うさぎのソアホックとは?症状や原因、治し方や予防方法まで

うさぎのソアホックとは?症状や原因、治し方や予防方法まで

うさぎがなりやすい病気の「ソアホック」。

進行すると完治するのに数ヶ月かかったり、別の病気に繋がる恐れもあります。しかし飼育環境や食生活などに気をつけ、毎日のふれあいの中で足裏をチェックしていれば過度に心配する必要はありません。

今回は、うさぎのソアホックの症状や原因、治し方や予防方法をご紹介します。

目次

うさぎのソアホックとは

うさぎのソアホックとは、足の裏を守る毛が抜けて、皮膚が赤く腫れて炎症を起こす、うさぎがなりやすい病気です。

「ソア」は痛む、「ホック」は後ろ足(かかと)という意味がありますが、前足に出来ることもあります。

「潰瘍性足底皮膚炎」「足底皮膚炎」「飛節びらん」とも言います。 

すぐに命に関わるような病気ではありませんが、足が痛んで歩けなくなったり、重症化すると他の病気になる可能性も

また進行すると治りにくくなり、治療に時間がかかるので、ソアホックの原因排除と予防、早期発見、早めの治療が大切です。

ソアホックの症状

うさぎの足裏は、犬や猫のようなクッションの役割を持つ肉球がない代わりに被毛で覆われています。 

初期段階のソアホックの症状は、まず足裏の毛が抜けて薄くなります。

うさぎの足上は被毛で覆われている

この脱毛が進むと、足裏の皮膚がだんだん厚く固いタコのような状態に。

さらに症状が進むと、炎症を起こして赤くただれ痛みも出てきます。この状態から悪化すると、腫瘍となり骨まで達することも。

炎症が起こると痛むため、足を引きずって歩いたり、歩かなくなったり、食欲が落ちる子もいます。

しかしソアホックになっても普通に歩いていたり、毛に隠れて脱毛部分や炎症部分に気づかないこともあります。

重症化してしまう前に、日々のふれあいの中で足裏全体をチェックしましょう。

ソアホックにかかりやすいうさぎ

ソアホックは品種や年齢に関係なく発症する病気ですが、中にはソアホックにかかりやすいうさぎもいます。

高齢のうさぎ、肥満のうさぎ、生まれつき足の裏の毛が薄いうさぎなどは、ソアホックにかかりやすい傾向があります。

高齢のうさぎは、ケージ内であまり動かず、同じ姿勢で足底をつけているため足に負担がかかります。

肥満のうさぎは、体重が重い分それだけ足裏にも負担がかかるので、摩擦などで脱毛しやすくなります。

ソアホックが重症化すると別の病気に繋がることも

ソアホックが重症化すると、炎症を起こした部分に皮下腫瘍が出来ることもあります。

この皮下腫瘍が進行すると、腫瘍が骨まで達し、骨髄炎や敗血症を起こす可能性も。

重症化させないために、ソアホックの初期段階で発見し、原因を取り除き対策することが重要です。

ソアホックの原因

ソアホックは後ろ足のかかとに負担がかかり、足を保護する毛が抜け、皮膚が露出して傷つく病気です。

ソアホックの主な原因は、床が固い・爪の伸び過ぎ・肥満・運動不足・ストレス・加齢・生まれつき足裏の毛が薄いなど。

とくにケージの底が固すぎたり、部屋んぽする時にフローリングで足が滑ったりすると、足に負担がかかりソアホックになりやすくなります。野生のうさぎが走り回っているような、土や草などのボコボコした環境が望ましいのです。

また、爪が伸びてくると、かかとに体重をかけるようになるので、ソアホックの原因になります。

肥満になり体重が重いと足の裏に負担がかかります。うさぎは体格に合わせて足裏も大きいため、大型のうさぎだから足に負担がかかるということではなく、どの大きさでも太るとソアホックになる可能性はあります。餌のあげすぎや、運動不足には気をつけましょう。

またケージ内の環境も原因になります。床が湿っていたり、足裏に排泄物がつくと、うさぎは気になって足裏を舐めます。何度も舐めることで毛が抜けてしまいます。

ソアホックの治療方法

ソアホックの治療方法

ソアホックの治療方法は、まず原因を突き止め、飼育環境を改善することです。

肥満が原因であれば、餌の量を見直したり、運動時間を増やします。

飼育環境が原因であれば、毎日清潔に保つように心がけます。衛生的な環境でソアホックになってしまった場合は、ケージの床材を足に負担がかかりにくいものに変えたり、牧草を敷き詰めたり、休足マットを入れるのもおすすめです。

また原因がわからない場合や、改善しない場合は、悪化を防ぐため必ず病院を受診しましょう

病院での治療方法としては、炎症が起きているときは患部を洗浄・消毒して乾燥させ、包帯を巻いて保護します。抗生物質や抗炎症剤、鎮痛剤を与えることも。

ソアホックが重症化すると、足裏の毛がなかなか生えてこず、完治するまで数ヶ月と治療に時間がかかってしまいます。

ソアホックは自然治癒する?放置しても大丈夫?

ソアホックは原因を突き止め、それを改善すれば多くの子は自然治癒すると言われています。

ただしソアホックの原因を改善しなければ悪化する場合もあるので、放置はしないようにしましょう。

肥満度が高い場合や、ケージ内が不衛生な場合は急速に悪化する場合もあります。

傷みでつま先立ちになっていたり、歩きたがらなかったり、足の裏からの出血や、かさぶたが腫瘍になっている場合は重症化のサイン。この場合は早急に病院での治療が必要です。

さらにうさぎは体調悪化を隠す動物。ソアホックでも普通に歩く子もいるので、歩けているから大丈夫と油断せず、毎日のチェックや飼育環境の改善に取り組みましょう。

自宅で治療は可能?市販薬で対応できる?

自宅での治療としてはまず第一に、足への負担を軽減させることが重要です。床材を変えたり、肥満ならダイエットさせましょう。

また、基本的に市販薬は使わない方が良いとされています。うさぎの多くは足の裏に薬を塗られると不快に感じ、舐めてしまいます。舐めることで毛が抜けて、さらに悪化してしまいます。

市販薬で対応するのではなく、原因を取り除くことが優先です。

靴下を履かせて悪化を防ぐことも

ソアホックになってしまったときは、小型犬用の靴下を履かせて悪化を防ぐ対処法もあります。


ズレにくいマジックテープがついている靴下もあるので、その子にあったものを選びましょう。

ソアホックの予防方法

本来ソアホックという病気は、ふかふかの土や草の上で生活し肥満にもならない野生のうさぎはなりにくい病気です。

飼育されているうさぎならではの病気で、飼い主が飼育環境や食生活に気をつければ防げる病気です。

足に負担の少ない床材を選ぶ

ソアホックを予防するには、とにかく足への負担を減らすことが重要です。

ケージの金網やプラスチックの板は固く、うさぎの足に負担がかかります。

滑りにくく摩擦を起こしにくい、足に負担がかからない床材を選びましょう。

ケージの床材はコルクマットやすのこを

ケージの床材は、足に負担の少ないコルクマットやすのこなど、木材でできたものがおすすめです。


しかしコルクマットは、オシッコや水に濡れて痛みやすいので定期的に交換しましょう。

すのこは柔軟性があり、オシッコをしても隙間から落ちるので安心です。

部屋んぽの際のフローリングの上も対策を

部屋んぽでフローリングの上で遊ぶホーランドロップイヤー

うさぎは犬や猫のように肉球がなく足裏が毛で覆われているので、固く滑りやすいフローリングでは足に負担がかかってしまいます。素早く動くと足の裏が摩擦されてやけどのようになってしまうことも。

部屋んぽの際は、ジョイントカーペットやうさぎの爪が引っかかりにくい毛足の短いマットなどを敷いてあげましょう

摩擦が少ないマットを敷く

うさぎのケージに敷くマットが硬いと、足と床で摩擦が起こり足に負担がかかります。

摩擦が少なく、適度に弾力があり柔らかいマイクロファイバーモールなどがおすすめです。

ケージの中を定期的に掃除し衛生的に保つ

うさぎは水や排泄物で足が汚れると舐めるので、それが続くと毛が抜け、ソアホックの原因に。

また不衛生な環境はソアホックだけでなく、健康にも悪影響を及ぼします

ケージの掃除は様子を見ながら1週間に1度はしましょう。

トイレ掃除や食器・給水器のお手入れ、ペットシーツの交換は毎日必要です。

定期的に爪を切る

人間と同じくうさぎも定期的に爪切りする必要があります。爪を切るときは、うさぎ用の爪切りを使いましょう。


爪が伸びてくると、後ろ足の前の方に体重をかけないようにするためかかとに負担がかかり、ソアホックの原因に。

またカーペットや絨毯などに爪が引っ掛けり怪我の原因にもなります。

肥満にならないように気をつける

肥満で体が重いと、その分足に負担がかかります。それだけではなく、肥満は他の様々な病気の原因にもなります。

餌やおやつは適切な量を与え、毎日1〜2時間は部屋んぽさせたり一緒に遊んだりしましょう。

すでに肥満気味の場合は、餌の量や内容を見直す必要がありますが、いきなり餌の量を減らしたりおやつをあげなくなるなど極端に食生活を変えるとストレスになってしまうので、2週間ほどかけてゆっくり変えています。

動物病院で相談したり、年齢ごとに食事内容を見直して適正体重を維持しましょう。

足裏が濡れないようにする

足裏が濡れないようにすることも大切です。足裏が濡れるとうさぎが舐めてしまい、脱毛につながります。

ケージの床やトイレは毎日掃除して、排泄物などで足が汚れないように気をつけましょう。

水はお皿などではなく給水ボトルで与えるとこぼれたりする心配がないのでおすすめです。

ストレスをかけないようにする

うさぎは犬や猫よりもストレスに敏感な動物です。大きな音・環境の変化・室温の変化などもストレスの原因になります。

ストレスが貯まると「ストレススタンピング」いわゆる「足ダン」という足蹴りを繰り返しますが、これは足を力強く床に叩きつけるので、足に大きな負担がかかります。

繊細な子や、怒りっぽい性格の子に多い傾向がありますが、頻繁に足ダンをするときはストレスの原因を探しましょう。

部屋の中を散歩させたり、しっかり遊ぶことが大切です。

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うさぎのソアホックとは?症状や原因、治し方や予防方法まで

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この記事を書いた人

小動物飼養販売管理士。
小動物専用SNS「すもあに」開発者。
自身もハムスターや小鳥、デグーにモモンガと多数の小動物を飼育。

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