感情表現が豊かで愛嬌たっぷりの文鳥は、「手乗り文鳥」の愛称でも親しまれており、なつくと手に乗せてコミュニケーションをとることができます。
体が小さく広い飼育スペースが要らないこと、ニオイが少なく鳴き声が小さい、といった飼いやすさから人気の高いペットです。
本記事では文鳥をお迎えしたい、知りたいという人に向けて、特徴や飼い方をご紹介。
文鳥はどんな性格をしているのか、飼う際はどんなことに気を付けるのか、文鳥の魅力に迫ります。
文鳥の特徴
スズメ目カエデチョウ科に分類される文鳥は、キレイな朱色のくちばしとなめらかな触り心地の美しい羽毛が魅力的な小鳥です。
インドネシアが原産地である文鳥は、日本には江戸時代の初期にやってきたといわれています。
浮世絵にも描かれているほど、文鳥は昔から日本で親しまれてきた小鳥なのです。
インコのように言葉を話すことはできませんが、鳴き声や表情、仕草でコミュニケーションをとることが可能です。
頭が良く飼い主への愛情が深いので、名前を呼ぶと飛んできたり飼い主の気持ちを汲み取れたりすることも。
小さな体で一生懸命に愛情を示してくれる姿はとても愛らしいです。
カラーや種類が豊富なので、見た目の個性を楽しむことができます。
文鳥の性格
文鳥の性格を一言であらわすと、まさに「かまってちゃん」という言葉がぴったり。
飼い主のことが大好きで、とても甘えん坊な性格をしていることが多いです。
ただ頑固な一面があるため、自分の主張を精一杯アピールすることもあります。
喜怒哀楽がはっきりとしており、表情や鳴き声で思っていることがよく分かるので、まるで小さな子供と一緒に暮らしているような気分を味わえるはずです。
寂しがり屋で人になつく
人によくなつく文鳥は、飼い主の肩や頭に乗って遊んだり、触ってほしくてアピールしたりと甘えん坊です。
ヒナから育てた場合はベタ慣れになるので手乗り文鳥になることが多いです。
成鳥からお迎えした場合でも少しずつ信頼関係を築くことでよくなつき、鳴き声で話しかけてくれたり手の上でリラックスしたりする姿をみせることも。
飼い主のことが大好きなので、一緒に遊んだ後にケージに戻すと寂しくて抗議してくるようなかわいい一面もあります。
寂しい思いをさせないように、毎日コミュニケーションをとることが大切です。
警戒心が強く好き嫌いがはっきりしている
初めて会う人やほかの動物に対しては警戒心が強い文鳥。
一緒に過ごすにつれて警戒心が薄れていき、次第に仲良くなれます。
お迎えしてからしばらくは、環境の変化や飼い主に対して警戒心を抱くのは自然なことなので、慣れるまでは無理なスキンシップは控えましょう。
文鳥は好き嫌いがはっきりとしているため、最初の印象が悪いと嫌われてしまう可能性が高いです。
文鳥の鳴き声や仕草
文鳥は鳴き声や仕草で気持ちを表現してくれます。
鳴き方と仕草のそれぞれがもつ意味合いを知って、文鳥の気持ちをぜひ汲み取ってみましょう。
まずは鳴き方の種類とそれに込められた気持ちのご紹介です。
鳴き方 | 意味 |
---|---|
「ピッ」「チッ」 短く鳴く | 「地鳴き」と呼ばれる鳴き方 動作の掛け声や意味もなく鳴いていることが多い |
「ピッ!」「チッ!」 強めに短く鳴く | 「呼び鳴き」と呼ばれる鳴き方 飼い主に対して「ねぇ」と呼びかけている |
「キュウーキュウー」「キュルキュル」 切なそうに鳴く | 寂しいときや甘えているときの鳴き方 |
「ピチューイ、ピーヨピーヨ」 歌うように鳴く | オスの文鳥が求愛する際に鳴く「さえずり」 鳴き方に個性があり10秒間ほど歌うように鳴く |
「キャルルルル」「ギュルルルル」 低い声で連続して鳴く | 怒っているときや威嚇する際の鳴き方 |
「ゲッゲッ」 短く低く鳴く | 危険が迫ったときの鳴き方 大きな音やほかの動物に反応して鳴くことが多い |
上記の代表的な鳴き方以外にも、文鳥は個性溢れる鳴き方をして気持ちを伝えます。
続いては文鳥の仕草をみていきましょう。
仕草 | 意味 |
---|---|
「ギュッギュッ」と喉を鳴らす | 喜んでいる ご機嫌 |
お尻を振る | 満足している |
飼い主を甘噛みする、つつく | 甘えている 構ってほしい |
左右に揺れる、ジャンプをする | 求愛のダンス さえずりながら行う |
体を丸くして休んでいる | リラックスしている |
鳴き声と仕草が合わさることで、文鳥の気持ちがより一層明確になります。
さまざまな気持ちを一生懸命に伝えてくれる文鳥の姿はとても愛しいです。
文鳥の寿命
文鳥の平均寿命は7年~8年といわれています。
飼育に関する情報が増えてエサの品質が向上していることから、10年生きる文鳥も少なくありません。
適切な飼い方をすることで10年を超える長寿を目指すことは難しくないはずです。
文鳥のなつきやすさ
文鳥は慣れると人によくなつきます。
人とコミュニケーションをとることが大好きで、慣れてきたら撫でてあげると喜びます。
飼い主の頭や肩に乗って遊んだり、名前を呼ぶとこちらに来てくれたりすることも。
信頼関係が築ければ、家族の一員として良き相棒になってくれます。
文鳥の大きさ
文鳥の体の大きさは、体長15cmほどで体重は25g前後。
外でもよく見かけるスズメと同じくらいの大きさです。
文鳥の飼いやすさ
文鳥は省スペースでの飼育が可能で、ニオイが少ないので飼いやすいペットとして人気です。
鳴き声はありますがボリュームが小さいのでそこまで気になりません。
エサやりや掃除などお世話の方法も難しくなく、病気をしにくい丈夫な体であるため、誰でも飼いやすいという特徴があります。
その飼いやすさから、ファミリー層はもちろん一人暮らしにもおすすめのペットです。
文鳥の種類と色
文鳥にはいくつか種類があり、羽の色の違いで見た目の印象がガラリと変わります。
自分好みのお気に入りの文鳥を見つけてみましょう。
文鳥の種類 | 特徴 |
---|---|
ノーマル文鳥 (並文鳥) | 文鳥本来の姿 頭が黒色、背中側はグレーで頬とお腹は白色 |
桜文鳥 | ノーマル文鳥に白いまだら模様が入っている まだらの入り方は個体によって個性がある |
白文鳥 | 全身が真っ白 突然変異で誕生した |
シナモン文鳥 | ノーマル文鳥と同じ配色で全体的に淡い茶色みを帯びている メラニン色素を持たないことから目が赤く直射日光に弱い |
シルバー文鳥 | ノーマル文鳥と同じ配色で全体的に淡いグレーのような色味 個体によって濃淡に違いがある |
ノーマル文鳥は最も自然に近い姿であり、流通量も多いのでペットショップでよく見かけます。
文鳥の中でも人気が高い種類は桜文鳥と白文鳥です。
桜文鳥は白いまだら模様の入り方が個体によって違いがあるため、お気に入りの模様を見つける楽しさを感じられます。
白文鳥は全身が真っ白なことで、文鳥特有のなめらかな羽毛の美しさが際立つ美人さんです。
シナモン文鳥とシルバー文鳥は希少性があるためほかの種類の文鳥に比べるとペットショップで見かける機会が少なめ。
どちらの種類もメラニン色素を持たないことから体の色が淡く、長時間の日光浴は苦手です。
文鳥は種類によって雰囲気が大きく異なるので、自分にぴったりの子を探してみましょう。
文鳥は手乗りする?
「手乗り文鳥」と呼ばれることがある文鳥は、慣れていると手乗りさせることが可能です。
ヒナから育てた場合は高い確率で手乗り文鳥になり、成鳥からお迎えした場合は個体によって差があります。
人によくなつくので、成鳥からお迎えしても信頼関係が築ければ手乗りできるようになる可能性は高いです。
ただし個体差があるため、よくなついていても手乗りをしないということもあります。
文鳥のオスとメスの違い、見分け方
文鳥のオスメスを見分けるポイントは以下の通りです。
オスの文鳥の特徴 | くちばしが大きい 脚が太い 頭の形が平べったい 体重は25g以上であることが多い 目はアーモンドの形 目を囲うアイリングの色が濃い |
---|---|
メスの文鳥の特徴 | 体が小柄で体重が軽い くちばしが細めでシャープ 頭が丸い 脚が細く爪が小さい 目の形が丸い 目を囲うアイリングの色が薄い |
性別の判断が難しい鳥類は、ヒナの段階ではオスとメスの違いが見当たらず、見分けることが困難です。
オスメスの特徴はありますが、大人の文鳥でも性別がはっきりしないまま、というケースも存在します。
見た目でのオスメスの若干の違いや傾向はあるものの、100%断定できないことも。
性別にこだわってお迎えしたい場合は、お店の人やブリーダーによく相談することをおすすめします。
文鳥を飼育するために必要なアイテム
文鳥の飼育を始めるのに必要なアイテムとその価格相場は以下の通りです。
文鳥をお迎えする前に全て揃えておきましょう。
飼育アイテム | 価格相場 |
---|---|
ケージ | 5,000円~10,000円 |
止まり木 | 1,000円前後 |
エサ | 1,500円前後 |
エサ入れ | 500円前後 |
菜差し・ボレー粉入れ | 2つ合わせて1,000円ほど |
給水器 | 500円前後 |
水浴び器 | 1,000円~1,500円 |
おもちゃ | 500円~ |
ケージカバー | 2,000円~4,000円 |
ヒーター | 3,000円~5,000円 |
温湿度計 | 1,000円~2,000円 |
文鳥の飼育アイテムを全て揃えると17,000円~20,000円ほどの費用がかかることが一般的です。
それぞれのアイテムはさまざまなメーカーから販売されており、どれを選べば良いか迷ってしまう人も多いはずです。
文鳥に適した使いやすいタイプのものをご紹介していくので、飼育アイテム選びの参考にしてください。
ケージ
文鳥が快適に過ごせるケージサイズは横幅と奥行きが30cm、高さが40~50cmほどです。
体は小さいですが、羽を広げることを考えるとゆとりのあるスペースが必要。
狭いケージはストレスが溜まるため、サイズには注意して選びましょう。
鳥用のケージは格子で囲まれているタイプが主流ですが、中にはエサや水の飛び跳ねを防ぐために一部がクリアパネルになっているものも。
ケージの下部が引き出し式のトレーになっているタイプだと、掃除がしやすいのでおすすめです。
シンプルなケージであれば5,000円ほどで購入でき、エサ入れや水入れがセットになっているものでは10,000円近い費用がかかることもあります。
止まり木
止まり木は遊んだり爪やくちばしを研いだり休んだりと、文鳥にとってさまざまな用途があるアイテム。
プラスチック製も販売されていますが、天然木の止まり木が滑りにくく、足裏に均一に力が入りやすいのでおすすめです。
止まり木の太さは止まったときに前の爪と後ろの爪が少し離れる直径12㎜~15㎜ほどがベスト。
太すぎても細すぎても足裏に負担がかかるため、最適な太さを選んであげてください。
天然木の止まり木は1,000円ほどで購入することができるので、ケージの中に設置してあげましょう。
エサ
文鳥のエサは総合栄養食であるペレットか、複数の穀物が配合されたシードのどちらかです。
ペレットには文鳥に必要な栄養素がすべて配合されているため、副菜を与える必要はありません。
ただ、人工的に開発されたエサなので、幼いときから食べ慣れていないと受け付けてくれない可能性があります。
シードは自然食に近いエサのため、嗜好性が高めです。
殻が付いた状態の殻付きと殻が取り除かれている殻むきの2種類に分かれます。
殻付きは殻が散らかって掃除が大変にはなるものの、殻を割る行為がストレス解消に。
殻むきは掃除の手間は減りますが、傷みやすく栄養成分が損なわれやすいので注意が必要です。
シードにはヒエやアワなど何種類かの穀物が配合されているので、脂肪分の高い種子だけを選び食べしてしまうこともあります。
どちらのエサも1,500前後で購入できますが、それぞれメリット・デメリットがあるので、お迎えした先で与えられていたエサを参考に選んでみましょう。
文鳥の主食
文鳥の主食はペレットかいくつかの穀物が配合されたシードです。
総合栄養食であるペレットをしっかりと食べることができれば、栄養が十分足りているので副菜を与える必要はありません。
シードを主食として与える場合はビタミンやカルシウムが不足しているので、副菜で小松菜やチンゲン菜、牡蠣の殻を砕いたボレー粉を与えます。
副菜・おやつ
文鳥に与える副菜はビタミンAが豊富な小松菜・チンゲン菜・豆苗・水菜などが最適です。
新鮮なものを水洗いしてから与えるようにしましょう。
反対に、アクが強くシュウ酸が含まれるホウレン草・ネギ類・モロヘイヤ・オクラ・里芋などは文鳥に与えてはいけない野菜です。
中毒症状を引き起こして下痢や嘔吐をする可能性が高く、最悪の場合は命を落としてしまうこともあるので十分気を付けてください。
文鳥は野菜だけでなく、リンゴ・バナナ・イチゴ・ミカンのような果物も喜んで食べます。
果物はおやつとして1週間に1回程度であれば与えても問題ありませんが、甘みが強く頻繁に与えると肥満につながるので注意しましょう。
エサ入れ
文鳥のエサを入れるエサ入れは、残量やエサの状態が分かりやすい透明のものがおすすめです。
ケージの中に設置するタイプと外付けのタイプがありますが、エサの出し入れがしやすいのは外付けタイプです。
500円前後で購入できるので用意しておきましょう。
菜差し・ボレー粉入れ
主食がシードの場合は副菜を入れる菜差しとボレー粉入れを設置します。
菜差しは野菜を立てて入れておける筒状の容器で、ボレー粉入れはエサ入れと同じようなもので問題ありません。
どちらも500円前後で購入可能なので、文鳥の主食に合わせて購入を検討してください。
給水器
500円前後で販売されているケージに設置できるタイプが倒される心配がないのでおすすめです。
エサ入れと水入れの両方で利用できるタイプや、どのくらい飲んだか分かるようにメモリが付いているタイプなどがあります。
水浴び器
文鳥は体を清潔にする目的やストレス発散の運動として水浴びをします。
好きなタイミングで水浴びができるように、水浴び器を常時ケージに設置しておく必要があります。
ケージの中に設置するタイプと外付けタイプがありますが、毎日水替えや洗うことを考えると外付けタイプが楽にお手入れできるのでおすすめです。
1,000円~1,500円ほどで購入できるので、文鳥の体がすっぽりと入るサイズ感の水浴び器を購入しましょう。
おもちゃ
ケージの中で遊べるようにおもちゃがあるとストレス解消になるので便利です。
乗ると揺れるブランコや、くちばしでつついて遊べるロープやビーズが500円ほどで販売されています。
ただし、文鳥は警戒心が強い一面があるので、初めて見るおもちゃを恐がることも。
おもちゃはいきなり設置をしないでまずはケージの近くに置き、興味を持っている様子であれば遊ばせてみましょう。
おもちゃに対して威嚇をしたり嫌がったりする様子があれば無理に設置はしないでください。
ケージカバー
文鳥が夜にリラックスして眠れるように、暗い環境を作りだしてくれるのがケージカバーです。
文鳥の飼育部屋と飼い主の居住スペースが分かれている場合は無くても困りませんが、同じ空間で過ごす場合は活用してみましょう。
遮光だけでなく、冬は保温効果も期待できるので持っておいて損はないです。
2,000円~4,000円ほどで購入でき、夏は通気性の良い薄手、冬は保温効果の高い厚手の素材など季節で使い分けても便利です。
ヒーター
温かい地域で生まれた文鳥は寒さに弱いです。
冬は暖をとれるようにケージにヒーターを設置することをおすすめします。
パネル型や電球タイプのヒーターが5,000円前後で販売されており、いずれもやけどしないようにカバーがついていたり外付けタイプになっていたりと安全面もバッチリです。
温湿度計もあると便利
温湿度計を設置して温度と湿度を視える化すると、文鳥にとって快適な飼育環境に整えやすくなります。
人間のように衣服で温度調整ができないので、温湿度計を活用して文鳥が1年を通して心地よく過ごせる環境作りをしてあげましょう。
温湿度計は1,000円~2,000円ほどで手に入るため、飼育スペースの温度と湿度を管理するために設置しておくと便利です。
文鳥を飼育する際に掛かる費用
文鳥の飼育を始めるにあたって、どのくらいの費用を準備しておけば良いのか気になる人は多いはずです。
一般的にお迎えするときにかかる初期費用は25,000円ほど、毎月のお世話にかかる固定費は1,000円~2,000円が相場です。
何にどのくらい必要なのか、それぞれ詳しくみていきましょう。
初期費用
文鳥のお迎えにかかる初期費用は、大体25,000円~30,000円ほどに収まることが多いです。
文鳥の価格は種類によって差があるので、初期費用はお迎えしたい文鳥によって変動します。
種類別の価格相場は以下の通りです。
文鳥の種類 | 価格 |
---|---|
ノーマル文鳥 (並文鳥) | 約2,000円 |
桜文鳥 | 2,000円~3,500円 |
白文鳥 | 2,500円~4,000円 |
シナモン文鳥 | 5,000円~7,000円 |
シルバー文鳥 | 5,000円~10,000円 |
自然の姿に近いノーマル文鳥が最も安価で、希少性の高いシナモン文鳥とシルバー文鳥は高額です。
ヒナからお迎えする方が安い傾向にあり、同じ種類であっても色の濃淡などで価格に差が出ます。
続いて飼育アイテムの価格相場がこちらです。
アイテム | 価格 |
---|---|
ケージ | 5,000円~10,000円 |
止まり木 | 1,000円前後 |
エサ | 1,500円前後 |
エサ入れ | 500円前後 |
菜差し・ボレー粉入れ | 2つ合わせて1,000円ほど |
給水器 | 500円前後 |
水浴び器 | 1,000円~1,500円 |
おもちゃ | 500円~ |
ケージカバー | 2,000円~4,000円 |
ヒーター | 3,000円~5,000円 |
温湿度計 | 1,000円~2,000円 |
最低合計 | 17,000円 |
飼育アイテムは相場をみると最低でも17,000円かかることが予想されるので、個人差があることを考えると約20,000円に収まるようなイメージです。
相場よりも高い値段で揃えれば初期費用は高くなるので、個人によって多少の違いが出るはずです。
お迎えしたい文鳥の種類を参考にしながら初期費用の準備をしましょう。
月々の費用
文鳥の飼育で毎月かかる費用は基本的にはエサ代です。
購入するエサの容量にもよりますが、月換算すると500円ほどであるケースが一般的。
光熱費を合わせても、毎月の固定費は1,000円~2,000円程度であることが多いです。
病院代が掛かることも
文鳥の体調が悪いときには病院代が必要になることがあります。
初診で検査や処置、処方をしてもらった場合は、最低でも5,000円の費用がかかることが予想されます。
動物病院によって診察料は異なりますし、体調の状態によっては1回の来院で10,000円近くかかることも。
こうした病院代がかかる可能性があることも考慮しておきましょう。
文鳥を飼う際の注意点
文鳥は誰にでも飼いやすいのが魅力の1つですが、飼育する上で気を付けたいポイントがいくつかあります。
- 寒さに弱い
- 水浴びが必要
- ケージは日光が適度に当たる場所へ
- ケージの外でコミュニケーションをとる
- 脱走に注意する
- ほかの動物と飼うのは避ける
文鳥が快適に暮らすためには、上記のポイントを抑えて飼育することが大切です。
それぞれの注意ポイントについて詳しくみていきましょう。
原産が熱帯地方のため寒さには弱い
気温が高いインドネシアが原産の文鳥は寒さが苦手です。
寒さによる体温の低下は体の不調を招くので、冬は特に室温管理に気を付けてください。
成鳥では20℃~25℃の室温、体が弱いヒナの場合は生後2~3週間で30℃前後、生後4~8週間で25℃~28℃が適温です。
ヒーターを活用したり、保温効果のあるケージカバーで囲ったりして寒さ対策をしてあげましょう。
水浴びをさせてあげる
文鳥は水浴びをして汚れや体から分泌された古い脂粉(しふん)を落とします。
脂粉とは白い粉のようなもので、羽に汚れが付着するのを防いだり、防水の役割を果たしたりするといわれています。
水浴びには古い脂粉を落として体を清潔に保つ役割があるほか、運動やストレス発散にもつながる大事な習慣です。
文鳥が好きなタイミングで水浴びできるように、水浴び器の水は毎日交換しておきます。
最初は水深5㎜から始めて、慣れてきたら15㎜~20㎜の脚が浸かる深さにしてみましょう。
浅い水深ですが不慣れなうちは滑って起き上がれなくなるリスクが高いです。
水浴びに慣れるまでは飼い主が見ていられるタイミングで水浴び器を準備し、目を離さないようにしてください。
ケージは適度に日光が入る所に
直射日光はNGですが、適度に日光が入るお部屋で飼育して日光浴ができるようにしてあげましょう。
日光浴には文鳥の体の調子を整えてくれる効果があります。
文鳥のケージは、日光が入る明るいお部屋に設置するよう心掛けてください。
ケージから出してコミュニケーションを
文鳥は飼い主と遊んだり触れ合ったりするコミュニケーションが大好き。
慣れてきたらケージの外に出して触れ合ってみましょう。
撫でたり名前を呼んで話しかけたりしながら一緒に遊ぶことで、絆が深まりますしストレス発散にもつながります。
必ず窓をしめて脱走にも注意
文鳥をケージから出して放鳥させる際は脱走に要注意です。
飼い主の目の届く範囲で遊ばせられるように、窓や部屋のドアは必ず閉めてください。
一度家の外に出てしまうと迷子になってしまったり、野生動物に襲われたりする可能性が非常に高いです。
放鳥する前には必ず戸締りをして、目を離さないように注意しましょう。
犬や猫と一緒に飼うのはなるべく避ける
狩猟本能が強い犬や猫にとって、文鳥は捕食する対象にみえてしまうことがあります。
犬と猫の性格によっては仲良くできるケースもありますが、警戒心が強い文鳥にとってはストレスになる可能性も。
文鳥は飼い主への愛情が深いゆえに嫉妬心が強めなので、飼い主がほかの動物をお世話する姿にストレスを感じることもあります。
文鳥の健康や安全面を考えると、できれば犬猫と同居させるのは避けたほうが無難です。
文鳥を選ぶ際のポイント
お迎えする文鳥を選ぶときは以下3つのポイントを確認しましょう。
- ヒナと成鳥どちらから育てるか
- 文鳥のお迎えは冬以外の季節に
- 健康状態の良い文鳥を見極める
ヒナと成鳥ではお世話の仕方や難易度に違いがあるので、あらかじめどちらの段階から育てるか決めておくと準備もスムーズです。
お迎えしてすぐに病気にさせないためには、どの季節にお迎えするか、良好な健康状態であるかが重要なポイントに。
文鳥をお迎えする際にチェックしておきたい3つのポイントについて確認しておきましょう。
なつかせたい場合はヒナから飼うべきだが難しさも
文鳥はヒナと成鳥に分かれて販売されています。
ヒナからお迎えした場合は飼い主が親代わりになるため、ベタ慣れになることがほとんど。
手乗り文鳥を目指すのであればヒナからのお迎えがおすすめです。
しかし、成鳥に比べると手間がかかるので、時間が十分に確保できない人にはヒナのお世話は向いていません。
生後2~3週間頃のヒナはシリンジを使ってエサを食べさせる「さし餌」が必要で、消化しやすいようにお湯でふやかしたエサを1日5回ほど食べさせます。
加えて文鳥のヒナは羽毛がまだ生えそろっていないので、体が冷えないように徹底した保温管理が重要。
時間の確保が難しい、ペットを飼うのが初めてという場合は、ヒナに比べてお世話の難易度が優しい成鳥のお迎えを検討しましょう。
ヒナを飼う場合は飼育方法を確認しよう
ヒナからお迎えする場合は、ペットショップで行われていた飼育方法を真似してください。
すでに慣れているやり方でお世話をしてあげることで、ヒナにかかる負担を減らすことができます。
さし餌の種類や使う道具も同じものを揃えて、飼育環境も変化が少ないようにします。
お迎えの際はペットショップの店員やブリーダーに、これまでの飼育方法についてよく確認して実践しましょう。
初めての場合は冬は避けよう
寒さに弱い文鳥は、冬の時期は室温管理がきちんとできていないと体調を崩してしまいます。
冬はほかの季節に比べるとお世話に気を遣う時期なので、文鳥のお迎えが初めての場合は避けたほうが無難です。
文鳥が体調を崩すリスクが低い、冬以外の暖かい季節にお迎えをするようにしましょう。
健康状態を確認する
健康で丈夫な文鳥をお迎えするためには、健康状態をよく見極めることが大切です。
文鳥のヒナと成鳥では健康状態を判断するポイントが異なります。
お迎えしたい文鳥の年齢に合わせて、チェックポイントを確認しておきましょう。
ヒナの場合のチェックポイント
文鳥のヒナは10月~4月頃の秋から春にかけて生まれるので、ヒナのお迎えを希望する場合はこの時期にペットショップに足を運びましょう。
元気なヒナをお迎えするために、以下の項目をチェックしてみてください。
- 顔が汚れていない
- お尻が汚れていない
- 目がぱっちりと開いている
- 周りのヒナが清潔で元気
体の汚れは嘔吐や下痢をしている可能性があるため、清潔かどうかよく確認します。
目を閉じた状態のヒナは体調が優れないサインですので、ぱっちり目が開いているヒナを選びましょう。
同じケースの中に数羽で飼育されていることが多く、全員が元気な状態であれば感染症などの可能性も低いです。
体がしっかりしていて元気に鳴いているヒナを選ぶと、お迎え後も育てやすいです。
成鳥の場合のチェックポイント
生後4週間頃になるとさし餌を卒業して羽毛も生えそろいます。
大人の文鳥をお迎えする場合は、以下の項目を確認してみてください。
- 目がぱっちりと開いている
- 爪が揃っていて脚の血色が良い
- くちばしが赤く上下が揃っている
- 体が汚れていない
- 脚が曲がっておらず姿勢が良い
体が清潔で元気に動いていれば健康だと判断できます。
体調が悪い文鳥はくちばしの色が紫やピンクになることがあるので、よく確認しましょう。
顔つきだけでなく脚や爪の血色、曲がっていないかどうかもチェックしてください。
まとめ
コミュニケーション上手で飼い主への愛情が深い文鳥。
鳴き声や表情、仕草から気持ちを読み取りやすいので、一緒に暮らせば思わず笑顔になる瞬間ばかりです。
ヒナからお世話をする場合はより一層愛着が湧きますし、成鳥からでも時間をかけて信頼関係を築いていく楽しさがあります。
お迎えの前には飼育に必要なものを準備し、飼い方のポイントを抑えてお世話をしてあげましょう。
様々な小動物を飼ってきた私が、もっと気軽に小動物の飼い主同士がやり取り出来たり、落ち着くコミュニティだったり、悩んだ時に質問しあえる環境が欲しくてサービスを提供しています!
飼い主の皆さん自身も、もちろんペットもより快適で幸せに暮らすために、ぜひ一度ご覧ください!