手乗り文鳥という愛称がつくほど人によくなつく文鳥。
飼い主と触れ合ったり遊んだりすることが大好きで、コミュニケーション上手な動物です。
しかし、どの文鳥も手乗りになるとは限らず、手に乗るかどうかは育てる過程が影響します。
手にちょこんと乗る手乗り文鳥の姿は、飼い主への特別な愛情を感じられてとても愛らしいです。
本記事ではお迎えした文鳥を手乗りにできるように育てるコツをご紹介。
これから文鳥をお迎えしたいと思っている人は、ぜひ手乗り文鳥に育ててかわいがってみましょう。
文鳥とは
文鳥はスズメ目カエデチョウ科に分類される小鳥です。
朱色のくちばしになめらかでツヤのあるキレイな羽毛が特徴的で、その姿からは上品な雰囲気が漂います。
体長は15cm、体重は25g前後で、スズメとほとんど変わりないくらいの大きさです。
スズメよりも細長いイメージです。
体が小さく広い飼育スペースが必要ないことに加え、お世話の仕方が難しくないため誰でも飼いやすい動物として人気があります。
文鳥の性格、寿命、特徴
文鳥は飼い主に構ってほしくて一生懸命アピールしてくる甘えん坊な性格です。
その姿はときに「かまってちゃん」という言葉がしっくりくることも。
言葉は話せませんが表情・仕草・鳴き声を使い分けて喜怒哀楽を表現するため、気持ちを汲み取りやすいです。
名前を呼ぶと寄ってきたり、飼い主の声色や表情から気持ちを理解したりする賢さがあります。
飼い主への愛情深さゆえに嫉妬しやすい一面もあるので、できればほかの動物と一緒に飼育することは避けるのが無難です。
コミュニケーションが不足していると寂しさからストレスを感じるため、毎日遊んだり話しかけたりりして絆を深めましょう。
人になつきやすく、信頼関係が構築されると手乗り文鳥になることも。
ただ、お迎え後は飼い主にも新しい環境にも警戒心を抱くので、慣れるまでは無理に仲良くなろうとしないことが大切です。
文鳥は好き嫌いがはっきりとしていることから、最初に失敗するとその後ずっと嫌われてしまう、なんてことも。
お迎えしてすぐは恐がらせないように優しく声をかけながらお世話をしてあげましょう。
文鳥は一般的に7年~8年ほど生きるといわれていますが、近年では動物医療の進歩やエサの品質向上、飼育情報が増加したことから10年以上生きることも。
病気になりにくい丈夫な体であることも長寿の理由の1つだと考えられます。
鳴き声が小さめで基本的な掃除ができていればニオイも気にならないという文鳥の飼いやすさは、ペットの飼育が初めての人、一人暮らしの人におすすめです。
種類によって見た目の個性に違いがあるので、お迎えの際はお気に入りの子を見つける楽しさを感じられます。
文鳥の歴史、原産国
文鳥の歴史は古く、原産国であるインドネシアから江戸時代初期に日本にやってきたといわれています。
当時から美しくやわらかな羽毛と色鮮やかな見た目が評価されており、浮世絵にも描かれるほど。
古くから日本で愛されてきた小鳥であることが分かります。
文鳥はなつくことで手乗り文鳥に
人に良くなつく文鳥ですが、手乗り文鳥はいわゆるベタ慣れ状態であることをあらわしています。
手に乗ることはもちろん、人の頭や肩に乗って遊んだり手のひらに包まれて眠ってしまったりすることも。
一般的に生後2~3週間のヒナから育てた場合は、人間に対してよほどのトラウマを抱かせない限りは手乗り文鳥へと育ちます。
ヒナから育てるケースではエサを食べさせてあげる必要があるので、自然と飼い主のことを親鳥のように認識するのです。
もともと警戒心が強い文鳥ですが心を開けばかなりなついてくれるので、成鳥からお迎えする場合であっても、お世話の仕方によっては手乗り文鳥に育つ可能性もあります。
最初から手乗り文鳥も売られている?
ペットショップで見かける文鳥の中には、手乗り文鳥として売られていることがあります。
ブリーダーやペットショップスタッフの手でヒナから育てられていることが多いので、成鳥であっても人に慣れているのです。
親鳥に育てられた、人にあまり慣れていない文鳥をお迎えする場合でも、愛情を持って育てれば手乗りするようになる可能性は十分にあります。
時間をかけて少しずつなついていく姿がみられる楽しさを感じられるという魅力があります。
文鳥を手乗りにする方法
手乗り文鳥にするためには育て方にコツがあります。
基本は「嫌われるようなことをしない」「関係性に応じた適度な距離感で接する」の2点を心掛けることが大切です。
個体によって慣れ始めるスピードや慣れ具合に差がありますが、文鳥と仲良くなるために上記2点は必須ポイント。
どんなことに注意すればよいのか、文鳥を手乗りできるようにする方法について詳しくみていきましょう。
文鳥が嫌がることを避ける
文鳥に嫌われないためには、文鳥が嫌がることをしないように気を付けることが大切です。
警戒心が強い傾向にあるので、恐がらせたり驚かせたりしないためにも以下の4つには特に注意してください。
- 大声で怒らない
- 文鳥に尖った物や指を向けない
- 後ろから捕まえない
- 冷たい手で触らない
文鳥が嫌がることを気を付けていれば「飼い主は自分に危害を加えない」と学習していきます。
上記4つのポイントをしっかり覚えておきましょう。
大声や怒ることをしない
大きな声や音はどんな動物でも驚きますし、怒鳴られると恐怖を感じます。
まだ仲良くない段階で恐怖心を抱かせてしまうと、今後信頼関係を築くことが困難に。
文鳥に恐怖心を与えないためにも優しく声をかけるように心掛けてください。
指などを文鳥に向けない
文鳥は顔に先の尖った物を向けられると威嚇されていると認識し、飼い主のことを仲間ではなく敵だと判断してしまいます。
指をさすと恐がって離れていくか、威嚇鳴きをしてくることが多いです。
文鳥にとって非常にストレスのかかる行為なので、尖った物や指の先を向けることはやめましょう。
後ろから捕まえない
背後から突然捕まえられて身動きができないと驚いてしまいます。
大きな敵が来たと勘違いし、恐怖心や強いストレスがかかる行為です。
ケージに戻したいときなど、捕まえなければいけない場面があるかと思いますが、声をかけながら下から手ですくうようにして包み込んであげましょう。
冷えた手で触らない
冷たい手で触れると文鳥が驚きますし、なによりリラックスできません。
飼い主に触られることを嫌がるようになる可能性があるので、冷えた手で触るのは控えましょう。
文鳥の体を撫でるスキンシップは信頼関係を築いていく上でとても重要なコミュニケーション方法の1つ。
飼い主の手は安心できると思ってもらうためには、手のひらは温もりがある状態が望ましいです。
適度な距離感で愛情を持って接する
文鳥とのコミュニケーションは少なすぎても過剰すぎてもNGです。
毎日コツコツと程よい距離感で接していくことで飼い主への信頼が芽生えます。
文鳥との距離感を大切にしながら、以下3つの接し方を意識してみてください。
- ケージの外でスキンシップ
- 手からエサを与える
- なるべく声をかける
文鳥の警戒心を解いて距離を縮めていくために、接し方のポイントをチェックしていきましょう。
ケージから出してスキンシップを取る
文鳥にとってケージの中だけの生活は、運動不足や退屈さからストレスを感じてしまいます。
お迎え後の生活に慣れてきたらケージの外に放鳥して遊ばせてみましょう。
ケージから出す際はなるべく飼い主の手に乗せて連れ出す習慣をつけることをおすすめします。
「手に乗ると外で遊べる」「良いことが起こる」と理解するようになり、飼い主の手へ乗ることを好むようになるのです。
最初はケージから出すと自由に好きなところへ飛び立ってしまうかと思いますが、文鳥との距離が縮まってきたらスキンシップにも挑戦してみましょう。
スキンシップの段階として、文鳥の様子をみながら以下の手順で進めていきます。
- 手からおやつを与える
- 手の上でおやつを与える
- 指で優しく触れてみる
まだ仲良くないうちは警戒心が強いので、エサやおやつを手から与えるところから始めます。
手から食べることに慣れてきたら、手のひらにおやつを置いて文鳥が上に乗って食べるようになるのを待ちましょう。
飼い主の手に完全に慣れた様子があれば、指先で優しく触れてみてください。
ゆっくり時間をかけて行えば必ず触れ合えるようになるので焦りは禁物です。
撫でられる心地よさを覚えると、次第に文鳥から触ってほしいとおねだりしてくるようになるはずです。
手からエサを与える
手からエサを与える行為は、手軽に慣れてもらいやすい方法としておすすめです。
放鳥したタイミングでも良いですし、警戒心が強めのときはケージの柵の間から野菜や果物などを与えてみてください。
手からエサを与えることで飼い主自身や手に対する警戒心が和らぎます。
慣れてくると文鳥から飼い主の方へ寄ってきたり、エサが欲しいと催促してきたりするはずです。
エサを通じて心の距離も縮まっていくので、ぜひ習慣にしてみましょう。
声をかけてあげる
何をするにも声をかけることを心掛けてください。
「ごはんだよ」「掃除するね」といったお世話に関係することだけでなく、「いってきます」「ただいま」「おやすみ」など挨拶もおすすめ。
文鳥は頭が良いので、飼い主の声のトーンや表情から気持ちを読み取ってくれます。
特に「すごいね」「かわいいね」といった褒め言葉は積極的に伝えてあげると文鳥にも気持ちが伝わり喜びます。
声かけは安心感を与えることにもつながるので、ぜひたくさん話しかけてあげましょう。
まとめ
手乗り文鳥に育てるためには、嫌がることはしないで適度な距離感で愛情を注ぐことが大切。
徹底できればヒナから育てた場合と変わりないくらいに慣れてくれるはずです。
少しずつなついてくれる姿から成長を感じ取れるので、飼い主としての喜びも大きいです。
ぜひたくさんの愛情を注いで手乗り文鳥に育ててみましょう。
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飼い主の皆さん自身も、もちろんペットもより快適で幸せに暮らすために、ぜひ一度ご覧ください!