頬にたっぷりとエサを詰め込む仕草でお馴染みのシマリス。
ペットとしてお迎えできる愛らしい小動物ですが、シマリスの細かい特徴についてご存じでしょうか。
本記事ではシマリスの性格や寿命などの特徴から飼い方までご紹介。
これからシマリスをペットにお迎えする人は必見の内容です。
シマリスについて知りたい!という気持ちがある人はぜひ参考にしてくださいね。
シマリスとは
分類 | げっ歯目 リス科 シマリス属 |
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大きさ | 体長:15cm前後 体重:約90g~130g |
性格 | 警戒心が強い、活発 |
食性 | 草食傾向が強い雑食性 |
活動時間帯 | 昼行性 |
寿命 | 約6年~10年 |
値段 | 約5,000円~10,000円 |
シマリスをペットにお迎えする前に、まずはどんな特徴をもつ小動物なのかを知っておきましょう。
ネズミの仲間であるシマリスは、頭からお尻にかけて黒い縞模様が走っているのが特徴的です。
ふわふわとした尾は胴体と同じくらいの長さで、木登りする際に上手くバランスをとるために役立ちます。
基本的な性格は活発で好奇心旺盛ですが、飼育下でも野生的な部分が残る傾向にあり警戒心は強め。
慣れてもらうまでにまとまった時間が必要で、スキンシップは難しいことが多いです。
シマリスは個体による性格差を感じやすい小動物なので、甘えん坊・マイペース・臆病・神経質などその子によってさまざま。
甘える気質が強いシマリスの場合は、問題なくスキンシップができることもあります。
母性をくすぐるような愛らしい仕草にキュートな見た目、お世話が難しくない飼いやすさがシマリスの魅力です。
リスの種類
リスは世界各国に生息しており、その種類は285種と非常に豊富です。
木の上を中心に生活している「樹上性」と、地面での生活が基本の「ジリス」に分かれます。
シマリスの場合は地上と木の上の両方で生活をすることから「半樹上性」に分類されます。
数多く存在するリスの中でもペット人気が高いのは以下の5種類です。
シマリス | リスの中でペットとしてメジャーな種類 運動量が豊富で活発に動き回る |
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プレーリードッグ | 穏やかな性格でなつきやすい 流通量が非常に少ないので生体価格が高額 |
リチャードソンジリス | よく似ていることから小型のプレーリードッグともいわれる 警戒心が強いためなつくのに時間がかかる |
コロンビアジリス | 中型のジリスでまんまるのお尻がチャームポイント 人に慣れにくいのでペットとしては上級者向き |
バナナリス | 東南アジアに生息しているリス バナナを含む果物が好物なことからその名がついている |
国内ではシマリス・プレーリードッグ・リチャードソンジリスがペットとして主流で、名前を知っているという人も多いのではないでしょうか。
コロンビアジリスとバナナリスは少々変わり種で、大型のペットショップでないとほとんど出会えません。
リスというと小さな姿を思い浮かべますが、体長が30cmを超える中型のリスもかわいらしいです。
シマリス以外のリスも魅力たっぷりなので、ぜひ注目してみてくださいね。
シマリスの寿命
シマリスの飼育下での寿命は約6年~10年だといわれています。
上手にお世話をすれば10年近くまで長生きしてくれることもあるため、病気やストレスに注意しながら育ててあげましょう。
適切な飼育環境はもちろん、体に異変が起きていないか観察することも大切です。
シマリスはなつく?
シマリスは警戒心が強いのでどちらかといえばなつきにくく、仲良くなるまでに時間がかかります。
性格によってなつき度合いは左右される傾向にあり、甘えん坊で触れ合えるくらいになつくこともあれば、臆病でなかなか心を開いてくれないことも。
お迎え後の新しい環境に慣れてきたら、手からエサを与えるなどなつかれる工夫をしてみましょう。
ベビーからお迎えするとなつきやすいですが、まだまだ体が弱いのでお世話は上級者向きです。
比較的なつく傾向にある個体をお迎えしたいのであれば、生後半年頃のシマリスが向いています。
シマリスの野生下での生態
野生のシマリスは「半樹上性」といって、木の上と地上の両方で生活します。
巣穴は地上の岩場や地面の中に作り、寒さが厳しくなる季節は冬眠をして春が来るのを待ちます。
草食寄りではあるものの、木の実・キノコ・種子・果実・昆虫などなんでも食べる雑食性。
見つけた食べ物は巣穴に持ち帰ったりあちこち土の中に隠したりする習性があり、身の危険が少ない安全な場所で食事をします。
シマリスの特徴でもある頬袋は、一度にたくさんのエサを運んだり食べ残しをとっておいたりするのに活躍しているのです。
野生では春から秋にかけて繁殖期を迎え、この時期のオスは気が立つことから攻撃的に。
メスは30日の妊娠期間を経て2頭~10頭を出産します。
野生下のシマリスには天敵が多く、小さな体で過酷な環境を必死に生き延びています。
シマリスの値段
シマリスの値段は約5,000円~10,000円が平均的な相場です。
月齢が若いほど高額で、性別や種類、ペットショップの値段設定が関係していることもあります。
お迎えする際は複数の店舗で値段を比較してみてください。
初心者は生後半年以降の個体がおすすめ
生後1~2か月頃のベビーからお迎えするとよくなつきますが、お世話の難易度が高いので注意が必要です。
ベビー個体は体の免疫が安定しておらず、環境の変化に順応する力が弱いです。
温度管理が非常に重要な時期で、一定の適した室温を保ってあげないとすぐに体調を崩してしまいます。
シマリスのお世話が初めての人におすすめなのは生後半年以降の個体です。
体の機能が十分発達してくる時期で、初心者でも育てやすい傾向にあります。
ペットショップでの過ごし方にもよりますが、1歳以降になると警戒心が高まってきます。
お世話しやすくなつきやすい個体を希望するなら、生後半年頃のシマリスを探してみましょう。
シマリスの飼育に必要なものと費用
シマリスをペットに迎える前に、お世話に必要な以下のアイテムを揃えておきましょう。
シマリスのお世話に必要なもの | 値段相場 |
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ケージ | 約10,000円~20,000円 |
床材 | 1,000円前後 |
トイレ | 約1,000円~1,500円 |
トイレ砂 | 1,000円前後 |
エサ | 1,000円~2,000円 |
エサ入れ | 約500円~1,000円 |
巣箱 | 1,000円~2,000円 |
給水ボトル | 1,000円前後 |
ヒーター | 約3,000円~5,000円 |
かじり木 | 約500円~1,000円 |
止まり木 | 1,000円前後 |
おもちゃ | 1,000円~ |
シマリスのお世話に必要なものを揃えると、約22,000円~37,500円が費用相場であることが予想されます。
シマリスの生体費用を加算すると、初期費用は30,000円~50,000円ほど用意しておくと安心できそうです。
各飼育アイテムは使い勝手やシマリスの快適性を考えて選ぶことが大切です。
それぞれ選び方のポイントとおすすめのアイテムをご紹介していくので、お迎えの準備を進める際は参考にしてください。
ケージ
半樹上性で地上でも木の上でも活動するシマリスには、広さと高さが確保されたケージが向いています。
具体的なサイズの目安は幅・奥行きは40cm以上、高さは60cm以上のケージが好ましいです。
広すぎても問題はありませんが、ケージを設置するスペースや掃除のしやすさを考慮しましょう。
網目部分の間隔が大きいと脚を引っかけてケガをしたり、ガジガジとかじって歯を痛めたりする恐れがあります。
ケガのリスクを減らすためにも、できるだけ網目の間隔が狭いものを選んでください。
床材
床材はクッション・保温・消臭などの効果があります。
木くずや牧草などの天然素材が安価で手に入りやすく、シマリスの体にも優しいです。
紙製のペーパーチップや機能性に優れた植物性の床材もあり種類が豊富です。
使い勝手を確認しながらお気に入りの床材を見つけてみましょう。
トイレ、トイレ砂
シマリスは同じ場所で排泄する習慣があるので、トイレを用意しておくと掃除がしやすくなる可能性があります。
トイレの中にはトイレ砂を入れておけば、排泄物を吸収してニオイを抑える効果が期待できます。
しかし、個体によっては固形のトイレ砂に興味をもってかじってしまうことがあるので、その場合はペットシーツを活用してみましょう。
なるべく角に設置する
排泄は角でする習性があるので、トイレはケージの四隅のどこかに設置するのがベストです。
最初からトイレでするケースもあれば、別の場所でしてしまうこともあります。
その場合はしばらく様子をみて、排泄する場所が定まってきてからトイレを設置すると定着しやすいです。
餌、餌入れ
シマリスにはリスやハムスター専用のフードを与えます。
フードをしっかりと食べれていればほかに追加で与える必要はありませんが、草食寄りの雑食性であることから野生では昆虫も食べています。
飼育下ではおやつ感覚で、お肉や昆虫などの動物性タンパク質をときどき食べさせてもOKです。
エサ入れは軽いとひっくり返して中身が散らかってしまうので、重量のある陶器製の小皿を選びましょう。
巣箱
シマリスは野生では地中の巣穴で生活していることから、飼育ケージの中にはすっぽりと身を隠して過ごせる巣箱を用意します。
巣箱はプラスチック製・陶器製・木製と種類がありますが、自然素材である木製は通気性が良くリラックス効果があるためおすすめです。
ただ、かじられてボロボロになってしまう可能性があるので、気になる場合は丈夫な陶器製を選んでみてください。
プラスチック製は安価なのがメリットですが、割れや変形が起こりやすいので要注意です。
給水ボトル
給水ボトルは水を散らかす心配がないボトルタイプがおすすめです。
ボトル部分はケージの外側に固定されるので、水を散らかす心配がなくケージのスペースを圧迫しません。
お皿に入れて与えたい場合は、ひっくり返されにくい重みのある陶器製を選びましょう。
ヒーター
野生では冬眠して冬を越しますが、飼育下では室温が保たれるため、冬眠は必要ありません。
ペットのシマリスが冬眠をすると命を落とすリスクが非常に高いので、冬はペットヒーターを活用して冬眠をさせないように保温対策をしましょう。
ペットヒーターは、ケージに設置する電球タイプと床に敷くパネルタイプが主流です。
ケージの広さや設置場所に合わせて選んでみてください。
かじり木
前歯が伸び続ける習性があるシマリスは、食事や物をかじることで歯の長さのバランスが保たれます。
前歯を削る目的やかじりたい欲求を満たしてあげるためにかじり木を用意しておきましょう。
外に落ちている木は衛生的ではないので、市販のかじり木を購入してくださいね。
止まり木
シマリスがケージの中で上下運動するために必要なのが止まり木です。
野生本来の動きを促すことができ、運動量を確保する効果があるので必ず設置しましょう。
表面が加工されていない止まり木のほうがつかまりやすいのでおすすめです。
おもちゃ
シマリスは1日のほとんどをケージの中で過ごすため、ストレスを発散させてあげる必要があります。
ケージの中でも退屈にならないようにおもちゃを設置してあげましょう。
登って遊ぶはしごやハンモック、ケージの中でも運動できる回し車などがおすすめです。
シマリスの飼育方法
初心者でもお世話がしやすいとされているシマリスですが、実際はどのように飼育するのか気になります。
基本のお世話であるエサやりと掃除の方法に加えて、シマリスならではの飼育ポイントをご紹介していきます。
エサの与え方
シマリスのエサは朝と夕方の2回に分けて与えます。
夕方のエサはタイミングが遅すぎると眠ってしまうことがあるため、シマリスの活動時間を考慮して早めに与えましょう。
エサの1日量はシマリスの体重の10%~15%が目安とされていますが、最初はフードの裏面に記載されている量をまずは与えてみてください。
もしも食べ残しがあれば少し減らし、個体に合うエサの量に調整します。
シマリスの習性で、エサを巣箱に持ち込んだり床材の下に隠したりして貯め込むことがあります。
好きなタイミングでいずれ食べるので、片付けずにそのままにしておきましょう。
幼体の場合
シマリスをベビーから育てる場合は、ペットショップで与えられていたエサを同じように食べさせます。
生後3週~1ヶ月半になるまでは、お店と同じ内容の離乳食とミルクを与えましょう。
この時期は免疫が弱く体調を崩しやすいため、離乳食やミルクのほかにも高カロリーの栄養補助食を与えることもあります。
お迎えの際にベビーの食事内容と与え方をしっかりと確認してください。
ベビーは消化機能や内臓が十分に発達していないので、固形物に慣らし始めるのは生後2か月以降が目安となります。
なるべくストレスを避ける
どんなペットでも、ストレスの少ない環境で過ごすことが健康維持には欠かせません。
ストレスを溜めさせないためには、正しい栄養バランス、清潔な飼育環境、過ごしやすい室温、適度な運動が求められます。
また、シマリスには繊細な一面があるため、大きな音や過度なスキンシップもストレスの原因となるためNGです。
ほかの動物を飼っている場合は、できるだけ別々の部屋で飼育してあげてください。
ストレスの少ない生活は病気の予防につながるので、過ごしやすい環境の中で基本のお世話をしてあげましょう。
定期的にケージから出してあげる
シマリスは活発で運動量が豊富な小動物です。
飼育ケージの中だけでなく、ケージの外に出して遊ばせると十分に体を動かせるのでストレス発散につながります。
お迎え後の環境と飼い主に慣れたら、毎日決まった時間に数分ほど遊ばせてみましょう。
ただし、ケージの外で遊ばせる際は以下の点に注意してください。
- 室内の戸締りをしてから遊ばせる
- かじられて危険なものは片付けておく
- 長時間遊ばせすぎない
- 目を離さない
- シマリスの警戒心が強い時期は控える
遊んでいる最中の事故を防ぐためにも、事前の戸締りと物の片付けをしっかりと行い、目を離さないよう注意してください。
警戒心が強い時期はかえってストレスになってしまうので、飼い主との信頼関係が築けてから外遊びを試してみましょう。
ケージ内の掃除
汚れは放置すると雑菌が繁殖して病気を招くため、食べ残しや排泄物の掃除は毎日行います。
毎日こまめに掃除をすると悪臭の発生も防げるのでとっても衛生的です。
1週間~2週間に1回のペースでケージ全体を水洗いできると清潔さを保つことができます。
見落としがちな巣箱の中には食べ物を貯蓄していることがあるため、傷んでいるエサがあれば定期的に取り除きましょう。
せっかく貯めたエサが毎回なくなってしまうとシマリスが不安に思うので、巣箱の中は時々の確認で大丈夫です。
タイガー期に注意
シマリスには「タイガー期」といって、冬眠の準備を始める秋頃から冬眠前にかけて攻撃的なる時期があります。
タイガー期は冬眠に向けてエサの確保を行う時期で、貯蔵したエサを守ろうと縄張り意識が高まるのです。
野生のシマリスにとって冬眠による越冬は命を懸ける行為なので、普段より攻撃的になってしまうのもうなずけます。
飼育下では室温管理がされるため冬眠は必要ないですが、本能的に秋以降は凶暴になることがあります。
タイガー期を迎えたシマリスには最低限のお世話にとどめ、できるだけ刺激をせずそっと見守ってあげましょう。
シマリスのかかりやすい病気を理解する
普段は活発で元気いっぱいなシマリスですが、かかりやすい病気がいくつかあります。
以下の4つはシマリスでよくみられる病気なので、どんな症状が起こるのか把握して予防に役立てましょう。
不正咬合(ふせいこうごう) | 歯が伸びすぎるなど、歯ならびが悪くなる病気 伸びた歯が口内に刺さって炎症を起こす 痛みでエサを上手く食べられなくなる 悪化すると全身症状へと拡がってしまう 治療は悪さをしている歯を切ることが一般的 |
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下痢 | 感染症・ストレス・栄養不足などが原因となることが多い シマリスは繊細なのでお腹を壊しやすい お腹の痛みで食欲が落ちることもある |
骨折 | 高いところからのジャンプや勢いよく飛び移る際に発生しやすい 多頭飼いによる喧嘩が原因になることもある あまり動かない、違和感のある歩き方などに気が付いたら要注意 |
自咬症(じこうしょう) | ストレスから自分自身を噛んで傷つけてしまう病気 繰り返し噛むので患部の保護が難しい 傷の保護・消毒をしながらストレスの軽減を目指す |
どの病気もシマリスにとって非常に身近なので、日ごろから注意をする必要があります。
特に「不正咬合」「下痢」「自咬症」の3つは食事内容や飼育環境が影響しがちです。
バランスの良い食事に適度な運動、過ごしやすい飼育環境をお世話を通して維持してあげてください。
体調の異変に気が付いたら、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。
シマリスの診察ができない病院も少なくないので、お迎えする前にかかりつけ医を見つけておくことも大切です。
まとめ
かわいらしい姿から、ペットにしてみたい!と思う人が多いシマリス。
ほかの小動物に比べて少々野性味があり、なつきやすさは性格に左右されることを理解しておきましょう。
基本的には警戒心が強く繊細なので、お迎えしてからは優しくお世話をしてあげてくださいね。
お世話は比較的難しくないですが、かかりやすい病気がいくつかあります。
食事・運動・飼育環境が適切かどうか定期的に見直し、シマリスが長生きできるように愛情を注いであげましょう。
様々な小動物を飼ってきた私が、もっと気軽に小動物の飼い主同士がやり取り出来たり、落ち着くコミュニティだったり、悩んだ時に質問しあえる環境が欲しくてサービスを提供しています!
飼い主の皆さん自身も、もちろんペットもより快適で幸せに暮らすために、ぜひ一度ご覧ください!