ハムスターの目の病気の症状や原因とは?目が赤い場合や飛び出ている場合など

ハムスターの目の病気の症状や原因とは?目が赤い場合や飛び出ている場合など

ハムスターは目の病気にかかりやすい動物です。

目にトラブルがあると、目やにがでている、目にできものがある、目が赤い等といった症状がでます。一方、目をしょぼしょぼさせているといった、一見わかりにくい症状も。

ハムスターは、目が外側に飛び出ているような形で付いていることから、床材などで、目を傷つけやすいと考えられます。

ハムスターは寿命が短い動物です。短期間の放置でも病状を悪化させてしまうことがあるため、様子を見て自然治癒を待つのはおすすめできません。

今回はハムスターの目の病気について解説をします。小さな異変を見逃さずに、ハムスターの健康を守ってあげてくださいね。

目次

ハムスターの目の病気の症状

ジャンガリアンハムスターの目

ハムスターの目の病気の症状で代表的なものは

  • 目が赤い
  • 目が白い
  • 目を痛がったり、かいたりする
  • 目やにや涙がでる
  • 目が飛び出たり、変形したりする


等があります。それぞれの症状に病気が隠れていることがあります。

ハムスターの目の症状別の考えられる病気

ハムスターの目の症状で代表的なものを、考えられる病気と一緒に表にまとめました。
おうちのハムスターに目の症状がでていないか、参考にしてください。

ハムスターの目の症状症状から考えられる病気
目が赤い結膜炎
麦粒腫
眼底出血
目が白い白内障
核硬化症
角膜炎
麦粒腫
目を痛がっている緑内障
目をかいている結膜炎
角膜炎
目を開けにくそうにしているマイボーム腺腫
目が飛び出ている
変形や大きくなっている
眼球出血
眼球突出
目やにが出ている
涙が出ている
結膜炎
角膜炎
マイボーム腺腫
眼球突出


目の症状は片目にでる場合と両目にでる場合があります。

  • どの目に症状があるのか(右目か左目か、両目か確認をする)
  • 症状がでたのはいつからか

記録を残しておくと、病院の受診がスムーズになります。

目が赤い

ハムスターの目は元々目が赤い仔がいますが、大半は黒っぽい目をしています。

目そのものが赤くなってしまうこともありますが、目の周辺のまぶたや皮膚が赤くなることもあります。

目が白い

人間のお年寄りが黒目の部分が白濁してしまうことがありますが、ハムスターも似たような症状がでてきます。

特に、1才半以降の高齢のハムスターによく見られる症状です。

目を痛がっている

目にゴミが入ってしまっているハムスター

目にゴミが入ってしまったり、傷がついてしまったりした時、痛みから目をぎゅっとつぶったり、しょぼしょぼとまばたきしたことはありませんか?

ハムスターも目をしょぼしょぼさせている時は、目に痛みがある可能性があります。

目から血がでている

目のかゆみや痛みが原因で、目をかくことがあります。かきすぎると目や周辺の皮膚を傷つけ、出血してしまうことがあります。

出血は見た目だけでなく、床材に血がついていることで気が付くことがあります。床材や周辺に出血の跡が見られる場合は、ハムスターの体のどこから出血しているか確認してください。

目をかいている

ハムスターなどの小動物は手足を器用に使い、体をかくようなしぐさを見せることがあります。

体をかくしぐさの回数が急に増えてしまったり、目のまわりだけを何度もかいたりする時は、目がかゆいのかもしれません。

目を開けにくそうにしている

ハムスターが目を開けにくそうにしている時は、様々な症状が考えられます。

  • ・床材などの異物が目の周りについたり、刺さったりしている。
  • ・目やになど、ハムスター自身の分泌物が目の周辺を覆ってしまっている。
  • ・ものもらいのようなできもので、目の周辺を圧迫している。
  • ・ぐったりしている様子で、眠っているように目を開かない。

症状によって対処が異なりますので、目を開けにくそうにしている時は、何が原因かよく観察してみてくださいね。

目が飛び出ている、変形や大きくなっている

ハムスターの目は元々外に飛び出しているような状態でついています。さらにその目がポコッと飛び出して、大きく見えるような症状があります。

ハムスターの目は元々アーモンドの様な形をしていますが、目が飛び出してしまうと丸く変形したように見えることもあります。

目やにが出ている、涙が出ている

ハムスターは人間と同じように、健康な時も目やにや涙がでます。

その回数や量が増えた時、目やにが固まって目が開きにくくなった時は注意が必要です。

ハムスターの目によくある病気の症状と原因、対処法

飼い主に抱えられるメガアップのハムスター

ハムスターの目の病気の原因で主な症状や原因、対処法を表にまとめました。

ハムスターの目の病気症状原因対処法
結膜炎目が赤い
目のかゆみ

目やに
細菌
ほこり
アレルギー
飼育環境の見直し
点眼薬
角膜炎目が白い
目のかゆみ
目の怪我
結膜炎の悪化
飼育環境の見直し
点眼薬
アレルギー性皮膚炎目の周りのかゆみ
脱毛
発疹
アレルギー飼育環境の見直し
食生活の改善
かゆみ止め
眼底出血目が赤い
目が飛び出る
目の変形
目の怪我
緑内障の悪化
飼育環境の見直し
点眼薬
麦粒腫目が白い細菌飼育環境の見直し
点眼薬
白内障目が白い老化
糖尿病
なし
緑内障目の痛み目の怪我
遺伝
飼育環境の見直し
点眼薬
眼球摘出


目の病気を起こす原因は、飼育環境が影響していることがほとんどです。

  • 細菌が繁殖しやすい環境
  • 床材や食べ物のアレルギー
  • 飼育ケージ内の飼育用品から落下などの怪我

ハムスターは、飼育ケージを掃除しすぎてしまうとストレスになります。だからといって、長期間掃除をしなくていいということではありません。細菌が繁殖しないように、清潔な状態を保つことが大切です。

床材の種類によっては、アレルギーを引き起こしたり、欠片が目にあたってしまったりということがあります。目のトラブルが多い場合は、床材の見直しが必要になります。

ハムスターは視覚に優れた動物ではありません。飼育ケージ内のレイアウトによっては、落下してしまうことがあります。怪我の原因になりますので、飼育ケージ内のレイアウトも配慮しましょう。

目の病気の原因になる体質

  • 老化
  • 肥満

老化は避けられません。1才半以降は白内障の発症が多くなる年齢になります。定期的に目の様子を見てあげてください。完治は難しくても、進行をおくらせる治療ができる場合があります。

肥満になると様々な疾患の原因になります。日頃から体重を測り、体重に変化がないか気をつけましょう。

目の病気は普段の世話の工夫で防げることが多いものです。目のトラブルがあった時は、飼育環境や食生活の見直しをするといいですね。

結膜炎

結膜炎は、ケージ内のゴミやほこりが目に入ることで起こります。目に入ったゴミを気にして、目を擦ってしまうと炎症を起こし、結膜炎になってしまいます。

結膜炎を発症すると、目やにや涙がでたり、目やまぶたが赤くなったりします。
点眼薬で症状を抑えることができます。

ケージ内が不潔になると、細菌に感染しやすくなりますので、飼育環境を清潔にすることが大切です。

角膜炎

角膜炎は目の怪我が原因で起こることがほとんどです。結膜炎の悪化から発症することもあります。怪我が原因の場合、片目のみの発症になります。

ケージ内の飼育用品にぶつかったり、牧草などの尖った床材が目に刺ささったりすることで、角膜に炎症を起こします。

大半は物理的な怪我が原因です。床材に牧草を使わない、広い飼育ケージを使い怪我を防ぎましょう。

症状は目が白くなる、かゆみやなみだがでることがあります。
点眼薬で炎症を抑えます。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎は、床材や食べ物のアレルギーが原因で、皮膚に炎症がおこります。
からだのかゆみから、全身をかきむしります。かくことが原因で、炎症部分が脱毛したり出血したりすることがあります。

アレルギーの原因を見つけることが必要になります。病院で相談してみてください。原因がわかれば、それを取り除くことで症状が改善されます。

眼球出血

眼球出血は

  • 目の怪我(打撲)が原因で出血する
  • 緑内障の悪化で、眼圧が高くなり、出血を起こす

と、出血の原因が異なります。まずは出血の原因を見つけましょう。

目の怪我が原因の出血の場合は、飼育環境の見直しが必要です。怪我の原因となったものを取り除いたり、ぶつかることを防ぐために広い飼育ケージで飼ったりすることが必要です。

緑内障の悪化の場合は注意が必要です。点眼薬で症状が治まらない場合は、眼球の破裂を防ぐため、眼球摘出が必要になることがあります。眼球が普段より大きくなったり、変形していたりする時は、すぐに病院を受診をしましょう。

麦粒腫


麦粒腫は目のフチが最近に感染し、白いできものができる病気です。人間で言う「ものもらい」のことです。

ハムスターが汚れた手で目に触れることで起こります。細菌が原因の病気ですので、飼育ケージ内が不潔にならないように、清掃をすることが大切です。

点眼薬で治療します。場合によっては、できものを切開して治すこともあります。

白内障


白内障は人間でも見られる病気です。ハムスターは1~1才半以降は高齢期になります。その頃から白内障の発症率が高まります。

白内障は黒目の部分が白濁します。症状が進むと失明をします。ハムスターは元々視覚に優れた動物ではありません。失明しても今まで通りの生活をできる仔が多いですが、怪我には注意しましょう。

治療法はなく、完治はしません。
完治はしませんが、糖尿病を併発していることがありますので、受診をおススメします。

緑内障


緑内障は眼圧が上がり、目の機能が低下する病気です。自覚症状がない場合が多く、飼い主さんが発症に気づかないことも多いようです。

緑内障の初期は点眼薬で対応します。

症状が進んで、自覚症状がある場合は、目が赤くなり、悪化すると飛び出てくることもあります。その場合、ハムスター自身は頭痛や腹痛などの痛みを感じていることが多いようです。
痛みを取り除くため、眼球を取り除くことがあります。

不安な場合は動物病院を受診しよう

動物病院


ハムスターは寿命の短い動物です。一般的には2~3年といわれています。

寿命が短い動物は、病気の進行が速い傾向にあります。
目に何らかの症状があったり、ハムスターの様子に違和感があったりするなど、不安な場合は病院を受診しましょう。

一般的な動物病院は犬・猫を診察対象にしています。ハムスターのようなエキゾチックアニマルは対象外の場合も。

症状が出てから病院を探すのでは、時間がかかることがあります。平常時にハムスターを診察できる動物病院を探しておきましょう。動物病院には休診日がありますので、休診日が重ならない動物病院を2か所以上見つけておくとさらに安心です。

病院への移動の際は、通気性のいいキャリーに入れていきます。目を傷つけないよう、床材は入れない方がいいでしょう。

獣医さんにハムスターの症状を伝えるポイント


獣医さんにハムスターの症状を伝えるポイントは4点です。

  • いつから目の症状がでたのか。症状は片目か、両目か。
  • 普段使っている床材は何か。
  • 他に症状や気になる点はないか。
  • 食欲、排泄の状態。

診察の中で、伝えることを忘れてしまったり、要領よく伝えることが難しかったりすることがあります。伝えることを事前にメモにまとめておきましょう。受付でメモを渡せば、問診の時間短縮になりますし、伝え忘れがありません。

床材が原因で、目に傷をつけてしまったり、アレルギーがでてしまったりしていることがあります。実際につかっている床材を少量持っていくといいでしょう。

食欲や排泄の状態も、診察をする際に重要な情報の一つになります。日頃から、エサの食いつきの様子や糞やおしっこのようすに変化はないか観察する癖をつけておきます。
糞を検査することもありますので、糞をティッシュなどで包んでもっていくこともおススメします。

動物病院を受診する費用


動物の診察費用はペット保険を利用する以外は、飼い主さんが全額負担をします。

ハムスターのような小さな動物でも、検査や手術を行うと数万円の費用がかかることがあります。費用の目安を表にまとめてみましたので、参考にしてください。
費用は目安になります。病院によって異なりますので、ご了承ください。

診察や検査内容費用の目安
初診料1000~5000円
再診料500~1000円
検査(糞・おしっこ)500~5000円
検査(レントゲン)3000~10000円
(枚数によってさらにかかることも)
手術(腫瘍摘出など)50000~100000円
薬 処方料500~1000円
飲み薬(1日あたり)100~400円
点眼薬1000~1500円

ハムスターの診察の際にペット保険を使うという方法があります。ペット保険を使えば、診察代を抑えられるというメリットがあります。

ペット保険の利用方法は保険会社によって異なります。
会計時に保険証の提示で自動的に負担が少なくなる場合もあれば、一旦全額支払いをし、後日申請でお金が返金される場合もあります。利用している保険会社の支払い方法を確認しておきましょう。

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ハムスターの目の病気の症状や原因とは?目が赤い場合や飛び出ている場合など

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この記事を書いた人

小動物飼養販売管理士。
小動物専用SNS「すもあに」開発者。
自身もハムスターや小鳥、デグーにモモンガと多数の小動物を飼育。

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