愛らしい表情や活発に動き回る姿が可愛らしいフェレットは、とても人懐っこい性格でペット人気が高いです。
一人暮らしでペットを飼うのはハードルが高く感じますが、そんな人にもフェレットはおすすめ。
フェレットはその飼いやすさから一人暮らしに向いている小動物だといえます。
本記事ではフェレットをお迎えしたい人、一人暮らしでペットを飼いたい人に向けて、フェレットの魅力や特徴、詳しい飼い方をご紹介。
フェレットが一人暮らしでも飼いやすいといわれる理由に迫ります。
そもそもフェレットとは
スカンクやラッコと同じイタチ科に属するフェレット。
スラリとした細長いシルエットが特徴的で、体長は30cm~50cm、体重はオスが1㎏前後でメスが700g前後です。
オスに比べてメスの方が小さめですが、体格はフェレットの種類によって差があります。
本来は夕方から早朝にかけて活発に活動する動物ですが、飼い主の生活に活動時間を合わせることが可能です。
フェレットの魅力
フェレットの最大の魅力は無邪気で明るい性格です。
とてもアクティブで遊ぶことが大好きなフェレットは、何にでも興味を持って楽しそうに遊びます。
生き生きとした表情で無邪気に遊ぶ姿は見ていて飽きません。
フェレットの種類
フェレットにはさまざまな種類が存在し、生まれたファーム(繁殖場)によってそれぞれ性格や体型、被毛の特徴が異なります。
フェレットの飼育初心者には、優しい性格で噛み癖が少ない傾向にあるマーシャルフェレットがおすすめです。
噛み癖のしつけを積極的に行う必要がある種類もいるので、見た目の好みだけでなく性格の傾向も考慮してお迎えを検討しましょう。
細かく分かれていますが、代表的な品種は以下の通りです。
フェレットの種類 | 特徴 |
---|---|
マーシャルフェレット | 国内での流通量が多い個体 小柄でまったりとした優しい性格が多い フェレットの飼育初心者におすすめ |
パスバレーフェレット | 国内での流通量が多い個体 丸い顔つきに活発な性格が特徴的 |
ホールデンフェレット | がっしりとした筋肉質な体格が特徴的 体は大きく噛む力が強い やんちゃな性格傾向なのでしつけが重要 |
マウンテンビューフェレット | 丸顔で普通体型 噛み癖が少ない大人しい性格が多い |
アンゴラフェレット | 長毛種のフェレットの総称 希少種のため生体価格は高め |
ルビーフェレット | 流通量が少ない種類 シュッとした顔つきにがっちりとした体格 |
マグナフェレット | 硬めでやや長めな被毛が特徴 やんちゃな性格だが噛み癖は少ない |
DRF(ドラゴンライズフェレトリー)フェレット | 唯一の国内繁殖フェレット しっかりとした体格 臭腺除去・避妊去勢手術は飼い主が病院に依頼して行う |
フェレットの寿命
フェレットの平均寿命は6年~8年だといわれています。
4歳以降のシニア期になるとフェレット特有の大きな病気を発症しやすい傾向にあるので注意が必要です。
フェレットにとって快適に過ごせる環境を用意し、食事のバランスやストレスに気を付ける飼育を心がけ、長生きを目指しましょう。
フェレットの特徴
フェレットの大きな特徴は、「睡眠時間が長い」「好奇心旺盛で活発」の2点です。
相反するように感じるフェレットの2つの特徴を深掘りしてみましょう。
長い睡眠時間
フェレットの睡眠時間は18時間~20時間と非常に長時間。
1日のほとんどを眠って過ごしますが連続してぐっすりと眠り続けるわけではなく、時折起きて食事をとってからまた眠りにつくようなサイクルです。
たくさん寝てたっぷりと体力を回復しているので、活動時間は目いっぱい遊んで過ごします。
好奇心旺盛で活発に活動する
睡眠時間がとても長いフェレットですが、まとまって起きている時間は全力で遊びます。
好奇心旺盛で探求心が強いため、ケージの外で思いっきり体を動かして遊ばせてあげるとストレス発散に。
コミュニケーションをとれるタイミングでもあるので、一緒にたくさん遊んであげましょう。
フェレットが一人暮らしに向いているポイント
フェレットが一人暮らしにもおすすめなペットである理由は4つあります。
- 鳴き声が気にならない
- 散歩に行く必要がない
- ニオイが控えめ
- ケージで飼育できる
一人暮らしでペットを飼う場合、お世話の時間を確保しづらい、賃貸物件でニオイや鳴き声が気になる、といった不安を感じることが多いはずです。
フェレットにはお世話に手間がかからず、近隣住民へ迷惑がかかりにくいというという魅力があります。
一人暮らしでもペットとしておすすめできる理由について詳しくみていきましょう。
鳴き声も小さく低い声
フェレットの鳴き声は低くてボリュームが小さいです。
アパートやマンションで飼う場合でも、騒音トラブルに発展しにくいというメリットがあります。
飼い主が外出している間は眠って過ごすことがほとんどだと思うので、鳴き声の心配をする必要は少ないです。
散歩に連れ出す必要がない
フェレットは散歩に連れて行く必要がないため、帰りが遅い、忙しい、というような一人暮らしの生活スタイルでも飼いやすいです。
遊ぶことが大好きなフェレットですが、室内で十分運動できるので基本的に散歩は必要ありません。
ただ、散歩に連れて行くこと自体は可能な小動物です。
リードを付けて外に連れ出せる小動物は珍しいため、散歩ができるのはフェレットの魅力の1つだといえます。
フェレットの散歩について以下の記事で注意点などを詳しくまとめているので、気になった人は要チェックです。
部屋の中ではケージから出して遊ばせる必要がある
フェレットの運動量をしっかりと確保するためにも、毎日1時間程度ケージの外で遊ばせてあげましょう。
探求心や好奇心が刺激されますし、広いスペースで体を動かすことは運動不足の解消につながります。
ケージの外で遊ぶ時間は飼い主としっかり触れ合える大切な時間です。
いたずらが心配な場合はサークルで広めに囲ったり、物が少ない部屋で遊ばせると安心できます。
臭いは少なめ
フェレットには臭腺がありますが、ペットショップからお迎えする場合は除去手術が完了しているため、体臭はあまり気になりません。
加えて避妊去勢の手術も済んでいるので、ホルモンの影響で分泌が盛んになる皮脂の発生も抑えられています。
フェレットを飼育するにあたって、近隣住民や賃貸物件に対してニオイの影響は及びにくいはずです。
ただ、フェレットに限ったことではありませんが、動物特有のニオイは少なからずあります。
飼育スペースのこまめな掃除や被毛のケアは必要です。
広いスペースは必要ない
フェレットはケージで飼育するので大きなスペースを確保する必要はありません。
一人暮らしの小さなお部屋でも場所を取らずに飼育することが可能です。
フェレット一匹に対するケージサイズは、横幅と高さが60cm、奥行きは45cmの大きさが理想的。
ケージが置けるスペースがあれば問題なく飼育できます。
フェレットを飼う際の注意点
一人暮らしでも飼いやすいフェレットですが、飼育を始める前に注意しておくポイントが5つあります。
- 初期費用や固定費の把握
- お世話の仕方
- いたずらを防ぐ対策
- 快適に過ごせる室温
- 病気の予防接種
どれもフェレットを飼う上で知っておくべきことばかりです。
それぞれのポイントについてみていきましょう。
費用面
無理なく飼育を続けるためにも、費用の把握はお迎え前にしておくことが大切。
何にいくら必要なのかを知っておくと、飼育が始まった後の家計のやり繰りもスムーズです。
飼育を始めるときに必要な初期費用と、毎月かかる固定費の目安をチェックしておきましょう。
飼う前に掛かる費用
フェレットを飼う際の初期費用は飼育グッズに約30,000円、フェレット自体の価格を約30,000円だとすると、最低でも合計60,000円必要です。
ただし、希少種のフェレットをお迎えしたり、相場より高い飼育グッズを揃えたりする場合は100,000円近くすることも。
初期費用はお迎えするフェレットの種類で大きく差が出るので、あらかじめ相場を確認して計算してみましょう。
毎月掛かる費用
フェレット飼育の毎月の固定費は5,000円以内に収まることが多いです。
消耗品であるエサとトイレ砂が固定費として掛かり、安価なものであればどちらも1,000円前後から手に入ります。
ペット保険に加入する場合は平均して毎月3,000円前後の費用が必要です。
必要なお世話
フェレットに必要なお世話は以下の通りです。
- エサやり
- 掃除
- 遊び
- 被毛のケア
- 爪切り
- 耳掃除
エサは年齢や体型に合わせたフェレット専用のフードを与えましょう。
フェレットには消化管が短いという特徴があるので、消化スピードが3時間程度と非常に早いです。
そのためフードは1日かけてこまめに少しずつ食べるため、いつでも好きなタイミングで食べられるように多めに与えます。
毎日の掃除はトイレ砂の交換とケージ内の拭き取りがメインです。
ニオイや汚れの原因になるので、排泄物は気が付いた時にその都度取り除くようにしてください。
ケージの中だけでは遊び足りずストレスが溜まってしまうので、毎日1時間程度はケージの外に出して遊ばせましょう。
一緒に遊ぶことでコミュニケーションもとれる大事な時間です。
フェレットのお手入れはブラッシング、爪切り、耳掃除を行います。
フェレットは毛づくろいをして被毛を整えますが、体内に入った抜け毛がお腹の中で毛玉になって詰まる恐れがあります。
週に1回~2回程度はブラッシングをして、お腹の中で毛玉が発生することを防ぎましょう。
特に抜け毛が多い春と秋の換毛期はブラッシングの頻度を増やすことをおすすめします。
爪は伸びすぎるとどこかに引っかけてケガをしてしまう恐れがあるので、定期的な爪切りが必要です。
爪が伸びるスピードには個体差があり、爪切りの頻度は2週間や1か月などさまざま。
嫌がってしまい自宅で行うのが難しい場合は動物病院に頼りましょう。
耳が汚れやすいフェレットは、週に1回~2回の頻度を目安に、濡らしたコットンで耳の中を拭き取ります。
入り口の拭き取れる範囲だけで十分ですが、耳のニオイがきつい、汚れが真っ黒でひどいという場合は動物病院で診てもらってください。
隙間に入ったりかじる事への対策
好奇心旺盛で狭い場所を好むフェレットは、ケージの外で遊ばせる際はあらかじめしっかりと対策をしておく必要があります。
入り込める隙間は塞ぎ、かじられる恐れのある家具やコード類は片づけてから遊ばせてください。
誤飲やケガを防ぐためにも、物がない部屋で遊ばせたり、サークルで遊ぶ範囲を限定したりする方法が安全でおすすめです。
部屋の温度
フェレットが過ごしやすい室温は15℃~25℃、湿度は45%~60%だといわれています。
特に寒さに弱い生き物なので、冬の室温確保はもちろんのこと、ケージを毛布で囲ったりペットヒーターを導入したりするような工夫をしてあげましょう。
空調の風が直接当たらないように注意してください。
ワクチン接種をしてあげる
外に連れ出す、同居動物に犬がいるという場合はワクチン接種を強くおすすめします。
犬ジステンパーウイルスという、犬やイタチ科の動物に感染する非常に致死率の高いウイルスへの感染リスクが高いからです。
犬ジステンパーウイルスは、感染している動物との接触や飛沫から感染します。
予防に有効なワクチンがあるので、フェレットを散歩に連れて行く、犬と一緒に暮らしているという場合は予防接種をしておきましょう。
動物病院によってワクチン接種の費用は異なりますが、5,000円前後が相場です。
フェレットを飼う際に必要なもの
フェレットの飼育で揃えておきたい必須グッズについて知っておきましょう。
以下はフェレットをお迎えする前に必要な飼育グッズです。
- ケージ
- ハンモック
- トイレとトイレ砂
- エサとエサ入れ
- 給水ボトル
- ハーネス
- おもちゃ
それぞれの飼育グッズについて、選ぶ際のポイントをご紹介します。
ケージ
1日の大半を過ごすことになるケージは、ゆったりと過ごせるサイズ感が重要です。
最低でも横幅と高さが60cm、奥行きは45cmあるとフェレットが広々と過ごせます。
縦長のタイプよりも、床面積の大きい横長タイプの方がお世話がしやすく過ごしやすいです。
素材や大きさの違いはありますが、10,000円前後が平均的な価格です。
ハンモック
丸まって眠る習性のあるフェレットにとって最適な寝床がハンモックです。
夏用の涼しい素材やもこもことした温かい素材、中に潜り込めるようになっているタイプなど種類が豊富にあります。
汚れたときに交換できるように、2つ~3つ購入しておくと安心です。
フェレットのハンモックは2,500円~3,000円前後で手に入ります。
トイレとトイレ砂
フェレットは隅で排泄する習性があるので、ケージの隅に体がすっぽりと入る四角いトイレを設置します。
フェレット用のトイレが1,000円ほどで販売しているので、専用のものを選べば失敗は少ないです。
トイレの中にはトイレ砂を入れておくことでおしっこを吸収してくれます。
排泄後に砂をかける習性があるため、トイレシーツより砂を選択してあげましょう。
誤飲しても害が少ないおからが主成分のトイレ砂がおすすめです。
数か月持つような大容量タイプもありますが、一般的なサイズの7リットル容量で1,000円前後が相場です。
エサとエサ入れ
フェレットフードはさまざまなメーカーが販売しています。
フェレットは飽きやすかったり偏食になったりする特徴があるため、1種類だけよりも何種類かのフードを混ぜて与える方法がおすすめです。
幼齢用、成体用、シニア用、ダイエット用などラインナップも豊富なので、年齢に合わせた最適なフードを与えます。
肉食動物なので、動物性タンパク質が豊富なフードを選んであげてください。
最初はお迎えした先で与えていたものと同じフードを勧められることが多いです。
価格帯は1,000円~3,000円ほどが一般的ですが、高品質なものではもっと高価なフードもあります。
フードを入れるエサ入れは、やんちゃなフェレットがひっくり返しにくいようにケージに固定できるタイプか、重みのある陶器素材がおすすめ。
エサ入れは1,000円前後で手に入ることが多いです。
フェレットに与えてはいけない食べ物
フェレットに与えてはいけない食品は以下の通りたくさんあります。
- チョコレート
- 牛乳などの乳製品
- エビやカニなどの甲殻類
- ナッツ類
- 長ネギやニンニクなどのネギ類
- 野菜
- 果物
- キシリトール
- コーヒーや緑茶などカフェインが含まれるもの
フェレットは消化が不得意なので、野菜や果物などの繊維が多く含まれる食材はお腹を壊してしまいます。
重篤な中毒症状を引き起こす食材も多数あるため、基本的にはフェレットフードのみ与えてください。
ケージの外で遊ばせる際は、食品の誤飲を防ぐために残飯が入ったゴミ箱には近付けないようにしておきましょう。
給水ボトル
300mlほどのボトルが固定できる小動物用の給水ボトルを用意しましょう。
直接口を付けて飲むタイプや水受けがあるタイプが主流で、1,000円ほどで購入できます。
ハーネス
ハーネスがあれば外へ散歩に連れて行くことが可能です。
フェレット用のハーネスは、リードとセットで1,500円ほどから販売しています。
外を歩かせずに抱っこでお散歩する場合でも、脱走防止のためにハーネスは必ず装着しましょう。
おもちゃ
室内でフェレットが楽しく遊べるおもちゃを用意します。
中をくぐれるトンネルや転がして遊べるボール、ぬいぐるみなどがおすすめです。
おもちゃはそれぞれ数百円から数千円程度で購入できます。
注意点として、噛み心地がやわらかいゴムやスポンジ、シリコンのような素材はかじって誤飲する可能性が高いため避けてください。
おもちゃの大きさも飲み込んでしまう恐れがないように、フェレットの口より大きいサイズを選びます。
安全性に考慮して、お気に入りのおもちゃを見つけてあげましょう。
フェレットは多頭飼い出来る?
フェレットは多頭飼いができる小動物で、お互いの相性が良ければ一緒にくっついて眠ったり仲良く遊んだりします。
性格の傾向からオス同士かオスとメスの組み合わせが上手くいきやすく、お互いに幼齢期であれば良き遊び相手となるため仲良くなりやすいです。
フェレットの場合はできるだけ年齢が近く、穏やかな性格傾向である種類が多頭飼いに向いています。
相性の良し悪しは実際に対面させてみるまでは分からないので、性格、年齢、性別をしっかりと考慮してお迎えを検討しましょう。
まとめ
ニオイが少なくお世話の手間も少ないフェレットは、一人暮らしで飼うのに最適なペットです。
元気に遊ぶ姿や気持ちよさそうに眠る姿など、さまざまな表情や仕草に癒されます。
お迎えする際はフェレットの飼い方をしっかりと予習して、快適に暮らせるように準備してあげましょう。
様々な小動物を飼ってきた私が、もっと気軽に小動物の飼い主同士がやり取り出来たり、落ち着くコミュニティだったり、悩んだ時に質問しあえる環境が欲しくてサービスを提供しています!
飼い主の皆さん自身も、もちろんペットもより快適で幸せに暮らすために、ぜひ一度ご覧ください!