたり、下痢や結石症になりやすいものもあるので注意が必要です。
繊維質の豊富な緑黄色野菜をあげましょう。
うさぎに与えても大丈夫な野菜
うさぎに与えても大丈夫な野菜は下記の通りです。
にんじん・チンゲンサイ・パセリ・ブロッコリー・カリフラワー・小松菜・キャベツ・大根の葉・サラダ菜・インゲン・さつまいも・カブの葉・セロリ
野菜に農薬がついていることがあるので、新鮮なものをしっかり洗って、下痢にならないよう水気を切ってから与えましょう。
同じ野菜ばかりではなく、1回に3種類くらいの野菜を少しずつ与えるのがおすすめです。
うさぎに与えてはいけない野菜
うさぎに与えてはいけない野菜は下記のとおりです。
じゃがいもの芽と皮・ネギ・玉ねぎ・生の豆・ニラ・ニンニク・しょうが・エシャロット
これらはうさぎにとって中毒成分が含まれているので、絶対に与えてはいけません。
うさぎに与え過ぎに注意の野菜
水分が多いキャベツ・レタス・白菜・きゅうりなどは、与えすぎると下痢をしやすくなってしまいます。
また、カルシウムが多いチンゲンサイ・小松菜・パセリは、与えすぎると結石の原因になります。
これらの野菜は与えすぎないように注意しましょう。
野草
野草はうさぎに必ず与えなければいけないものではありません。おやつとして少量あげる程度にしましょう。
またうさぎに与えても大丈夫な野草と、与えてはいけない野草をしっかり把握した上で、汚れていないものを採取します。道路脇の野草や、畑の野草などは排気ガスや農薬がかかっている可能性があるので注意しましょう。
うさぎに与えても大丈夫な野草
うさぎに与えても大丈夫な野草は、たんぽぽ・クローバー・ナズナ・ハコベ・ノコギリソウです。
きれいに洗ってから食べさせましょう。
うさぎに与えてはいけない野草
彼岸花・タケニグサ・イチイ・水仙・すずらん・わらび・ポインセチア・パンジー・アサガオ・ニチニチソウ・エニシダ・イヌホオズキ・クサノオ・キョウチクトウは中毒の危険があるので、うさぎに与えてはいけません。
果物
うさぎは果物も大好きで、繊維質やビタミンが多く含まれているのでうさぎにとっても良い食物です。
しかし糖分とカロリーが高いので、与えすぎは禁物です。肥満や下痢、虫歯の原因になります。
皮がある果物は、皮を剥いて小さく切ってあげましょう。
うさぎが好む果物
うさぎが好む果物は、イチゴ・ぶどう・りんご・オレンジ・パイン・パパイヤ・バナナ・メロンなど。
生後半年程度まではうさぎに果物を与えない
果物は消化器官への負担が高いので、生後半年程度までは与えないようにしましょう。
おやつ
うさぎはおやつをたくさん食べたがりますが、おやつはおやつとして、少量を効果的に与えましょう。
おやつはうさぎと飼い主さんのコミュニケーションを取るために使ったり、しつけのときのご褒美として、また食欲がないときにも効果的です。
うさぎのおやつの与え方
うさぎと仲良くなるために、おやつは手で直接あげましょう。
うさぎのおやつは様々な種類がありますが、なるべく砂糖不使用の、天日干しした野菜や果物がおすすめです。
うさぎとコミュニケーションを取る
うさぎとコミュニケーションを取るのにおやつは最適です。
うさぎに声をかけて、目があったら手から直接上げましょう。そうすることで、徐々にうさぎとの距離が縮まります。
うさぎのしつけ
おやつはうさぎのしつけにも役立ちます。
抱っこやブラッシング、爪切りなどを嫌がるうさぎも多いです。嫌なことが終わったあとにご褒美としておやつをあげると、徐々に慣れてくれますよ。
うさぎの食欲増進
うさぎは食べることが一番楽しみ。ですがおやつのあげすぎには注意しましょう。
そんなうさぎも、病気のときはもちろん、それ以外でも食欲が落ちてしまうことがあります。そんなときに食欲を取り戻すきっかけとしておやつを与えましょう。
ドライフード
ドライフードはうさぎのおやつ用に作られています。副食に最適ですが、カロリー高いものがあるので与えすぎには注意が必要です。
ドライフードも手に乗せてあげると、うさぎとのコミュニケーションがとれますよ。
サプリメント
うさぎ用のサプリメントは、成長期や妊娠育児中、病気予防や病中病後用、高齢のうさぎ向けなどさまざまなものがあります。うさぎの年齢や体調に合わせて選びましょう。
うさぎがなりやすい、うさぎの口から入った毛が、胃や腸などの消化管内で毛玉になり溜まってしまう毛球症の予防効果があるサプリメントがあります。
その他にも、整腸作用に優れた乳酸菌や納豆菌のサプリメント、免疫力を高めるプロポリスやアガリクスのサプリメント、皮膚病や内臓疾患に効果があるキトサンのサプリメントなどがあります。
穀類
穀類はおやつとして少量与えましょう。好んで食べるので、与えすぎには注意です。
与えすぎると牧草やペレットを食べなくなったり、穀類はでんぷん質が多いので消化器官に負担がかかってしまいます。
うさぎの食性について
うさぎは主に草の葉っぱを食べている完全な草食動物ですが、牧草だけを食べていても健康な体は維持できません。
上記で説明したとおり、牧草だけではなくペレットや野菜、果物などの副食もバランスよくあげましょう。
食事の量と与える回数
食事の量は、6ヶ月未満の成長期のうさぎと、大人のうさぎで与え方を変える必要があります。
6ヶ月未満の成長期のうさぎには、牧草とペレットを食べるだけ与えます。成長期に食べる量を制限してしまうと、栄養を十分に取ることができず、体の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
6ヶ月以降の大人のうさぎには、子供の時と同じように無制限に食事を与えると太ってしまいます。体重の3~5%を目安に与えましょう。ペレットの量はいきなり減らすのではなく、少しずつうさぎの様子を見ながら減らしていきましょう。
また、大人のうさぎの主食はペレットから牧草に変わります。新鮮で良質な牧草がいつでも食べられるようにしましょう。
食事の回数は1日1回〜2回。うさぎは夕方から夜、明け方に活発に活動するので、この時間帯に食事を与えるのがおすすめです。
うさぎにとっては水も重要
うさぎは乾燥したものを多く食べるため、新鮮な水もたくさん飲みます。
うさぎは個体差や食事の内容にもよりますが、1日に体重の10%ほどの水を飲むと言われています。
お迎えした子が毎日どれくらい水を飲んでいるかを把握しましょう。飲む水の量の変化で、体調の変化なども気づきやすくなります。
うさぎにあげる水は水道水で問題ありません。ミネラルウォーターはカルシウムを摂りすぎてしまうため、避けましょう。
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