ハムスターが体を痒がる原因とは?皮膚病?対策までを解説

ハムスターが体を痒がる原因とは?皮膚病?対策までを解説

ハムスターが体を掻いている仕草を見たことがある方も多いと思います。

ハムスターはキレイ好きな動物なので、こまめに毛繕いをします。

しかしなかには何らかの原因で痒がっていることも。ハムスターは皮膚病にかかりやすいのです。

そこで今回は、ハムスターが体を痒がる時と毛繕いの違いや、体を痒がる原因、体を痒がる時の対処方法などをご紹介します。

とくに皮膚病はそのまま放置していると、悪化して治療が難しくなってしまうこともあります。痒がっている原因を取り除き、ハムスターが快適に過ごせるように努めましょう。

適切なハムスターの飼い方が出来ていれば痒がることも少ないため、改めて飼い方も確認しましょう。

目次

ハムスターが体を痒がる時と毛繕いの違い

体を痒がるハムスター

ハムスターが体を痒がる時と毛繕いの違いは、毛繕いしている範囲を見ればわかる場合があります。

ハムスターが毛繕いをするときは、体全体をまんべんなく毛繕いします。

しかし痒がっている場合は、痒い部分をずっと毛繕いします。その場合は注意して体の様子を確認しましょう。

体を痒がっているのか、毛繕いなのか見分けるのが難しい場合もあると思います。次に毛繕いをする理由や痒がるときの理由・見分け方について詳しく見ていきましょう。

毛繕いをする理由

キレイ好きのハムスター。ハムスターが毛繕いをする理由は、主に3つあります。

  • 身だしなみを整えるため
  • 体に自分の匂いを付けるため
  • 気持ちを落ち着かせるため

ハムスターはとてもきキレイ好きな動物です。そのため起きた後や、ご飯を食べた後などに体をキレイにするために毛づくろいをします。この場合、体全体を毛繕いします。

また体に自分の匂いを付けるために毛繕いすることもあります。縄張り意識が強いハムスターは、飼い主に触られた後など、自分以外の匂いがつくと、体に自分の匂いをつけるために毛繕いします。ハムスターは自分の匂いを嗅ぐと安心できるのです。

環境の変化や大きな音に驚いた時などストレスを感じた時も、気持ちを落ち着かせるため毛繕いをすることもあります。

痒がるときの理由と見分け方

ハムスターが痒がるときの理由は、アレルギー性皮膚炎や細菌性皮膚炎、また体にカビやダニがついている場合や、ストレスが原因の場合もあります。

毛繕いしている時と痒がっている時の見分け方は、体全体を毛繕いしているか、同じ場所をずっと痒がっているかどうかです。

また同じ場所を痒がっている場合は、その場所に掻き傷や赤み、脱毛などがないか確認しましょう。

ハムスターが体を痒がる原因

ハムスターが体を痒がる原因は、アレルギー性皮膚炎や細菌性皮膚炎、ダニやカビ、ストレスなどがあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎は、床材や巣箱、食べものなどが原因で起きるアレルギー反応です。他にも飼い主が使っている化粧品や、床に塗っているワックスが原因になることもあります。

アレルギー性皮膚炎は、お腹や胸のあたりを痒がり、赤くなったりただれたり、毛が抜けたりします。目や耳の周りが赤くなることも。皮膚以外にも目ヤニやくしゃみが出るなどの症状もありますので、兆候を見逃さないようにしましょう。

スギやマツ、シダやパインなどの針葉樹の床材や巣箱を使っている場合は、ペーパーチップなどの他の素材に変更する必要があります。

また野菜や果物、普段と違うエサをあげたときにこのような症状が出た場合は、食べもののアレルギーの可能性があるので、その食べものはあげないようにしましょう。

またアレルギー性皮膚炎は、肥満のハムスターほどなりやすいと言われています。そのため日頃から決められた量のエサを与えて、体重管理にも気を付けましょう。

細菌性皮膚炎

細菌性皮膚炎は、黄色ブドウ球菌などの細菌感染によって起こる皮膚炎です。

小さな擦り傷などから感染したり、不衛生な環境やストレスなどで、免疫力が落ちた時に発症します。夏の暑い時期など、ケージの中の湿度が上昇した際も起こりやすくなります。

肥満のハムスターは、歩くたびにお腹や手足が床材などに擦れて擦り傷ができ、そこから感染する場合も。

症状としては、痒み、発疹、ただれ、かさぶた、脱毛などがあります。細菌性皮膚炎の場合は症状が重いと潰瘍や出血を起こす場合も。この場合は抗生物質の投与が必要になります。

日頃からこまめに清掃をして、飼育環境を清潔に保つことが大切です。免疫力が下がらないように、ストレスの原因は極力排除し、温度や湿度管理を徹底しましょう。

カビやダニ

ハムスターが痒がる原因として、カビやダニもあります。

カビが原因の場合は、部分的に脱毛したりフケが出ることも。不衛生な環境や、湿度が高いと発生しやすいため、梅雨の時期や給水ボトルの水漏れ、尿で汚れた床材などには注意しましょう。免疫力が下がっている時も発症しやすくなります。

ダニの場合は、免疫力が落ちると体に潜んでいたダニが活発化してしまい、かまれると痒がります。ハムスターが一部分だけ執拗に掻いたり、毛が薄くなっていたら要注意です。ダニは毛穴の奥に潜んでいるため、定期的な殺ダニ剤の内服や注射、免疫力が落ちた原因への対策が必要になります。

ストレス

ハムスターはストレスに弱い動物です。不衛生な飼育環境や気温の変化、大きな音、光や明るさ、匂いなどにもストレスを感じてしまいます。ストレスを感じると体が痒くなり、搔いてしまうことも。

また狭いケージの中にずっといることで、本来広い範囲で行動しているハムスターには運動不足となり、ストレスになってしまう場合もあります。回し車を設置したり、お部屋で散歩させてあげるなど、運動不足にならないように気を付けましょう。

飼い主とコミュニケーションを取るハムスター

飼い主が触りすぎる事でもストレスになることがあるので、コミュニケーションは適度にしましょう。

できる限りハムスターのストレスになる原因を取り除き、安心して過ごせる環境を作ってあげることが大切です。

ハムスターが体を痒がる時の対処方法

ハムスターが体を痒がる時の対処方法は以下の通りです。

  • 飼育環境を清潔に保つ
  • 適切な温度や湿度に保つ
  • ストレスの原因を取り除く
  • アレルギーの原因を取り除く
  • 薬を使う

それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。

飼育環境を清潔に

ハムスターが体を痒がっている場合は、まずは飼育環境を清潔にすることから始めましょう。不衛生な飼育環境は、痒みなどの皮膚病だけではなく、さまざまな病気につながる可能性もあります。

排泄物で汚れた床材やトイレ砂は毎日交換して、つねに清潔な環境を保ちましょう。床材やトイレ砂の全体的な交換やケージのお掃除は、1週間に1度のペースで行います。このとき古い床材やトイレ砂を少し残しておいて、新しいものと混ぜると、ハムスターの匂いが残っているため安心してくれますよ。

また水やエサも毎日取り換え、新鮮なものを与えましょう。ハムスターはエサを巣箱に持ち帰る習性があるので、エサが少ないからといって補充せず、毎日決まった分量だけあげるようにします。

飼育環境に問題はないという場合は、ハムスターが砂浴びするための砂風呂を用意してもいいでしょう。ハムスターは綺麗好きなので、砂に体をこすりつけて汚れを落とします。

適切な温度、湿度管理

ハムスターは暑さや寒さに弱いので、適切な温度や湿度を管理することも大切です。とくに外出中などエアコンやヒーターを切る場合などは気を付けましょう。

ハムスターが快適に過ごせる温度は20~26℃、湿度は40~60%です。温湿度計をハムスターのケージに設置するのをおすすめします。

夏の暑い時期はクーラーや保冷剤、冬の寒い時期はヒーターで調節します。また扇風機やエアコンの風が、直接ハムスターに当たらないように気を付けましょう。

ストレスの原因を取り除く

ハムスターはストレスに弱い動物なので、ストレスの原因を取り除く必要があります。

清潔な飼育環境を保つ、温度と湿度の管理を徹底する、大きな音を出したりハムスターを驚かせないように心がけるなど気を付けるべきことはたくさんあります

またハムスターは人間よりも鼻がいいので、人間にとってはいい匂いでもハムスターにとっては悪臭と感じ、ストレスになってしまうことも。そのため芳香剤や香水にも気を付けましょう。

そしてストレス解消には、回し車で運動させたり、室内で散歩させたり、かじり木を与えてかじらせることも有効です。

アレルギーの原因を取り除く

何らかのアレルギーが原因で痒がっている場合は、そのアレルギーになっているものを特定し、原因を取り除く必要があります

床材や食べもののアレルギーの可能性がある場合は、その床材を別の素材のものに変えたり、アレルギーの原因となった食べものは与えないようにしましょう。

床材はとくにスギやヒノキなどの針葉樹、パインチップを使っている場合は、アレルギーが起きにくい紙素材のペーパーチップなどに変更しましょう。

食べものがアレルギーの可能性がある場合は、果物や野菜などのおやつをあげるのをいったん辞めて、ハムスター用のペレットだけにしましょう。

薬を使って痒みを取り除く

飼育環境の改善をしたり、アレルギーの原因を取り除いてもまだ痒がっている場合は、薬を使って痒みを取り除きます。痒みの改善が見られない場合は、皮膚の状態などが悪化しないうちに動物病院に連れていきましょう。ハムスターの症状に合わせた薬が処方されます。

細菌性皮膚炎などの感染症には抗生物質、カビや真菌などには抗真菌薬が使われます。アレルギー性皮膚炎などの炎症にはステロイド薬で痒みや発赤を抑える場合も。

薬以外にも、シャンプーや洗浄液を使って皮膚を清潔にし、症状の改善を促す場合もあります。

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この記事を書いた人

小動物飼養販売管理士。
小動物専用SNS「すもあに」開発者。
自身もハムスターや小鳥、デグーにモモンガと多数の小動物を飼育。

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