キュートな顔立ちにぽてっとした体つきがなんとも癒されるプレーリードッグ。
動物園ではお馴染みの動物ですが、実はペットとしてお迎えできるのです。
本記事では、ペットとしては珍しいプレーリードッグの飼い方を詳しくご紹介。
プレーリードッグがどんな動物なのか、性格や寿命、値段など特徴にも迫ります。
プレーリードッグをお迎えしたい人はもちろん、すでに飼っているという人もぜひチェックしてみてくださいね。
プレーリードッグはペットとして飼育可能
動物園で見かけることが多いプレーリードッグは、実はペットとして飼うことができます。
輸入規制があることから国内繁殖されたプレーリードッグのみが流通しており、ペットショップで出会える機会は少ないです。
レアな動物ではありますが、比較的規模の大きいペットショップであればプレーリードッグに出会える可能性は高め。
お迎えを希望する場合は繁殖期にあたる春頃を中心に、いくつかのペットショップをめぐってプレーリードッグを探すところから始めてみましょう。
プレーリードッグの特徴
プレーリードッグとはどのような特徴をもつ動物なのか、その生態をみていきましょう。
分類 | げっ歯目リス科 |
---|---|
生息地 | 北アメリカの草原地帯 |
大きさ | 体長:約30cm~40cm 体重:約1㎏~2㎏ |
食性 | 草食性 |
性格 | 温厚で社交性が高い |
寿命 | 約7年~8年 |
活動時間帯 | 昼行性 |
値段 | 約30万円~ |
名前に”ドッグ”と付いていますが、実はプレーリードッグはリスの仲間です。
草原地帯(プレーリー)に生息し、キャンキャンという犬に似た鳴き声を発することからその名が付けられました。
大規模な巣穴に集団で生活する動物で、仲間同士でのコミュニケーション能力がとても高いです。
基本的に温厚な性格をしておりお世話がしやすいですが、縄張り意識が強く発情期には攻撃的になる一面があります。
国内繁殖のみで流通量が少ないことから、値段は約30万円以上と小動物の中では高め。
高額な値段ではあるものの、愛らしい表情と癒される仕草からプレーリードッグは高い人気を誇っています。
プレーリードッグの種類
プレーリードッグには以下の5種類が存在します。
種類 | 特徴 |
---|---|
オグロプレーリードッグ | 尾の先が黒い |
オジロプレーリードッグ | 尾の先が白い |
ガニソンプレーリードッグ | アメリカのアリゾナ州やコロラド州に生息している |
メキシコプレーリードッグ | メキシコに生息している |
ユタプレーリードッグ | アメリカのユタ州に生息している |
国内で流通しているのはオグロプレーリードッグがほとんどです。
この中でもメキシコプレーリードッグとユタプレーリードッグは絶滅危惧種に指定されています。
かつてはたくさん生息していたプレーリードッグですが、害獣として扱われるようになったことでその数は激減してしまったのです。
こうした背景から、現在ではプレーリードッグの保護活動が行われています。
輸入規制で販売数が少ない
プレーリードッグはもともと国内流通量が安定していて、ペットとしてポピュラーな小動物でした。
しかし、感染症についての法律が改正されたことで2003年から輸入禁止に。
国内繁殖のみになったことで流通量は低下し、現在では入手が困難な存在となったのです。
プレーリードッグはペットショップで見かける機会が少ないレアな小動物なので、お迎えを決意したら入荷情報をチェックする根気が必要です。
プレーリードッグの値段
プレーリードッグの平均的な値段は約30万円~と高額。
輸入規制されており、国内繁殖のみで流通が少ないことからこのような値段設定になっています。
犬や猫と変わりない値段なので、プレーリードッグのお迎えを検討する場合は、資金面でもしっかり計画を立てておきたいですね。
プレーリードッグの飼育方法
プレーリードッグを飼ううえでおさえておきたい飼育ポイントがいくつか存在します。
正しい飼い方の知識をつけて、プレーリードッグにとって快適な環境を用意してあげましょう。
飼育の注意点についても触れているので、これからお迎えを検討している人はプレーリードッグを迎えられる環境かどうか確認してみてください。
ニオイが強いので注意が必要
プレーリードッグには特有の体臭があるため、犬や猫以上にニオイが気になります。
ストレスを感じることで体臭はきつくなる傾向にあり、トイレも覚えないので排泄物のニオイ対策も必須です。
ニオイがこもらないように、こまめな換気と掃除が求められます。
トラブルを招かないためにも、近隣住民への配慮を忘れないようにしましょう。
なつきやすいが威嚇には注意
最初は警戒心を抱きますが、飼い主のことを仲間と認識するとよくなつきます。
プレーリードッグはもともと家族で集団生活をしている動物なので、社交性が高いです。
なつくと甘えるような仕草をみせることもあり、そのかわいさにますます虜になってしまいます。
基本的に優しい性格をしていますが、縄張りに侵入されたときや発情期の最中は攻撃的に威嚇することもあります。
噛みつかれてケガを負ってしまうことも少なくないので、飼い主のことを警戒しているときや発情中は皮手袋を装着してお世話をすると安全です。
攻撃的な姿勢がみられる場合は、刺激しないようにできるだけそっとしてあげましょう。
適切な室温
プレーリードッグが快適に過ごせる理想的な室温は約20℃~22℃です。
夏は28℃以上、冬は15℃以下になると体調を崩す危険性が高まります。
季節に合わせてエアコンやペットヒーターを使用しながら、健康的に過ごせる室温を保ってあげましょう。
多頭飼いでストレスが軽減する可能性も
一夫多妻制のプレーリードッグは、大家族で生活をしている動物です。
群れで過ごすことを好むため、1匹よりも2匹以上で多頭飼いをしてあげるほうがストレスを感じにくいといわれています。
留守にする時間が長い場合は、多頭飼いにしてあげると寂しい思いをさせず安心して過ごせる可能性が高いです。
プレーリードッグは1匹あたりの値段も高いので、多頭飼いについては不在の時間やプレーリードッグの様子を考慮しながら慎重に検討してみてください。
ケージから出して運動不足にならないように
飼育下でのプレーリードッグは肥満になりやすいといわれています。
ケージの中だけでは運動不足になってしまうので、飼い主やお迎え後の生活に慣れたらケージの外で遊ばせる習慣が必要です。
物をかじる習性があるので、いたずらされて困るものはあらかじめ片付けておき、安心して遊ばせられる環境をつくりましょう。
おもちゃで遊んだり触れ合ったりすることで、運動不足の解消だけでなくストレスの発散にもつながります。
日光浴もさせてあげよう
筋肉や骨の健康維持に欠かせないビタミンDを生成するためには日光浴が欠かせません。
毎日数十分は日光の当たる場所にケージを移して日光浴をさせてあげましょう。
日当たりが悪い場合はペット用の紫外線ライトを時間を決めて活用すると、手軽に日光浴をさせられます。
高所からの落下に気を付ける
ぽてっとした体型でマイペースそうに見えるプレーリードッグですが、意外にも運動量が多く活発に動きます。
高いところにも平気で登ってしまうので、落下してケガをしないように気を付けてください。
ケージの外で遊ばせる場合はできるだけ室内の物を片づけておき、目を離さないよう見守ってあげましょう。
かじり癖に気を付ける
プレーリードッグには前歯が生涯伸び続ける習性があり、気になった物はなんでもかじってしまいます。
かじられたくないものや、電気コードのような事故を招く危険性が高いものは、手の届かないところへ片づけておきましょう。
また、ケージの格子など硬すぎる物を日常的にガジガジしていると歯の病気を引き起こします。
かじりたい欲求を満たせるようにかじり木を与えたり、金属部分をかじれないようにケージの格子部分にアクリル板を設置したりするなど工夫をすることが大切です。
プレーリードッグの飼育に必要なもの
プレーリードッグをお迎えする前に、以下の飼育アイテムを準備しておきましょう。
飼育に必要なもの | 選び方のポイント | 値段の相場 |
---|---|---|
ケージ | 縦60cm×横幅80cm×高さ60cm以上のサイズが理想 大型ウサギ用のケージで代用できる | 約20,000円~ |
エサ | 牧草と専用のペレットを与える 繊維質が豊富なチモシーなどイネ科の牧草が向いている | 約2,000円 |
牧草入れ | たっぷり入れられる大きめサイズが良い | 約1,500円~2,000円 |
エサ入れ | ひっくり返りにくい陶器製がおすすめ 陶器製はお手入れもしやすい | 1,000円前後 |
水入れ | ボトルを設置できるタイプが管理しやすい 300ml以上の容量が望ましい | 1,000円前後 |
隠れ家 | 巣穴で暮らしているプレーリードッグには必須 体がすっぽりと入るサイズ感がベスト | 約2,000円~3,000円 |
床材 | すのことペットシーツの組み合わせがおすすめ 牧草を敷いてもOK | 約1,500円~2,500円 |
おもちゃ | かじることが好きなのでかじり木がおすすめ 歯の伸びすぎ防止にも効果的 | 500円前後~ |
プレーリードッグのお世話に必要なものをすべて揃えると、約28,000円~の値段がかかることが予想されます。
ケージや隠れ家など、ほとんどのアイテムはウサギ用のものを選べば問題なく使えます。
デザインや素材の違いでさまざまな種類が販売されているため、ぜひ選び方のポイントを参考にしてみてください。
おもちゃ以外はお迎えしてからすぐ必要になるアイテムなので、事前にしっかり用意しておきましょう。
エサはペレットや牧草
野生ではイネ科の植物を主食にしているプレーリードッグ。
飼育下の場合はプレーリードッグに適した栄養が摂取できる専用のペレットとイネ科の牧草を与えます。
ペレットは低脂肪で低タンパク、高繊維なものが好ましいです。
牧草は繊維質が豊富で低カロリーなチモシーやオーチャードグラスなどイネ科がおすすめ。
栄養の中心はペレットですが、牧草は好きなだけ食べさせます。
切らしてしまうことがないようにたっぷりと補充してください。
一部の野菜や果物を与えることはできますが、栄養の観点からはペレットと牧草で十分です。
肥満の原因となるため、おやつとして少量をたまに与える程度にとどめましょう。
肥満に注意
運動量が限られる飼育下では肥満になりやすいので注意が必要です。
エサはペレットも牧草も低脂肪で高繊維な栄養バランスのものを与えてあげましょう。
もちろんエサの内容が適していても運動量が少ないと太ってしまうので、毎日ケージの外に出してしっかり体を動かす習慣をつけてください。
肥満は病気やケガのリスクを高めてしまうので、健康的な生活習慣を心掛けて予防をすることが大切です。
ケージ内にはすのこを敷く
プレーリードッグはトイレを覚えないため、排泄は好きなところでしてしまいます。
そのため、ケージの底にすのこを敷いておくと、排泄物が下に落ちるのでプレーリードッグの体が汚れにくいです。
掃除をしやすくするために、ペットシーツの上にすのこを敷くことをおすすめします。
すのこには汚れやニオイが付着しやすいので、こまめに水洗いして清潔に保ちましょう。
定期的なお手入れも
毎日のお手入れは排泄物を取り除いたり床のペットシーツを交換したり、目に見えて汚れているところを掃除します。
月に数回はケージ全体を丁寧に水洗いし、見落としている汚れを除去しましょう。
汚れは放置すると雑菌が繁殖し、ニオイの発生や体調不良を招く原因となってしまいます。
ケージだけでなく、エサ皿や水入れなどの飼育アイテムを定期的に洗浄して、プレーリードッグが快適に過ごせる清潔な飼育環境を目指しましょう。
プレーリードッグのかかりやすい病気
プレーリードッグにはいくつかかかりやすい病気があるため、日ごろから予防を心掛けることが大切です。
特にかかりやすい以下3つの病気には注意が必要です。
- 歯牙腫(しがしゅ)
- 肝疾患
- 自咬症(じこうしょう)
それぞれどんな病気なのかを把握して、日ごろからできる予防方法を知っておきましょう。
プレーリードッグの平均寿命
飼育下におけるプレーリードッグの平均寿命は約7年~8年だといわれています。
長生きする個体だと10年以上生きることもあるようです。
栄養バランスのとれた食事に適度な運動を心掛け、過ごしやすい飼育環境でのお世話で長生きを目指しましょう。
歯牙腫(しがしゅ)
前歯が折れたり歯根に負担がかかったりすることで、歯根部にこぶが形成されてしまう病気です。
通常、プレーリードッグの前歯は生涯伸び続けますが、負荷がかかると伸びるはずだった組織が歯肉から出られなくなり、歯根部で成長し続けてしまうことでこぶになっていまします。
こぶが大きくなると呼吸がしずらくなる、鼻炎を起こす、口を開けにくくなるといった状態に。
鼻水やくしゃみなど鼻の症状が目立つほか、鼻腔が狭くなることでヒュウヒュウといった呼吸音が気になる症状があらわれます。
悪化すると呼吸困難や食欲低下による衰弱で亡くなってしまう恐い病気なので、鼻症状に気が付いたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。
歯牙腫の完治を目指すには抜歯しかないため、日常生活の中で歯に負担がかかる行為をしていないかチェックしてください。
よくあるのはケージをかじる、ケージの格子部分に歯が引っ掛かり折れてしまうケースです。
格子の幅が広いとかじりやすいですし、歯が引っ掛かるリスクが高いです。
ケージは格子の幅が狭いものを選んだり、アクリル板を内側に設置したりしてかじれないように工夫をし、歯牙腫を予防しましょう。
肝疾患
プレーリードッグは肝疾患にかかりやすい傾向にあるといわれています。
肝臓の病気はかなり進行してから異変があらわれることがほとんどのため、気づいたときには重たい症状だったということも少なくありません。
肝疾患の症状は、血尿や皮膚が黄色みがかる黄疸症状、食欲不振、体重減少などです。
できるだけ毎日健康状態を確認し、定期的に健康診断を受けて早期発見することが求められます。
自咬症(じこうしょう)
ストレスが原因で自分自身を傷つけてしまう行為を自咬症(じこうしょう)といいます。
栄養不良や運動不足が原因となるほか、小さな外傷を気にして患部を噛んで悪化させてしまうことも。
プレーリードッグの場合は自咬症をやめさせるのが難しく、患部の保護は困難を極めます。
ケガや病気のリスクが少ない快適な飼育環境の中でお世話をするのが1番の予防方法です。
毎日コミュニケーションをとりながら運動をさせて、適度にストレスを発散させることを心掛けましょう。
まとめ
プレーリードッグは値段が高くなかなか出会えないレアな動物ですが、愛らしい姿からペット人気が集まっています。
お迎えを決意したら近場のペットショップを順に回って、お店にいないかどうかチェックしてみてください。
ニオイが強め、かじり癖があるといったプレーリードッグならではの特徴がいくつかあるため、トラブルに気を付けながら適切なお世話を心掛けましょう。
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