フトアゴヒゲトカゲの飼い方!餌や寿命、特徴まで解説

フトアゴヒゲトカゲの飼い方!餌や寿命、特徴まで解説

ワイルドな姿がかっこいフトアゴヒゲトカゲは、ペットショップで必ず見かけるほど人気が高い爬虫類です。

イカつい見た目に反して仕草や表情は愛嬌たっぷりで、その魅力にハマる人はたくさん。

本記事では、フトアゴヒゲトカゲをこれからお迎えしたいという人に向けて、適切な飼い方をご紹介しています。

餌の内容や温度管理、掃除方法など、フトアゴヒゲトカゲのお世話に必見の内容です。

どんな爬虫類なのか、なつきやすさや寿命を含む特徴にも触れているので、フトアゴヒゲトカゲに興味がある人もぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

フトアゴヒゲトカゲとは

トカゲの仲間であるフトアゴヒゲトカゲ

トカゲの仲間であるフトアゴヒゲトカゲは、中型の爬虫類です。

温厚で人になつきやすい性格をしていることから、爬虫類を育てるのが初めてという人でも比較的お世話のハードルが低め

恐竜を思い起こすたくましい姿をしていますが、愛嬌のある仕草や表情がとても魅力的です。

フトアゴヒゲトカゲは、飼いやすさと優しい性格から人気を集めている爬虫類なのです。

フトアゴヒゲトカゲのカラー

フトアゴヒゲトカゲにはたくさんのカラーバリエーションが存在します。

フトアゴヒゲトカゲの種類を意味する「モルフ」は、色や柄の組み合わせが多様で面白いです。

モルフによって雰囲気がガラっと変化するので、ぜひお気に入りのフトアゴヒゲトカゲを見つけてみてください。

様々なカラーのあるフトアゴヒゲトカゲ
ノーマル自然種に近い灰褐色の姿
鮮やかな色味の個体に比べると、流通量は減少傾向にある
野生本来のワイルドな見た目が魅力的
イエローゴールドに近いイエローや発色の良い明るいイエローなど多様
ほかの鮮やかなカラーと比べると流通量が少ない
レッド燃えるように濃い赤から薄い赤色など濃淡によってさまざま
フトアゴヒゲトカゲのモルフの中でも人気が高い
レザーバック革のような滑らかな手触りの皮膚をしている
背中にトゲトゲとしたウロコがない
シルクバックレザーバック以上に皮膚が薄く柔らかい
シルクを思わせる肌触りからその名がついている
ハイポメラニスティック黒色の色素が減少しているモルフ
個体による色味が全体に綺麗に反映されやすい
トランスルーセント皮膚が半透明に透けている
黒目がちでかわいらしい表情が特徴的
フトアゴヒゲトカゲのモルフとその特徴

カラーだけでなく、ウロコの有無や皮膚の質感など個性たっぷりなモルフが豊富です

イエロー、レッド、オレンジをもとにしたカラーは濃淡の違いによるバリエーションが多く、オリジナリティに溢れています。

フトアゴヒゲトカゲは、どの子をお迎えしようか迷ってしまうほどに個性豊かです。

フトアゴヒゲトカゲの特徴

寿命やなつきやすさなど、フトアゴヒゲトカゲの気になる特徴をみていきましょう。

生息地オーストラリアの乾燥地帯
大きさ体長:約30㎝~50cm
体重:約300g~500g
食性雑食性
性格温厚で大人しい
寿命10年前後
活動する時間帯昼行性
価格約10,000円~30,000円
フトアゴヒゲトカゲの特徴一覧

体は40cm前後の大きさに成長する個体が多いですが、中には50cmを超える大柄なフトアゴヒゲトカゲもいます。

中型のトカゲに分類されるため、300g以上ある体重は持ち上げると意外にもずっしり

なんでも食べる雑食性ですが、年齢に応じて昆虫食メインから野菜メインに切り替えます。

大人のフトアゴヒゲトカゲの場合は野菜を中心としたエサの内容なので、昆虫を扱うのが苦手な人でもお世話がしやすいです。

攻撃性の少ない優しい性格で、男女問わず人気が高い爬虫類だといえます。

フトアゴヒゲトカゲの価格

ノーマルのフトアゴヒゲトカゲの場合は10,000円前後でお迎えできるケースが多いです

ノーマル以外の種類でも、流通量が安定していれば30,000円ほどに収まります。

ただし、希少性が高いフトアゴヒゲトカゲの場合は30,000円を超えて高額になることも。

ペットショップの価格設定やフトアゴヒゲトカゲの年齢によって価格が前後するので、近場のショップで相場を確かめてみることをおすすめします。

フトアゴヒゲトカゲの見た目の特徴

ペタっと平らな体に長い尾が特徴的なフトアゴヒゲトカゲ。

背中から尾にかけてトゲトゲとしたウロコがあり、たくましさを感じられます。

ウロコは強度があるように見えますが、触るとゴムのように柔らかく、種類によってはトゲ状のウロコがないフトアゴヒゲトカゲもいます。

興奮した際に黒く変色して膨らむ喉が顎ひげのようにみえることから、フトアゴヒゲトカゲと名付けられたようです。

フトアゴヒゲトカゲの寿命

フトアゴヒゲトカゲの寿命は10年前後であることが一般的です

個体によっては15年近く長生きするケースもあるので、適した飼育環境の維持と栄養バランスへの配慮を心掛けて長寿を目指しましょう。

フトアゴヒゲトカゲのなつきやすさ

基本的に鑑賞がメインになることが多い爬虫類ですが、フトアゴヒゲトカゲの場合は飼い主になつく傾向があります

個体差はあるものの、信頼関係が出来上がってくると飼い主の方へ寄ってきたり、手に乗せて触れ合うことを意味する「ハンドリング」ができたりします。

飼い主にハンドリングされるフトアゴヒゲトカゲ

フトアゴヒゲトカゲは賢いので、個体によっては自分の名前を覚えて反応を示すようになることも。

コミュニケーションがとれるようになってくるとより一層愛らしい存在に感じられるはずです。

適切なハンドリング方法

フトアゴヒゲトカゲのハンドリングは、「無理に触らない」「数十分ほどの短時間で行う」という2点を心掛けてください。

ほかの爬虫類に比べると人になつきやすいフトアゴヒゲトカゲですが、行き過ぎたハンドリングはストレスを与える行為となってしまいます。

個体の性格によってはハンドリングが苦手、ケージの外が怖い、という気持ちを抱くこともあるので、嫌がる様子があれば控えましょう。

また、本来爬虫類は人間との深いコミュニケーションを必要としていません。

嫌がっていなかったとしても長時間や頻回のハンドリングは避けて、数十分程度にとどめてください。

程よい距離感を保ってハンドリングを行うことが大切です。

可愛い求愛ダンス(ボビング)

オスのフトアゴヒゲトカゲにみられるのが頭を上下に動かす「ボビング」と呼ばれる求愛ダンスです。

オスのボビングは通常、発情期を迎えているメスに対する行為ですが、威嚇や縄張り主張を行う際にもみられます。

喉を黒くしてボビングをしている場合は怒りを表現しており、求愛だけでなく意思表示としても役立っているようです。

フトアゴヒゲトカゲの飼育方法

家の中で歩くフトアゴヒゲトカゲ

フトアゴヒゲトカゲをお迎えする前に、必要な飼育アイテムを準備して正しい飼育方法を理解しておくことが大切です。

初心者でも飼いやすいとされているフトアゴヒゲトカゲですが、特にエサの内容と温度・湿度の管理の仕方はしっかり覚えておきましょう

お迎えするフトアゴヒゲトカゲが快適に暮らせるように、必要な飼育アイテムと適切な飼育方法をご紹介します。

フトアゴヒゲトカゲの飼育に必要なものと値段

フトアゴヒゲトカゲをお迎えするにあたって、まずは飼育に必要なアイテムを揃えましょう。

必要なものとその値段相場は以下の通りです。

飼育アイテム用途や選ぶポイント値段の相場
ケージ幅90cm 奥行き45cm 高さ45cmのサイズが最適
床面積が大きいケージが好ましい
約20,000円~35,000円
人工飼料・昆虫・野菜などを与える
ベビーは昆虫、アダルトは野菜がメインの食事
約2,000円~4,000円
シェルター身を隠すための隠れ家
登って遊べる形状がおすすめ
約2,000円~3,000円
床材ジメジメしにくい砂やバークチップがおすすめ
見た目が気にならなければペットシートも有効
1,000円前後
バスキングライトホットスポットを作るためのライト
体温調節をするのに欠かせない
約1,500円~3,000円
紫外線ライト昼行性のフトアゴヒゲトカゲに紫外線は必須
適度に浴びることで体の健康維持に役立つ
約2,500円~3,000円
ライトソケット各ライトを設置するために必要2,000円前後
温湿度計正しい温湿度管理が健康維持につながる
温湿度計で飼育環境を把握できると便利
約1,000円~2,000円
エサ皿高さがなくフチに返しがついているものがベスト約500円~1,000円
水入れフトアゴヒゲトカゲは水分補給の頻度が少なめ
水入れは底が浅く小さな容器で十分
約500円~1,000円
保温器具フトアゴヒゲトカゲには温暖な環境が最適
保温器具でケージ全体を温かく保つ
3,000円前後
サーモスタット保温器具の温度管理を自動で行う約3,000円~5,000円
ピンセット生餌を与えるのに特に役立つ約500円~2,000円
フトアゴヒゲトカゲの飼育に必要なアイテムと値段一覧

上記アイテムを合計すると、約39,500円~65,000円という結果に。

フトアゴヒゲトカゲの生体価格が加わることを考えると、初期費用は50,000円~100,000円は必要になります。

各飼育アイテムは、さまざまなメーカーからたくさんの種類が販売されています。

どれが良いか迷いますが、実際に試して使いやすいものを見つけてみましょう。

ネット通販で事前に口コミをチェックしてみると使用感が分かりやすいです。

フトアゴヒゲトカゲの適切な温度と湿度

フトアゴヒゲトカゲに適しているケージ内の温度と湿度はこちらです。

昼間夜間
温度22℃~28℃約25℃
湿度約30%~40%約40%~60%
フトアゴヒゲトカゲに適したケージ内の温度と湿度

ケージ全体としては昼間は約22℃~28℃、気温が下がる夜間は約25℃が適しています。

さらに、フトアゴヒゲトカゲが自分で体温調節ができるように、バスキングスポットと呼ばれる日光浴をするスペースが必要です。

バスキングライトを使って、表面温度が42℃前後になるように設定しましょう。

バスキングをするフトアゴヒゲトカゲ

バスキングスポットの表面温度が低い場合は、ライトの下に流木や岩を設置して照射面の距離を縮めると表面温度が上昇します。

湿度は昼も夜も40%前後を保つように調節すると管理がしやすいです。

フトアゴヒゲトカゲは乾燥した空気を好むので、ジメジメする夏の時期は要注意。

多湿な時期は除湿器を活用するなどして、快適な湿度を保ってください。

快適な温度と湿度が保たれることによって、スムーズな脱皮を促すことができ、フトアゴヒゲトカゲが元気に活動できます。

フトアゴヒゲトカゲのお世話

毎日行うべきお世話がフンや食べ残しの掃除です

床材が砂やチップなど細かいタイプであれば、汚れている箇所をスコップやスプーンを使って取り除きます。

減ってしまった床材は新たに足しますが、週に1度は床材を全交換すると衛生的です。

ペットシーツを床材として使用している場合は、汚れた時点で新しいものへ交換します。

雑菌の発生を防ぐためにも、フン掃除は気が付いたタイミングでその都度取り除くようにしてください。

水の交換は基本的に毎日交換するのが望ましいですが、キレイな状態であれば2~3日に1回でも問題ありません。

毎日のお世話は掃除がメインですので、清潔な飼育環境を維持できるように欠かさないようにしましょう。

フトアゴヒゲトカゲの餌

餌を食べるフトアゴヒゲトカゲ

雑食性のフトアゴヒゲトカゲに与える主な餌は以下の3種類です。

  • コオロギやデュビア(ゴキブリの仲間)などの昆虫
  • 小松菜やニンジンなどの野菜
  • フトアゴヒゲトカゲ専用の人工飼料

成長過程に合わせて与える餌のバランスはこのように変化していきます。

ベビー
(~生後3ヶ月頃)
昆虫がメイン
昆虫7:野菜2:人工飼料1の割合
ヤング
(生後3ヶ月~6か月頃まで)
昆虫と野菜をバランス良く与える
昆虫4:野菜4:人工飼料2の割合
アダルト
(生後6か月以降)
野菜がメイン
昆虫2:野菜6:人工飼料2の割合
フトアゴヒゲトカゲの成長ステージごとの餌の内容

与える割合に違いはありますが、満遍なく食べさせることで栄養バランスを良好に保つことができます。

昆虫は生きた状態の生餌が自然食に近くて食いつきやすいですが、昆虫が苦手な人には管理がしやすい乾燥タイプがおすすめです

食事として与える場合は、コオロギやデュビア・レッドローチなどゴキブリの仲間が向いています。

脂質が高いミルワームはおやつ向きなので、与えすぎには注意してください

野菜は小松菜・ニンジン・豆苗・オクラ・カボチャなど食べられる種類が豊富です。

色々な野菜を与えると飽きにくく、食事の時間を楽しんでくれます。

ただし、ネギ類・アボカド・セロリなどの野菜は、フトアゴヒゲトカゲにとって毒性が強いといわれているため、与えるのはNGです。

シュウ酸やゴイトロゲンが豊富に含まれているほうれん草・ブロッコリー・キャベツなどは、与えすぎると病気のリスクが高まるといわれています。

体に害がない野菜かどうかをよく確認し、しっかり水洗いをしてから与えましょう。

昆虫や野菜だけでなく、フトアゴヒゲトカゲに必要な栄養素がバランス良く配合されている人工飼料も与えておくと栄養面で安心できます。

人工飼料はベビーの頃から慣らしておくと、大人になっても抵抗なく食べてくれることが多いです。

とはいえ個体によっては人工飼料を受け付けないフトアゴヒゲトカゲもいるので、その場合は無理に与えず、昆虫と野菜を十分に与えてください。

人工飼料が苦手な子にはサプリメントを活用して、栄養補助を行うのがおすすめです。

与える餌の量

ベビー
(~生後3ヶ月頃)
朝夕の2回
食べられるだけ与える
ヤング
(生後3ヶ月~6か月頃まで)
1日1回
食べられるだけ与える
アダルト
(生後6か月以降)
2~3日に1回(昆虫は週に1回ほど)
数分で食べきれる量
フトアゴヒゲトカゲに与える餌の頻度と量

体が大きくなる生後6か月までの成長期には、食べられるだけ与えます。

アダルトの場合は好きなだけ与えていると肥満になる恐れがあるため、腹八分目の量を目指します。

フトアゴヒゲトカゲにおける腹八分目の判断が難しいですが、5分以内ですべて食べきれる量が目安です。

成長と共に餌を与える頻度が減っていくので、お世話がよりシンプルになっていきます。

おすすめの餌

フトアゴヒゲトカゲの飼い主から食いつきが良いと評判の人工飼料です。

大人のフトアゴヒゲトカゲに必要な栄養分が配合されており、不足しがちなカルシウムとビタミンも添加。

フトアゴヒゲトカゲが良く食べてくれるといった口コミが多く寄せられています。

栄養バランスはもちろん、嗜好性も抜群なフトアゴヒゲトカゲ向きの人工飼料です。


フトアゴヒゲトカゲの魔の3か月とは

生後3ヶ月を経過するまでは、ちょっとしたストレスで命取りになることが多いフトアゴヒゲトカゲ

繊細なお世話が必要になるため「魔の3ヶ月」と呼ばれています。

個体によっては生まれたときから体が弱いということもあり、お迎え後の環境変化に耐えられずに3ヶ月を迎える前に亡くなってしまうことが少なくありません。

そのため、フトアゴヒゲトカゲを初めてお迎えするという人には、リスクが少ない生後3ヶ月以降の個体を推奨します。

ベビーのフトアゴヒゲトカゲをお迎えする場合は、以下のポイントに気を付けましょう。

  • 活発で食欲のある個体をお迎えする
  • できるだけハンドリングは控える
  • 28℃~30℃の温度管理
  • 1日2回昆虫を中心にしっかり食べさせる

いつ訪れても飼育ケージが汚れているような、不衛生な環境が目につくショップからのお迎えはおすすめしません。

信頼できるお店から、ケガや病気をしていない元気なフトアゴヒゲトカゲをお迎えしましょう。

お迎え後の環境に慣れてもらうまではハンドリングは控えてください。

ベビーは特に環境の変化に敏感なので、最低でも1ヶ月は触らずにそっと見守ります。

抵抗力が弱いベビーを低温から守るために、ケージの中は28℃~30℃とやや高めに設定します。

表面温度40℃前後のバスキングスポットも設けて、日光浴ができるようにしてあげましょう。

1日2回の食事は昆虫をメインに食べられるだけたっぷりと与えます。

同時に人工飼料も与えると、栄養が偏る心配が少ないです。

繊細なフトアゴヒゲトカゲのベビーですが、ポイントをおさえた丁寧なお世話で魔の3ヶ月を乗り越えられます。

ベビーから育てるとより一層愛着が湧きますが、ストレスに弱いことを意識してお世話をしてあげてくださいね。

まとめ

強そうな雰囲気が漂うフトアゴヒゲトカゲですが、実はとってもチャーミングな爬虫類。

フトアゴヒゲトカゲの豊かな表情とかわいらしい仕草は、飼い主だけが目にすることができる魅力です。

比較的飼いやすい爬虫類ですが、餌の内容と温度・湿度の管理には特に気を付けてくださいね。

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フトアゴヒゲトカゲの飼い方!餌や寿命、特徴まで解説

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この記事を書いた人

小動物飼養販売管理士。
小動物専用SNS「すもあに」開発者。
自身もハムスターや小鳥、デグーにモモンガと多数の小動物を飼育。

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