トゲトゲとした背中の針と守りたくなるようなかわいらしさが特徴的なハリネズミ。
ハリネズミカフェやハリネズミをモチーフにしたグッズも増加し、人気に拍車がかかっています。
かわいい小動物としてハリネズミを認識している人はいるものの、飼育にいくら掛かるのか、どんな動物なのか詳しく知らない人は多いはずです。
本記事では、ハリネズミをお迎えしたいという人に向けて、ハリネズミの値段や飼育に必要なもの、お迎え前の注意点をご紹介。
生態についても触れているので、ハリネズミに興味がある人は必見の内容です。
ハリネズミの基本情報
ハリネズミをお迎えする前に、どんな動物なのか生態を知っておきましょう。
生息地 | ヨーロッパ・アフリカ・インド・ロシアなど世界中に広く分布 |
---|---|
体長 | 約14cm~20cm |
体重 | 500g前後 |
性格 | 警戒心が強く臆病 |
寿命 | 約5年~10年 |
活動の時間帯 | 夜行性 |
ハリネズミの大きさは、14cm~20cmほどと個体によって差があります。
手のひらに近いサイズ感ですが体重は意外にもずっしりとした重みがあり、大きい子だと700g近くまで成長することも。
とても臆病な性格をしているため、慣れてくれるまでには時間がかかります。
きちんと段階を踏めば仲良くなることはでき、ニオイや声を頼りに少しずつ飼い主を認識するようになるはずです。
なつく度合いは個体差がありますが、抱っこさせてくれたりお腹を撫でさせてくれたりすることも。
お迎えしてから日が浅いうちはなるべくそっとしておき、お世話の際に驚かせないように注意してください。
ハリネズミの飼育下での寿命は約5年~10年と幅があり、飼育環境や食事の内容が大きく影響します。
10年以上生きた例があるともいわれているので、ハリネズミが病気やケガなく快適に過ごせるようにケアしてあげましょう。
夜行性であるハリネズミは夜の遅い時間帯に活動し、日中は眠って過ごします。
慣れてくると飼い主の生活時間帯に寄ってくることもありますが、お世話はできるだけ夜にし、生活サイクルを維持してあげてください。
ハリネズミは鳴き声が小さい、体臭がほとんど気にならない、飼育が簡単などという理由から飼いやすい動物として人気です。
お迎えしたら、眺めているだけで癒されるキュートな見た目や仕草の虜になってしまうはずです。
ハリネズミの値段、販売価格
ハリネズミの値段はカラーによって差があります。
値段はペットショップごとに多少の違いはありますが、人気カラーの値段相場はこちらです。
スタンダード(ソルト&ペッパー) | 約5,000円~25,000円 |
---|---|
シナモン | 約5,000円~25,000円 |
シニコット | 約15,000円~30,000円 |
アプリコット | 約15,000円~30,000円 |
アルビノ | 15,000円~30,000円 |
パイド | 30,000円~50,000円 |
カラーの評価によって値段に大きく幅がありますが、メジャーであるスタンダードやシナモンは10,000円以下の値段でお迎えできることもあります。
ハリネズミのカラーの中でも希少性が高いのがパイドで、最低でも30,000円からの値段と高額です。
それぞれのカラーをペットショップなどで実際に見ながらお迎えしたい子を決めましょう。
ハリネズミのカラー
カラーバリエーションが豊富なハリネズミは、カラーによって変わる雰囲気を楽しめます。
特に人気が高い6種類のカラーの特徴は以下の通りです。
スタンダード (ソルト&ペッパー) | ポピュラーでほかのカラーに比べて安価にお迎えできる 白い針に帯状に黒または茶色がはいっている 目と皮膚は黒く、鼻先が黒に近い茶色 |
---|---|
シナモン | 白い針に明るめの茶色が帯状にはいっている 鼻先と皮膚は薄いピンク色 |
シニコット | 白い針に薄い茶色がはいっている 全体的にシナモンよりもやや濃い目の色味をしている |
アプリコット | 白い針に淡い茶色がはいっており全体的に白っぽい 皮膚と鼻先がピンク色で目は赤い |
アルビノ | 色素がないので真っ白の針に覆われている 皮膚と鼻先はピンク色、目は赤色 |
パイド | ツートンカラーを意味する 上半身と下半身できっぱり色が分かれていたり、不規則にぶち模様があったりと多様 |
白と茶色を中心とした色合いが柔らかい雰囲気を感じさせることから人気です。
色味の美しさによってそれぞれ値段が決まります。
どのカラーも魅力的なので、実際に目で見てカラーによる雰囲気の違いを確認してみてください。
日本で飼えるのはヨツユビハリネズミのみ
ハリネズミには何種類か存在しますが、日本でペットとしての飼育が認められているのはヨツユビハリネズミだけです。
ヨツユビハリネズミは後肢の指が4本であるという特徴があります。
マンシュウハリネズミやナミハリネズミといったほかの種類は、日本の生態系に悪い影響を及ぼす特定外来生物に指定されているため飼育はできません。
外に逃げだしたハリネズミが野生化して日本の環境に定着し、もともとの生態系が崩れてしまう事例があったためです。
どの動物にも言えることですが、ペットをお迎えする場合は飼い主としての責任をもってきちんとお世話や管理をすることが求められます。
ハリネズミを購入する際の注意点
その人気からほとんどのペットショップで見かけることが多いハリネズミですが、お迎えの際はチェックしておきたい注意点があります。
- 通信販売でのお迎えはNG
- オスとメスを一緒のケージで展示していないか確認する
- 気温差が少ない気候の良い時期のお迎えする
- 初めてのお迎えの場合、里親制度は利用しにくい
- ハリネズミの診察ができる動物病院を見つけておく
お迎え後のトラブルを回避するためにも、上記5つのポイントは事前におさえておくことが大切です。
それぞれの注意点について詳しくみていきましょう。
ハリネズミを通信販売でお迎えするのはNG
ペットのお迎えは対面での販売が法律で義務付けられています。
取り扱っている動物を紹介しているサイトはいくつか存在しますが、ネット購入はできません。
ネットからの購入を良しとしているサイトは悪徳な業者である可能性が非常に高いです。
必ず現地まで足を運び、スタッフからの説明を受けて直接引き渡しを受ける必要があります。
写真や動画で見るのと実際目にするのとでは印象が大きく変わります。
その個体を本当に飼育できるのか、という部分を確かめる目的としても直接見てから説明を受けて判断することが大切です。
オスメスが一緒のケージに入れられていないか
オスとメスが同じケージで展示されていると、仮にメスをお迎えした場合に妊娠している可能性が高いです。
ハリネズミは性成熟が早く、実際にメスのハリネズミを飼い始めてから妊娠が発覚し、出産をしてしまったというケースは存在します。
妊娠しているメスのお迎えを避けるためにも、性別でケージを分けて飼育されているかどうかを確認してください。
なるべく気温差が無い時期を選ぶ
温度変化に敏感なハリネズミにとって、夏や冬のような気温が体に大きく影響する時期のお迎えは負担がかかります。
新しい環境で今まで以上にストレスがかかる状態なので、体調を崩してしまう可能性が高いです。
お迎えする時期は気温差の少ない春や秋ごろがおすすめ。
ハリネズミが健康を保って新しい環境に馴染めるように、お迎えする時期には気を配りましょう。
初めてお迎えする場合は里親制度は不可の場合が多い
ハリネズミのお迎え方法として里親になる手段がありますが、飼育が初めての場合は里親制度を利用できない場合があります。
募集先によって譲渡の条件が違いますが、ハリネズミの飼育は徹底した温湿度管理が求められることから、経験者に任せたいという傾向が強いです。
里親募集は責任をもって飼育できるかという点を特に重要視しているので、ハリネズミの飼育経験がない場合は断られる可能性が高いといえます。
里親制度を利用してお迎えしたい場合は、募集先の条件に当てはまるかどうかをチェックしてから問い合わせてみましょう。
事前に動物病院を探しておく
小動物の診察を断っている動物病院もあるので、近隣にハリネズミを診てくれる動物病院をあらかじめ見つけておきましょう。
何かあったときにいつでも連れて行けるように、診察可能の動物病院があるか把握しておくことが重要です。
ハリネズミの飼育をするのにかかる費用
ハリネズミのお世話でお金が大きくかかるタイミングはハリネズミのお迎え前。
飼育に必要なアイテムを一気にそろえるため、まとまった金額が必要です。
何が必要でそれぞれ値段はいくらなのか、飼育アイテム以外で発生する費用はあるのか、以下にまとめてみたので参考にしてください。
飼育に必要なもの | 値段相場 |
---|---|
ケージ | 約10,000~20,000円 |
床材 | 約1,000円~1,500円 |
巣箱 | 約3,000円~5,000円 |
回し車 | 約3,000円~8,000円 |
エサ | 約1,000円~2,000円 |
おやつ | 500円前後 |
エサ入れ | 500円~1,000円 |
給水ボトル | 約1,000円~2,000円 |
温湿度計 | 約1,000円 |
パネルヒーター | 約3,000円~6,000円 |
病院代 | 約1,000円~(診察内容で変動する) |
飼育アイテムだけの合計は24,000円で、そこにハリネズミの生体価格が加わると初期費用は最低でも30,000円はかかるはずです。
飼育アイテムの質やお迎えするハリネズミのカラーによって値段が大きく上がることもあります。
また、体調を崩してしまったときは動物病院での診察が必要です。
その際は診察内容に応じて費用が発生します。
お世話にかかる値段をしっかりと考慮した上で、ハリネズミのお迎えを検討しましょう。
それぞれどんな飼育アイテムがハリネズミに最適なのか、病院代の目安はいくらなのか、詳しくご紹介していきます。
ケージ
ハリネズミのケージは中で動き回れるように、幅が約60cm以上の大きさを選びましょう。
床面積が大きいと運動不足による肥満につながりにくいです。
周囲が格子状になっているワイヤーケージ、全面が透明なアクリルや水槽のケージが主流です。
十分な広さを確保できる衣装ケースに空気穴を開けてケージとして代用する人もいます。
いくつかの飼育アイテムがセットになっているお得なケージも人気です。
ワイヤーケージ
比較的安価に手に入るのはワイヤーケージで、サイズによって差はありますが10,000円前後の値段で販売されています。
通気性が良いため夏は湿気がこもりにくいというメリットがある一方で、冬は保温のための対策が欠かせません。
ワイヤーケージは軽くて持ち運びがしやすいという特徴があります。
アクリル・水槽ケージ
全面が透明なのでハリネズミの様子を観察しやすいという特徴があります。
アクリル製は軽くて扱いやすく、水槽はずっしりとした重量感で丈夫です。
どちらも面で囲われているので保温性に優れており、特に寒冷地に住んでいる人におすすめ。
逆を言えば夏はケージ内の温度が上昇しやすく湿気がこもるので、空調を使って上手く温度調整してあげる必要があります。
床材
保温や除湿の効果がある床材は、材質別で複数種類販売されています。
ハリネズミはトイレを覚えないので、排泄物で汚れる床材は吸湿性に優れている素材が最適です。
おすすめなのはトウモロコシの穂軸を砕いた「コーンリター」やクルミの殻を原料とした「クルミリター」、「紙製」の3種類。
吸湿性を発揮するのに加え、消臭効果がありホコリが出にくいので扱いやすいです。
パインやシダーなど木製の床材はアレルギーを発症しやすいことから、ハリネズミへの床材には適していません。
ペットシーツを床材に使用する人もいますが、破いていたずらをされる可能性が高いです。
床材の下にペットシーツや新聞紙を敷いておくと、ケージの床面が汚れにくくなり衛生的です。
最低でも週に1回は床材を全て交換し、ダニの発生を防ぎましょう。
巣箱
ハリネズミがリラックスして過ごすために、巣箱は必要不可欠なアイテムです。
巣箱は汚れのお手入れがしやすい陶器製か、ナチュラルな雰囲気がかわいい木製が多く出回っています。
上に登って遊べる木製は運動不足を解消できるためおすすめです。
回し車
のんびりとしたイメージを抱かれがちなハリネズミですが、野生ではエサを求めて数キロ移動するほど運動量が豊富です。
運動不足による肥満やストレスを防止するために回し車を設置しましょう。
音が気になりにくい静音タイプがおすすめです。
ご飯、おやつ
ハリネズミのエサは必要な栄養がバランス良く配合されているハリネズミ専用のフードを与えます。
高タンパクで低脂肪なバランスが好ましく、基本的には硬さのあるドライタイプが口腔内の健康維持にも適しています。
ただ、硬すぎると歯に負担がかかるため、食べにくそうであればお湯でふやかして与えてあげましょう。
ハリネズミは昆虫を中心に植物や果実までさまざまなものを食べますが、肉食性が強いのでボイルした卵や鶏肉を専用フードにトッピングするのもおすすめ。
昆虫食であるミルワームを好物とするハリネズミが多いので、おやつとしてたまに与えてあげると喜ぶはずです。
エサ入れ、給水ボトル
ハリネズミのエサ入れは陶器製のタイプが重みがありひっくり返されにくいのでおすすめです。
陶器製は汚れが付着しても洗いやすいというメリットがあります。
ふちに返しがついているとエサの中身が外にこぼれにくいです。
給水ボトルは置き型タイプと壁面に取り付けるボトルタイプが主流。
置き型は自然な姿勢で飲みやすいですが、飲み口に床材などの汚れが入ることがあります。
ボトルタイプは壁面に浮かして設置するため、ケージ内のスペースを圧迫しません。
どちらも使い勝手は良いので、ケージに合うタイプを選んであげましょう。
温湿度計
気温が高く乾燥した場所に生息しているハリネズミが飼育下で快適に過ごすには、温度と湿度の管理が非常に大切です。
ケージの中に温湿度計を設置して、いつでも飼育環境の状態を確認できるようにしましょう。
アナログタイプは手ごろな値段で、デジタルタイプは温度と湿度が一目で分かりやすいです。
ハリネズミの飼育に温度、湿度管理は必須
乾燥地帯の温暖な気候を好むハリネズミにとって、高温多湿な日本の環境は苦手です。
飼育ケージの中はハリネズミにとって最適の温度と湿度を維持してください。
温度は24℃~29℃、湿度は40%ほどが望ましいです。
夏は室内の空調で涼しくしながら通気性を保ち、冬はペットヒーターを活用して保温することを心掛けましょう。
パネルヒーター
ハリネズミが冬の寒さから身を守れるように、床面から暖められるパネルヒーターを用意しておきましょう。
ハリネズミが自分で体温調節できるように、パネルヒーターのサイズはケージの1/3または1/4ほどで問題ありません。
巣箱の下に設置してあげると保温効果がより高まります。
病気になった際の治療費
ハリネズミが体調を崩してしまった際には動物病院での治療費が発生します。
値段は病院によって異なりますが、診察料は1回で1,000円ほどであることが多いです。
初診で来院し簡単な検査と薬の処方があったとすると、3,000円~5,000円の値段がかかることが予想されます。
血液検査やレントゲンを必要とする場合は、10,000円以上の値段になることも。
体の状態によっては通院を必要とするケースもあるため、病院代はある程度まとまった金額が必要だと思っておきましょう。
ハリネズミの平均寿命
飼育下のハリネズミの平均寿命は約5年~10年だといわれています。
臆病な性格傾向からストレスが体調の変化に大きく関わるため、快適に過ごせる飼育環境を用意してあげることが大切です。
かかりやすい病気もいくつかあるので、普段からハリネズミの様子を観察して異変に気が付けるようにしておくことが求められます。
10年以上生きた個体もいるといわれているため、愛情のこもったお世話で長生きを目指しましょう。
ハリネズミがかかりやすい病気
ハリネズミには三大疾病といわれているかかりやすい病気が存在します。
- ダニ症
- 腫瘍
- 歯周病
上記はハリネズミに高頻度でみられる病気です。
健康を維持するためにも、ハリネズミがかかりやすい病気を知って予防を心掛けましょう。
ダニ症
「ダニ症」とはその名の通り、ヒゼンダニという種類のダニが感染することで発症する皮膚病です。
症状は針の生え際にかさぶたに似たフケがあらわれ、悪化すると針が抜け落ちてしまいます。
駆虫薬で改善し、感染が分かったらケージ全体を消毒して再感染を防ぐ必要があります。
ダニ症はほかのハリネズミから感染して発症するため、お迎え後は特に皮膚の状態に注意しておきましょう。
腫瘍
腫瘍は体に害のない良性とガンとも呼ばれる悪性に分かれます。
3歳以降のシニア期で発症しやすく、体にしこりや腫れがあらわれるのが特徴です。
体重の減少や食欲の低下、お腹の不調といった体調の変化がみられます。
手術で腫瘍を取り除いたり、抗がん剤の投与をしたりすることで回復が見込めるため、早期の発見と治療が重要な病気です。
歯周病
歯周病は歯茎の衰えや抵抗力の低下があらわれる、高齢のハリネズミが発症しやすい病気です。
歯茎の腫れがあったり、口臭が気になる場合は歯周病を疑いましょう。
歯の汚れから細菌が繁殖することで発症し、悪化すると菌が全身にまわって各臓器に悪影響を及ぼします。
歯周病は抗生剤を投与して歯石を取り除くことで改善が期待できる病気です。
普段から歯の汚れが付着しにくいドライフードを与え、かじって遊ぶおもちゃで予防をすることが求められます。
まとめ
ハリネズミはカラーによって値段に違いがあるため、予算を考慮してお迎えしたい子を選んでみてください。
ペットショップやブリーダーのもとに足を運び、直接説明を受けて自分の目でしっかりと確かめてからお迎えを決めることが大切です。
あらかじめ飼育に必要なものを揃えておき、気候の良いタイミングでお迎えをしてあげましょう。
様々な小動物を飼ってきた私が、もっと気軽に小動物の飼い主同士がやり取り出来たり、落ち着くコミュニティだったり、悩んだ時に質問しあえる環境が欲しくてサービスを提供しています!
飼い主の皆さん自身も、もちろんペットもより快適で幸せに暮らすために、ぜひ一度ご覧ください!