フクロモモンガによくある病気とは?体調不良のサインや飼育で気を付けるポイントまで

フクロモモンガによくある病気とは?体調不良のサインや飼育で気を付けるポイントまで

まんまるな大きい目がチャーミングなフクロモモンガはその可愛らしさからお迎えする人が増加しています。

人気が高まっているフクロモモンガですが、詳しい飼育情報は少なく、困ったときに欲しい情報が手に入らないこともありますよね。

特に、「いつもと様子が違うかも?」と異変や病気を疑う時は不安になってしまいませんか?

そこで今回はフクロモモンガを飼っている人やこれから飼いたいという人へ向けて、フクロモモンガの病気について深掘りしていきます。

フクロモモンガが病気のときにみせるサインや飼育するうえで気を付けたいポイントも併せてご紹介。

フクロモモンガの病気に対する知識をつければ予防に努めてあげることができますよ。

飼い主さんはもちろん、これからお迎えしたい人も一緒にフクロモモンガの病気について理解していきましょう。

目次

フクロモモンガが体調不良?病気のサインとは

いつもとフクロモモンガの様子が違う?

フクロモモンガが病気になったとき、必ずいつもと違う様子がみられるはずです。

しかし弱肉強食の世界で生きていることから、小動物は本能的に病気になっていたとしても何でもないフリをします。

私たち飼い主がフクロモモンガが発する病気のサインを汲み取ってあげることが、病気の早期発見・治療には必要不可欠です。

そこで、フクロモモンガの病気が疑われるときにみられるサインを知っておきましょう。

  • 食欲が無い
  • 元気が無い
  • 便が緩いまたは出ていない
  • 毛並みが悪い
  • 鼻水・くしゃみがみられる
  • 脱毛している
  • ふらつきがある

上記はフクロモモンガが調子の悪いときにみせるサインです。

食欲と便の様子は気が付きやすいサインですので、普段の食事量や便の状態を良く把握しておきましょう。

慣れていて手乗りができる場合は、体を触ったり近くで見たりして異変がないかチェックしてあげると良いです。

フクロモモンガと触れ合いをすることは病気の発見につながる大事なコミュニケーションですので、積極的に行なってください。

フクロモモンガがかかりやすい病気は?症状や原因、予防方法

寝ているフクロモモンガ

フクロモモンガの病気とその症状や予防方法を知っておけば、重症化する前に発見しやすくなります。

健康維持のためにもフクロモモンガのかかりやすい病気を知っておきましょう。

病気症状
クル病・骨粗しょう症(代謝性骨疾患)骨が弱くなることで骨折しやすくなる
下痢・便秘便が緩いまたは出なくなる
歯周病・虫歯歯の痛みから食べにくそうにする
ペニス脱ペニスが体の中に戻らなくなる
自咬症・自傷行為自分の体を噛んで傷つける
白内障目が白く濁り視えなくなる

上記はフクロモモンガでよくみられる代表的な病気です。

それぞれの病気の原因や症状、予防法を詳しくみていきましょう。

クル病、骨粗しょう症などの代謝性骨疾患

フクロモモンガ病気の中で最も多いといっても過言ではないほどかかりやすいのがクル病や骨粗しょう症といった骨に異常が起こる病気です。

骨に異常が起こる病気を総称して代謝性骨疾患といい、なんらかの原因で骨がつくられにくい状態になってしまいます。

新しい骨が生成されないことで、骨が脆くなりちょっとしたことでも骨折しやすくなります。

症状

クル病や骨粗しょう症になるとこのような症状があらわれます。

  • 元気が無く動かない
  • 足が内側や外側に歪む
  • 上り下りなど四肢に負担のかかる動作をしなくなる
  • 関節が腫れる
  • 四肢が麻痺する
  • 足を引きずる

骨が正常でないことから、上手く歩けなくなり日常的な動きに大きな影響を及ぼします。

歩き方がおかしい、あまり動かなくなった、という症状に気が付いたら骨の病気を疑いましょう。

原因と予防方法

クル病や骨粗しょう症のような代謝性骨疾患の原因は、偏った食事からくる栄養不足やバランスの崩れです。

  • カルシウムの不足
  • カルシウムとリンのバランスが取れていない
  • ビタミンDの不足

骨を形成するカルシウムやビタミンDの不足がクル病や骨粗しょう症を招くといわれています。

また、リンを過剰に摂取していると、カルシウムと結合して体外に排出されるので、栄養として吸収されません。

カルシウムとリンのバランスは1~2:1がベストだとされています。

昆虫食のミルワームや果実、ひまわりの種はこのバランスが悪いことで知られているので、日常的に与えることはおすすめしません。

クル病などの代謝性骨疾患の予防にはバランスの取れた食事が何よりも重要です。

ご飯を食べるフクロモモンガ

おやつの与えすぎは避けて、フクロモモンガ用のペレットを中心に与えましょう。

果実や種子、野菜は1食分のペレットに対して1割程度の量がベストです。

おやつとして与えたいときはごく少量にするか頻度を減らすなど工夫をしてあげてください。

下痢、便秘

フクロモモンガのお腹の病気で多いのが下痢や便秘です。

下痢になると、軟便や水のような水様便で飼育ケージ内がいつもより汚れたり、ニオイがきつくなったりします。

便秘の場合は便の数が少ない、いつもより便が小さいもしくは全く出ていない状態に。

腹痛を伴う場合は、痛みから元気や食欲が無くなることもあります。

フクロモモンガの健康時の便を把握していれば、すぐに便の異変に気が付けるはずです。

原因と予防方法

フクロモモンガの下痢や便秘はこのような原因が考えられます。

  • 寄生虫感染
  • 水分や糖分の過剰摂取
  • 食事の量が少ない
  • 水分不足
  • ストレスを感じている

食事のバランスと水分量はお腹に大きく影響を与えるので、よく下痢や便秘を繰り返すという時は食事を見直してみると改善する場合があります。

基本はペレットを中心とし、野菜や果実はトッピングとして少量与える程度にとどめましょう。

そして、寄生虫感染を予防するために飼育スペースを清潔に保つように心掛けてください。

排泄物などの汚れから繁殖するので、こまめに掃除をして病気を防ぎましょう。

さらに、コミュニケーションの一環として触れ合ったり、ケージの外に出して遊んであげることで、運動不足の解消やストレス発散効果が期待できます。

飼い主とフクロモモンガ

フクロモモンガの下痢・便秘は日常の心掛けで充分予防できる病気ですので気を付けていきましょう。

歯周病、虫歯

  • 食欲の低下
  • 食べにくそうにしている
  • 硬いものを食べない

フクロモモンガにこのような様子がみられたら虫歯や歯周病になっているかもしれません。

歯の痛みや違和感から食事を取らなくなったり、食べ物をよくこぼすようになったりします。

こうした歯の病気は気を付けておかないと簡単に発症し、重症化すると麻酔をかけて抜歯をすることもあるので注意が必要です。

原因と予防方法

フクロモモンガの虫歯や歯周病の原因は、炭水化物の摂りすぎや柔らかい食べ物中心の食生活が原因といわれています。

果実や野菜の食べ過ぎは歯垢がたまりやすく、やがて歯石となって歯や歯茎に負担をかけます。

予防にはバランスのとれた食事が効果的ですので、果実や野菜などの与えすぎには注意が必要です。

フクロモモンガ用のペレットを主食とし、果実や野菜は少量をトッピングする程度にするのが望ましいです。

フクロモモンガに歯磨きをするのは難しいので、食事の内容に充分気を付けてあげてください。

ペニス脱

フクロモモンガは陰茎を出し入れすることができるのですが、外に出たまま戻らなくなる病気をペニス脱といいます。

性的な欲求不満やグルーミングで陰茎を出し入れすると考えられていますが、乾燥や毛の巻き込みが原因で中に戻らなくなることがあります。

すぐに中へ戻る場合は気にしなくても良いのですが、外に出ている時間が長いと陰茎が壊死してしまうことも。

重症になると手術で切除するケースもあるような大変な病気です。

症状

陰茎が外に出たままになると、このような症状があらわれます。

  • 赤黒く腫れる
  • 気にしてかじる
  • 陰茎を舐める

フクロモモンガ自身が違和感を感じることで舐めたりかじったりして傷つけてしまうケースは珍しくありません。

時間が経つごとにうっ血して赤黒く腫れてしまうので、早めに気が付いて対応したい病気です。

原因と予防方法

ペニス脱の原因は陰茎の乾燥や毛の巻き込みで戻りにくくなってしまうといった外因的な理由が多いです。

フクロモモンガの個体によって陰茎を出し入れする頻度に差があることを理解しておきましょう。

ペニス脱の予防は難しい場合も多く、その都度中に戻してあげる必要があることも。

もしもペニス脱になったときは、まずは動物病院で対応してもらうことをおすすめします。

毛の巻き込みが原因であれば陰部周りを毛刈りし、乾燥して中に戻らないときは湿らせて滑りを良くする処置をしてくれるはずです。

原因に合わせた対応とその後の対策について提案してくれるはずですので、相談してみると良いでしょう。

自咬症、自傷行為

フクロモモンガのストレス性の病気が自咬症や自傷行為に当てはまります。

自分で自分の体を傷つけてしまう病気で、体の一部を噛んだり必要以上に掻いたりすることで傷を負います。

痛みを感じているにもかかわらず鳴き声をあげながら自傷行為を続けるので、フクロモモンガの飼い主にとっても非常に辛い状態です。

症状

自咬症や自傷行為は体の部位を噛んで傷つけてしまいます。

  • 手足の指
  • 生殖器周辺
  • 尻尾

上記3つの部位を噛むことが多いですが、口が届く範囲であれば体中のどこでも傷つけてしまう恐れがあります。

ひどい場合だと体の部位を噛みちぎってしまったり、骨まで傷が到達することがある恐ろしい病気です。

原因と予防方法

自咬症や自傷行為はストレスが大きな原因となりますが、身体的要因と心因的要因の2種類に分かれます。

身体的要因では、主に体に対する変化や違和感からストレスを感じます。

  • 外傷がある
  • 痛みを感じている
  • 薬が塗られているなど違和感がある
  • ペニス脱をしている
  • 体に汚れがついている

このような別の病気やケガに伴う痛みや、ちょっとした体の違和感が気になり、噛んだりかじったりするようになってしまいます。

一方で心因的要因にはこのようなものがあります。

  • コミュニケーション不足
  • 必要以上に構いすぎている
  • 昼夜逆転など生活時間の乱れ
  • 性的な欲求不満
  • ケージが狭い
  • 退屈している
  • 同居している別の動物がいる
  • 騒音が続いている

適度なコミュニケーションや遊び、飼育環境がフクロモモンガのストレスと密接に関係していることが分かります。

身体的なストレスを予防するには、体の違和感を取り除いてあげることが1番です。

病気やケガをしている場合は動物病院ですぐに治療を受けましょう。

そして、心因的なストレスの予防には、快適な飼育環境と適度なコミュニケーションを意識してください。

ケージは充分遊べる大きさで、遊び道具も充実させましょう。

時々ケージ内のレイアウトを変えてあげると、刺激になるので退屈対策になります。

また、社会性の高いフクロモモンガにとってコミュニケーションはとても大切です。

スキンシップをしたり一緒に遊んであげたりすることで、信頼関係が構築されて安心することができます。

相性にもよりますが、仲間のフクロモモンガをお迎えするのも1つの手段です。

自咬症や自傷行為は、癖になる前にやめさせたい病気ですので、フクロモモンガの心身の健康のためにも、予防を心掛けましょう。

白内障

白内障は目の表面が白く濁り、進行すると視えなくなってしまう病気です。

高齢になると発症する傾向にありますが、フクロモモンガの場合は遺伝により若い年齢でも発症することが多いです。

予防

白内障は栄養不足により発症すると考えられているため、バランスの取れた食事を心掛けてあげましょう。

おやつや果実、種子の与えすぎは、白内障のみならず他の病気も発症しやすくなるので要注意です。

フクロモモンガ用のペレットを中心とし、おやつは最小限にとどめましょう。

フクロモモンガが病気にならないために

フクロモモンガが心身ともに健康でいるためには、以下の3つがとても重要です。

  1. 食事の内容
  2. コミュニケーション
  3. 運動

まず食事については、1食分のペレットに対して果実や野菜は1割であることが望ましいです。

嗜好性の高いフクロモモンガは、ペレットだけでは食いつきが悪いこともあるため、果実や野菜はトッピングとして添えるようなイメージです。

あくまでも主食はペレットなので、果実や野菜が多いと選り好みしてペレットを残してしまう可能性が高いです。

病気を招く大きな原因となるので、フクロモモンガの食生活には充分気を遣いたいですね。

2つ目のコミュニケーションは、フクロモモンガの心の健康を守るために必要です。

仲間とのコミュニケーションを大切にするフクロモモンガは、スキンシップや遊びが大好き。

飼い主との信頼関係も高まるので、ぜひ積極的に触れ合いながら遊んであげましょう。

そして3つ目の運動も様々な病気の予防に効果的です。

体力が付きますし、ストレス発散もできるのでフクロモモンガの心身の健康に必要不可欠。

フクロモモンガが遊びやすい広さのケージで飼育し、おもちゃもいくつか設置してあげましょう。

たまに新しいおもちゃを導入してあげると退屈予防になるのでおすすめです。

ケージの外に出して一緒に遊んであげると、コミュニケーションもとれるのでさらに良いですね。

食事・コミュニケーション・運動の3つはフクロモモンガの健康を維持するために特に大切な要素として覚えておきましょう。

まとめ

  • フクロモモンガの病気のサインを見逃さないことが大切
  • かかりやすい病気はいくつかあるが、日常の中で予防していくことができる
  • フクロモモンガの飼育ポイントは、「食事」「コミュニケーション」「運動」の3つを心掛けること

今回はフクロモモンガのかかりやすい病気について、症状や予防方法、飼育で気を付けたいポイントをご紹介しました。

毎日のお世話とコミュニケーションがしっかり為されていれば、病気のサインにいち早く気が付くことができます。

病気の予防にもつながるので、食事とコミュニケーション、運動は意識しておきたいですね。

飼育するうえで気を付けるべきポイントを押さえて、フクロモモンガの心身の健康を守ってあげましょう。

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フクロモモンガによくある病気とは?体調不良のサインや飼育で気を付けるポイントまで

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この記事を書いた人

小動物飼養販売管理士。
小動物専用SNS「すもあに」開発者。
自身もハムスターや小鳥、デグーにモモンガと多数の小動物を飼育。

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