小さくて愛らしいハムスターは種類ごとに体や毛色の個性があり、昔から人気のある小動物です。
そんなハムスターですが、体調を崩して下痢をしてしまったとき、どのように対応するべきかご存じですか?
実は下痢の原因には大きな病気が隠れている可能性もあります。
ハムスターは体が小さいので、病気が関与しているとあっという間に体調が悪化してしまうことも。
そうならないためにも、今回はハムスターが下痢をしたときの正しい対応方法や必要な治療、原因について徹底解説していきます。
あなたのハムスターの健康のためにも、ぜひ参考にしてくださいね。
体の小さなハムスターは下痢が命に関わることも
ハムスターの体調不良の中でも下痢は多い症状で、その重症度も様々です。
軽い下痢ですと一時的で自然と治ることもありますが、重度の下痢の場合は命を落とす危険も充分にあります。
体の小さなハムスターは病気になると進行も早いので、異変に気が付いたらすぐに対応することが大切です。
まずは、ハムスターの下痢について知っていきましょう。
ハムスターのウェットテイル
ハムスターの下痢は「ウェットテイル」と呼ばれることもあります。
ウェットテイルとは、ハムスターのお尻が濡れてしまうほどの水様性のべちゃっとした下痢のことです。
この状態は消化器官に異常がみられると起こり、その原因も様々です。
ウェットテイルを発症していると、元気や食欲がなくなり脱水も進行します。
ひどい場合はお尻周りだけでなく、ハムスターの下半身全体が湿っている状態になることもあるのです。
このウェットテイルの症状を発見したら、早急に対応しなければわずか数日で命を落としてしまうこともあります。
もしもあなたのハムスターの元気がないときは、下痢をしていないかお尻を確認してみると良いかもしれません。
ハムスターが下痢の時は動物病院での治療・診察も視野に入れる
ハムスターの下痢を発見したらまずは動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
最初は症状が軽くても、すぐに悪化して重症化してしまうことがあるからです。
診察を受けて症状から病気を特定することができれば、適切な薬で対応することができますよ。
原因別に対処の仕方も教えてくれるので、重症度に関係なくハムスターが下痢をしているのに気が付いたら獣医に診せると良いです。
早期に対応すれば、治りも早くなりますし重症化を防ぐことができます。
ハムスターの下痢の見分け方は?下痢のサインとは
ハムスターが下痢をしているかどうかを見分けるには、これらを確認してみましょう。
ハムスターが下痢をしているかどうかの見分け方
- お尻の周りが濡れていないか
- 便の数は普段と比べて少なくないか
- ケージの中から悪臭がしないか
- 背中を丸めて動かない、歩き方はおかしくないか
- 元気と食欲はあるか
- 体重が減少していないか
上記はハムスターの下痢のサインです。
このような症状がみられたら、お腹を下している可能性が高いといえます。
1つずつ詳しくみていきましょう。
お尻の周りが濡れている
先に説明した通り、お尻が濡れている状態を指すウェットテイルがみられると、水様性の下痢をしていると考えられます。
発見したらすぐに動物病院へ連れていき、治療を受けましょう。
便の数が少ない
通常は小さくて乾燥している固形の便がみられますが、下痢をしていると固形の便が見当たらなくなることも。
普段と比べて便の数が少ないか全く見当たらないときは、ハムスターが下痢をしている可能性があります。
ケージの中から悪臭がする
べちゃっとした便が床材やハムスターのお尻に付着していると、ケージ内のニオイがきつくなります。
普段と違うニオイを感じたら下痢を疑いましょう。
背中を丸めて動かない、歩き方がおかしい
人間でも下痢をすると腹痛を伴うことが多いですよね。
ハムスターも同じで、痛みからお腹を抱えるように丸まったり、歩き方がぎこちなくなったりするのです。
この様子がみられたら下痢をしていることが考えられます。
元気・食欲がない
下痢をしていると体力を消耗するので、いつもより元気がなかったり食欲が落ちることがあります。
回し車に乗らない、じっとして動かない、お気に入りのエサも食べないといった様子があればお腹を下しているかもしれません。
体重が減少している
普段の体重を把握していると、元気がないときに役立ちます。
いつもの体重より少ないときはハムスターの調子が悪いサインです。
キッチンスケールで簡単に体重測定することができるので、健康時の体重を測って知っておくと良いですよ。
ペット用のスケールもあるので、持っておくと便利ですよ!
ハムスターが下痢をする原因
ハムスターはどうして下痢をしてしまうのでしょうか。
続いては原因について解説していきます。
水分の多い餌や腐敗した餌
与えている食事がお腹を下す原因となっている場合があります。
水分の多い果物や野菜をあげすぎると腸内の水分バランスが崩れて下痢を引き起こします。
特にキャベツ・トマトは他の野菜に比べて水分量が多いので与えすぎには注意してください。
また、そういった水分を多く含んだエサを巣にため込んで、傷んだ状態で食べてしまうことも下痢の原因の1つです。
野菜から取れる栄養もあるので、野菜が一概にだめというわけではありません!
ストレス
ハムスターはストレスに非常に敏感な生き物です。
特にペットショップ等から自宅にお迎え直後の飼育環境の変化は、ストレスを感じて体内の免疫が弱まってしまうことも。
それにより体調を崩しやすくなった結果、下痢へとつながってしまうのです。
硬めのおやつや、運動器具によってストレス解消ができます!
細菌や寄生虫
細菌や寄生虫の感染が下痢の原因となっていることもあります。
細菌感染ではカンピロバクター、寄生虫感染ではジアルジアやトリコモナスという原虫が代表的です。
大人のハムスターよりも抵抗力の弱い子供のハムスターが感染しやすく、お迎えしたときには既に感染している場合も。
動物病院で便検査をおこなうことで感染の有無を確認できます。
ハムスターが下痢をした時の対策
それでは、ハムスターが下痢をしていたらどのような対処が必要になるのでしょうか。
予防としてもおすすめできる対策をご紹介していきます。
ケージの消毒
まずは下痢が付着した状態のケージをキレイにしましょう。
そのまま放置すればさらに悪化する恐れがあるので、下痢を発見したらすぐに取り除くと良いです。
また、感染症も考慮してケージを熱湯や専用の小動物用のクリーナーで消毒することも再発や悪化防止につながるのでおすすめです。
ケージの保温で体力の消耗を防ぐ
ケージの消毒の他に、ケージ全体を保温することも大切です。
下痢で充分な栄養が摂取できず体が弱っていると、体温を維持できず免疫力が低下します。
そうなると別の病気にかかってしまう恐れがあるので、飼い主が保温をしてあげましょう。
専用のホットカーペットやヒーター、湯たんぽを入れたり、ケージの周囲を段ボールや毛布で囲むと効果的です。
床材の交換する
下痢で汚れた床材を交換することで悪化を防ぐことができます。
お腹を下しているので排便の回数も増えていますし、ケージ内のあちこちに散らばっているはずです。
なるべくキレイな状態を保つことで治りも早まりますよ。
食事、餌の見直し
今まで水分の多い餌ばかり与えすぎてはいないか、といった食事の見直しも重要です。
野菜や果物を与えるのは悪いことではありませんが、適量を知ってバランスの良い食事にしてあげましょう。
ペレットを中心として与え、野菜はにんじんやさつまいもがおすすめです。
果物は嗜好性が高いので、与えすぎると他の物を食べなくなる恐れがあります。
おやつ感覚で少量をたまにあげるくらいがベストですよ。
特に野菜や果物は控える
下痢が治るまでは水分量が多い野菜と果物は控えましょう。
悪化につながりますし、治りも遅くなってしまいます。
状態が良くなるまではペレットのみで様子をみるのが良いですが、動物性たんぱく質のミルワームも高栄養でおすすめです。
水の交換
水が傷んでいる場合も下痢の原因に当てはまります。
特に気温や湿度が高いときは水が傷みやすく菌が繁殖する恐れが。
毎日1回は交換して、新鮮な水を飲めるようにしてあげましょう。
ストレスを与えない
弱っている状態で必要以上に触りすぎたりしないようにしましょう。
ストレスを感じて回復を妨げる原因となってしまいます。
掃除は衛生を保つための必要最低限にして、ハムスターが静かに過ごせるようにしてあげると良いです。
心配で気になってしまうかと思いますが、そっと見守ってあげましょう。
多頭飼いの場合は下痢をしているハムスターを隔離する
1つのケージ内で多頭飼いをしている場合は、お腹を下しているハムスターを別のケージへ隔離してください。
他の健康なハムスターに感染するのを防ぐためです。
また、隔離をすることで具合の悪いハムスターの様子をしっかりと観察することができるというメリットもあります。
隔離には、安価で手に入りやすい虫かごがおすすめですよ。
掃除の時に移しておくのにも使えるので、一個は持っておいて損はないです!
ハムスターが下痢をしている時のまとめ
- ハムスターの下痢は重症化すると命を落とす危険もあるので早めの対応が大切
- 普段与えている餌や環境によるストレスが下痢の原因となることが多い
- 普段からできる下痢への対応方法を実施して悪化を防ぐことで治りが早まる
今回はハムスターが下痢をしたときの対処法や原因についてご紹介しました。
異変に気が付いたらまずは悪化する前にすぐに動物病院へ連れて行くことが1番です。
普段の栄養バランスの見直しやケージ内の衛生を保つことも下痢をさせないためには大切ですね。
飼い主としてハムスターの健康を保ち、元気に毎日を過ごさせてあげましょう。
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