愛嬌のある仕草からファンが多いリチャードソンジリス。ペットとしては珍しい部類に入りますが、一体どんな動物なのか気になりますよね。
本記事では、リチャードソンジリスの性格や寿命などの特徴をご紹介。
エサの内容や毎日行うお世話、飼育に必要なものなど詳しい飼い方についても触れています。
リチャードソンジリスの魅力を知れば、ペットにお迎えしたくなること間違いなしです。
小動物をお迎えしたい人、リチャードソンジリスについて知りたい人はぜひ参考にしてみてください。
リチャードソンジリスの特徴
リチャードソンジリスとはどんな動物なのか、その特徴をみていきましょう。
生息地 | 北アメリカの草原地帯 |
---|---|
分類 | げっ歯目リス科 |
大きさ | 体長:30cm前後 体重:約300g~500g |
食性 | 草食性 |
活動時間帯 | 昼行性 |
性格 | 好奇心旺盛で活発 |
寿命 | 約5年~7年 |
リチャードソンジリスはリスの仲間ですが、生活拠点は樹の上ではなく地面に巣穴を掘って暮らしています。
同じリス科の仲間であるプレーリードッグとよく似ているものの、リチャードソンジリスの方が小柄です。
一夫多妻制で家族と生活するプレーリードッグとは違い、リチャードソンジリスは単独行動をする少動物。
昼行性なので昼間に活動して夜に眠りにつくライフスタイルです。
体つきは柔らかくぽてっとしており、手足が短いのが特徴的。
とても活動的な性格で、あちこち一生懸命に動く姿は見ていて飽きません。
リチャードソンジリスの寿命
飼育下におけるリチャードソンジリスの寿命は約5年~7年だといわれています。
個体によっては5年未満で寿命を迎えることもありますし、反対に10年以上生きることも。
個体ごとの体の丈夫さと飼育環境によって寿命が左右されるので、できるだけ長く一緒に過ごせるように愛情をもってお世話をしてあげましょう。
リチャードソンジリスの性格
基本性格は好奇心旺盛で活動的ですが、警戒心が強く神経質な一面もあります。
性格差によってすぐに慣れる子もいれば、心を開くのに時間がかかる子もいることを理解しておきましょう。
お迎えしたら恐がらせないようにお世話の際は優しく声掛けをし、新しい生活に慣れてくれるまで気長に待ちます。
一緒に過ごす時間が増えるにつれて、手からエサを食べてくれたり、明るく元気いっぱいにケージの中を動き回ったりする姿を見せてくれるはずです。
行動や姿のかわいさが魅力
リチャードソンジリスの魅力はなんといってもかわいらしい姿。
ぽってりとした丸みのあるフォルムにぱっちりとした大きな瞳がたまりません。
小さな両手にエサを抱えて一生懸命頬張る姿、仰向けでリラックスして眠る姿、座って脱力しながら食べる姿など、きゅんとするような行動がたくさん。
リチャードソンジリスをお迎えしたら、その愛らしい魅力にどっぷりはまってしまうこと間違いなしです。
リチャードソンジリスの飼いやすさ
かわいさ満点のリチャードソンジリスは、比較的お世話が簡単なため飼いやすい小動物です。
飼い方については後述で詳しくご紹介していますが、基本のお世話はエサやりと掃除なのでとてもシンプルです。
単独行動をする動物のため1匹だけのお迎えで問題ないこと、エサが入手しやすいという点もリチャードソンジリスのおすすめポイント。
こうした飼いやすさから、リチャードソンジリスはファミリー世帯だけでなく、一人暮らしの人にも向いている小動物だといえます。
狭いスペースで飼育が可能で飼いやすい
リチャードソンジリスは体長30cm前後と小柄なため、大きな飼育ケージが必要ありません。
具体的なケージサイズは横幅60cm~80cm、奥行き45cm~60cm、高さ45cm~60cmほどが目安です。
ワンルームのような限られたスペースの中でも場所を取らない飼いやすさが魅力的です。
リチャードソンジリスの飼育方法
リチャードソンジリスをお迎えしたらどのようなお世話が必要なのでしょうか。
基本的には以下ようなお世話を行います。
- エサやり
- 水換え
- 掃除
- 室温管理
- 運動をさせる
ペットとしての歴史が浅いことから飼っている人が少なく、正しい飼育方法が分からないことも多いはずです。
エサの内容や毎日のお世話、お世話をするうえで気を付けたいポイントなど詳しい飼い方について知っておきましょう。
餌は牧草とペレットを中心に
リチャードソンジリスに与えるエサは、総合栄養食の役割を果たすペレットと、イネ科の牧草の2種類です。
ペレットはジリス専用のもの、牧草は低カロリーで繊維がたっぷりのチモシーが向いています。
体に必要な栄養を摂取するための主食はペレットであり、牧草はお腹の働きを整える、前歯を程よく削り取って伸びすぎを防ぐ役割を果たします。
牧草は食べたいときに好きなだけ食べられるように、常にたっぷりと用意しておきましょう。
野菜はニンジンや小松菜、果物はリンゴなどを与えることができますが、必要な栄養はペレットと牧草だけで十分摂取できます。
野菜や果物は、おやつとして少ない量をたまに与えるくらいでとどめておきましょう。
カロリーの高い食べ物には注意
飼育下のリチャードソンジリスは運動量が少ないため、高カロリーの食べ物を与えると肥満になりやすいです。
リスの仲間と聞くと、ヒマワリの種などの種子や木の実を好物に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
実際に与えればよく食いつきますが、リチャードソンジリスにとってはカロリーが高い食べ物なので、種子や果実類は与えないのが無難です。
肥満になるとケガや病気につながりやすく、偏食になってしまう可能性も。
リチャードソンジリスの健康を守るためにも、種子や果実類を与えるのはできるだけ控えてください。
飼育に必要なもの
リチャードソンジリスをお世話していくには、以下の飼育アイテムを揃えましょう。
飼育に必要なもの | 値段の相場 |
---|---|
ケージ | 約10,000円~15,000円 |
エサ | 2,000円前後 |
エサ入れ | 約500円~1,000円 |
床材 | 1,000円前後 |
トイレ | 1,000円前後 |
トイレ砂 | 1,000円前後 |
巣箱 | 約2,000円~3,000円 |
給水ボトル | 約500円~1,000円 |
かじり木 | 約500円~ |
リチャードソンジリスに必要な飼育アイテムを揃えると、値段の合計は約18,500円~26,500円という結果に。
相場をもとにした合計金額なので個人差はありますが、20,000円~30,000円ほどの費用を用意しておくと安心です。
飼育アイテムの購入で失敗しないためにも、これからご紹介する各アイテムの選び方のポイントを参考にしてみてください。
ケージ
リチャードソンジリスに適した飼育ケージのサイズは、横幅60cm~80cm、奥行き45cm~60cm、高さ45cm~60cmほどです。
ケージは格子状の金網タイプと、四方がアクリル板などの面で囲われているクリアタイプの2種類が主流。
うさぎ用のケージで問題なくお世話できます。
金網タイプは安価で種類が多く、通気性が良いのでニオイがこもりにくいのがメリットです。
しかし、金網をかじって歯を痛めてしまう、よじ登ってケガをしてしまう恐れがあるというデメリットも。
一方クリアタイプは、歯を痛めたりよじ登ってケガをしたりする危険性が少なく安全です。
ただ、金網タイプに比べて値段が高く、汚れが目立つ、ニオイがこもりやすいという特徴が。
2種類のメリットとデメリットを比較して、使い勝手が良い方を選びましょう。
エサ、エサ入れ
リチャードソンジリスのエサはジリス用のペレットとイネ科の牧草です。
イネ科の牧草は低脂肪で高繊維のチモシーが最もおすすめ。
牧草はペットショップだけでなく、ホームセンターやドラッグストアなど身近なお店から購入できます。
ペレットも牧草も1,000円前後で購入できるので、お迎え前に必ず用意しておきましょう。
エサ入れはペレットを入れる容器と牧草をセットする容器の2種類が必要です。
ペレットの容器はひっくり返されにくい陶器製にすると、ケージの中が散らかる心配が少ないです。
牧草入れは中身がたっぷりと入るサイズ感のものを選びましょう。
床材
リチャードソンジリスの床材は、牧草や木くずがおすすめです。
どちらも手に入りやすく、安価なのでたっぷりと使うことができます。
木くずは細かすぎるとホコリっぽく感じるため、ホコリが出にくいと記載があるものを選んでみてください。
トイレ、トイレ砂
リチャードソンジリスにトイレのしつけをするのは難しいですが、同じ場所で排泄する習性があります。
トイレをいつも排泄する場所に設置すると、掃除がグッと楽になるのでおすすめです。
リチャードソンジリスのトイレはうさぎ用で問題なく使用できます。
トイレ砂は排泄物を吸収すると固形化しますが、誤飲が心配な場合はペットシーツでも代用可能です。
巣箱
巣箱があると身を隠してリラックスできるため、必ず用意してあげましょう。
種類が豊富なのは木製で、動物にとって最も馴染み深い素材であることから、リラックス効果が高いという説があります。
ただし、個体によっては木製巣箱をかじってしまうことで劣化が早いケースも。
壊されたくない場合は陶器製やプラスチック製の巣箱を選んでみてください。
手入れがしやすく丈夫なのは陶器製で、プラスチック製は安価に入手できます。
巣箱の大きさは、小型うさぎ用のものがリチャードソンジリスに適しています。
給水ボトル
扱いやすくひっくり返される心配がない、ケージ取り付けタイプの給水ボトルがおすすめ。
ハムスターやうさぎ、小動物用の給水ボトルが使いやすいです。
かじり木
前歯が生涯伸び続けるリチャードソンジリスは、物をかじりたい欲求が強いです。
思う存分ガジガジできるように、かじり木をケージに入れておきましょう。
かじり木には歯が削れる、ストレス発散になるといった効果が期待できます。
適切な室温を保つ
リチャードソンジリスの健康を維持するには、飼育環境の室温がとても重要です。
適温は約20℃~25℃だといわれており、温度管理ができるお部屋でお世話をする必要があります。
室温をいつでも確認できるように、温度計を飼育部屋に設置することをおすすめします。
夏は熱中症、冬は室温が下がりすぎると冬眠状態になってしまうリスクがあるので注意が必要です。
飼育下での冬眠は失敗しやすく、衰弱して亡くなってしまうケースもあります。
冬眠してしまうことがないように、冬は保温を徹底してください。
特に真夏や真冬など気温が厳しい季節は空調をしっかり活用して、リチャードソンジリスが快適に過ごせる室温を保ちましょう。
ヒーターなどの利用も検討する
冬の保温に役立つのがペット用のヒーターです。
床に敷くパネルタイプやケージに固定する電球タイプなどさまざまな種類があり、ケージ内を程よく保温してくれます。
寒さが厳しい時期や寒冷地でリチャードソンジリスを飼う場合は、ペットヒーターが保温に役立つので活用してみましょう。
毎日のお世話
毎日行う基本的なお世話は、エサやり・水の交換・掃除の3つです。
エサはペレットの裏面に記載されている量を与え、牧草はたっぷりと補充してください。
水は意外にも傷みやすいので、毎日1回は必ず交換します。
トイレ掃除は怠ると雑菌の繁殖やニオイが気になり、リチャードソンジリスがストレスを抱えたり、病気になったりする危険性が高まります。
汚れたトイレ砂は毎日取り除いて新しい砂を補充し、清潔にしましょう。
週に1回ほどの頻度でケージ全体を水洗いすると、より衛生的な飼育環境を保つことができます。
ケージから出して適度に運動と日光浴を
新しい環境や飼い主に慣れてきたら、ケージの外に出して運動させましょう。
ずっとケージの中で過ごしていると運動不足になり、ストレスも溜まります。
ケージの外で遊ばせると、肥満解消やストレス発散、飼い主とコミュニケーションをとれるなど良いことだらけです。
できるだけ毎日ケージの外で運動させてあげるのが望ましいです。
適度な運動に加えて、日光浴もリチャードソンジリスの健康には必要不可欠。
日光浴を楽しめるように、程よく日の当たる場所にケージを設置してください。
家具やコードを壊されないように
ケージの外で遊ばせる際はいたずらに注意してください。
リチャードソンジリスはなんでもかじる習性があるため、外に出す前に大事な物や事故の危険性がある電気コードなどは手の届かないところへ片づけましょう。
ある程度の高さならジャンプをして登ってしまうこともあるので、ケージの外では目を離さないことが大切です。
病気やケガに気を付ける
リチャードソンジリスで多い病気は歯の噛み合わせが悪くなる不正咬合(ふせいこうごう)や、お腹の不調です。
歯のトラブルはケージの金属部分を噛んだり牧草が足りていなかったりすることが原因で発症しやすいので、かじり癖や食生活には特に気を付けましょう。
便秘や下痢など便の異変で気が付くことが多いお腹の不調は、食事やストレス、感染症が原因であることが多いです。
ケージ内外の高いところから落下してケガを負ってしまうこともあり、日常のあちこちに病気やケガのリスクが潜んでいます。
病気やケガをさせないように、エサの内容と適度な運動、適切な飼育環境を心掛けましょう。
リチャードソンジリスの値段
リチャードソンジリスは約2万円~5万円の値段でペットショップに並んでいる傾向にあります。
販売店舗やリチャードソンジリスの年齢などによって値段は前後するので、お迎えする場合は複数の店舗で比較してみることをおすすめします。
年に一度の繁殖のため入荷時期が限られる
リチャードソンジリスの繁殖は年に1度なので、ペットショップに行けばいつでも出会えるというわけではありません。
春に繁殖期を迎えることから、一般的には5月以降に店頭に並ぶことが多いようです。
リチャードソンジリスは人気の高い小動物なので、予約販売での引き渡しとしている店舗もあります。
事前に入荷情報を店舗に問い合わせたり、お知らせを受け取れるようにメールマガジンの登録をしたりしておきましょう。
個体の選び方
健康で元気な個体をお迎えすると、新しい環境でも大きく体調を崩すことなく上手く馴染んでいってくれます。
お迎えする子を選ぶ時は以下の項目をチェックしてみてください。
- 元気がある
- 体が清潔
- 毛ヅヤがある
- 人間を過剰に警戒していない
リチャードソンジリスは昼行性の動物なので、活動的になる昼間に様子を見に行くことをおすすします。
昼間にケージの中で活発に動く姿がみられるかどうか確認してみましょう。
体に排泄物などの汚れが付着していないキレイな状態で、毛ヅヤに問題がないかどうかも個体選びでは重要です。
また、過剰にこちらを警戒する様子が見られる子のお迎えは、飼育初心者には向いていません。
リチャードソンジリスのお迎えが初めての人には、できるだけ人慣れしている個体のほうがお世話しやすいです。
個体選びにおいてはリチャードソンジリスの様子だけでなく、ペットショップ生体管理の状況を見極めることも大切です。
手入れが行き届いておらず飼育ケージが汚れている、ケージの大きさに対する飼育数が多く窮屈そう、といった状況のショップは要注意。
適当に飼育されている可能性が高く信用できません。
リチャードソンジリスも含めたほかの動物も元気で、こちらの質問にきちんと対応してくれるペットショップからお迎えするようにしましょう。
まとめ
春以降にかけてペットショップで見られる機会が増えるリチャードソンジリス。
とてもチャーミングでユニークな仕草がたまりません。
比較的飼いやすい動物ですが最初は警戒心が強い一面もあるので、焦らず仲良くなっていきましょう。
正しい飼い方を身につけて、信頼できるペットショップからお迎えを検討してみてくださいね。
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飼い主の皆さん自身も、もちろんペットもより快適で幸せに暮らすために、ぜひ一度ご覧ください!